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村上RADIO ~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~

村上RADIO ~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~

こんばんは 村上春樹です。
村上RADIO、今夜は久しぶりにリスナーからのメッセージ特集です。ときには全国のリスナーのみなさんの声に耳を傾けましょう……といってもラジオで取り上げることのできる声の量は、全体のほんの一部に過ぎません。でも、ご紹介はできないけれど、ご紹介できないぶんもちゃんと読ませていただいています。あなたも気が向いたら声を上げてみてください。いつものように、メッセージの合間に僕のフェイヴァリット・ソングもかかります。

<オープニング曲>
Donald Fagen「Madison Time」


「プラトニックなおでん」さんから質問をいただきました。兵庫県26歳男性です。
「村上さんは好んでおでんを食べますか? 村上さんの小説の中で、たしかロールキャベツが登場したことがあったけど、おでんを見かけたことはないなあと思ったので、気になってしまいました」


はい、おでんは好きです。ただ、うちのおくさんがなぜかおでんを嫌っているので、そんなにしょっちゅうは食べられません。隠れて作って、一人でこそっと食べています。隠れおでん。なかなか切ないものです。しかしこの猛暑続きの季節に、なんでおでんの話が出てくるんでしょうね? まあ、いいですけど。

Flying
Nice Little Penguins
Smile - acoustic happy music -
BMG
曲をおかけします。デンマークのバンド、ナイス・リトル・ペンギンズの歌う「フライング」です。ウクレレがナイスです。

「じめじめラブポートコウベ」さん、兵庫県男性からのお便りです。

「こんにちは。ハルキさん。先日、ポール・オースターさんが亡くなられました。最新作が読めなくなることが残念でなりません。私にとってハルキさん、カズオ・イシグロさん、オースターさんのお三方は三大ギタリストと同じくらい大事な小説家の方たちです。ハルキさんの記憶に残るオースターさんのお話があればお聞かせください。今は、シリ・ハストヴェットさんの小説を読んでいます」


オースターさん、亡くなりましたね。才能溢れる、優れた作家でした。本を読むたびに、その知性の鋭さに感心させられました。それも知性をひけらかすのではなく、うまく物語という虚構装置を借りて、搦め手(からめて)から自らを語る手腕は本当に見事なものでした。

僕は一度、ニューヨークのブルックリンにあるオースターさんの家を訪れて、話をしたことがあります。1990年代初めのことですね。奥さんのシリさんも一緒でした。どんな話をしたっけなあ? 残念ながらよく覚えていません。僕はちょうどそのとき新刊書だった彼の『偶然の音楽(The Music of Chance)』を読んでいたので、 その話をしたような気がします。ご冥福をお祈りします。ちなみにイシグロさんには何度もお目にかかっています。
Deep Purple
Janet Seidel
Moon Of Manakoora
La Brava Music
音楽をかけます。ジャネット・サイデルの歌う「ディープ・パープル」、この曲にもウクレレがフィーチャーされています。

東京都48歳女性ししょこさんからのお便りです。
「村上さんこんばんは。中学3年生の頃から村上春樹作品を愛読しています。そんな私の1人息子が中学3年生になりました。そろそろ村上春樹作品を読み出す頃では?とソワソワしているのですが、なかなか手に取りません。本人も時々、そろそろ読もうかなと言うのですが。彼は今は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読んでいて、その前はアンドレ・ジッドの『狭き門』を読んでいました。読書好きには育ったのですが、家の本棚にある本は、いつでもいいやという気になるようです。 村上さんは、もし自分が15歳だったら何を読んだらいいと思いますか? ご自分の作品でも、それ以外でも。私は『海辺のカフカ』か『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』がよいと思いますが、母のススメは逆効果にしかならない気がするのでだまっています」


そうですね。おっしゃるように、口出しはなさらないほうがいいように思います。僕も子どもの頃から本を読みまくっていましたが、親とか先生の勧める本なんて目もくれなかったと思いますよ。というか、うちの親は最初から何も言わず、好きなものを好きなだけ読ませてくれていましたが。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と『狭き門』、ナイスな組み合わせじゃないですか。放っておいても大丈夫です。僕の本なんて読まなくたって、立派な社会人になれます。読書にとって大事なのは、まず雑食です。雑食状態を通り抜けて、初めて自分の心が何を求めているかが見えてきます。

The Guns Of Navarone
Xavier Cugat And His Orchestra
Cugat Plays Continental And Popular Movie Hits
Sepia Records
曲をかけます。ザビア・クガート楽団の演奏する「ナヴァロンの要塞」のテーマ。「ナヴァロンの要塞」、面白い映画でしたね。子どもの頃に観ました。
僕は一時期、「ナヴァロン洋裁店」という洋裁の店をやりたかったんですが、考えてみたら洋裁なんてできないし、洋裁にまったく興味もないし、もちろんあきらめました。興味のある方。トライしてみてください。


さて、先日の「村上JAM3」も、予想を超えて熱く盛り上がり、成功裏に終了しました。僕らスタッフも楽しみ、ミュージシャンも楽しみ、観客のみなさんも大いに湧いた白熱の2日間でした。たくさんの感想をいただきました。

銀のスプーンさん、新潟県女性46歳
「すみだトリフォニーホールでおこなわれた村上JAM3~熱く優しい、フュージョンナイト~に行ってきました。周りの年季が入ったジャズファン、村上主義者の皆さんに囲まれながら、果たして素人の私にフュージョンが楽しめるか不安がありましたが、ステージがはじまったら、そんなことはまったく関係ありませんでした。大西順子さんの光輝くようなピアノとエレピを筆頭に、メンバーを組んですぐということですが、加速度的にバンドのグルーヴが生まれていった感じがしました。村上JAMのもうひとつの(超個人的な)見どころ、舞台にいつまでも馴染まない村上春樹さんです。立ち位置を坂本美雨さんに諭されたり、マイクを忘れちゃう姿に癒されていました。いつまでも人前が馴染まない村上さんのままでいて欲しいです。文章とのギャップが好きです」


新潟からいらっしゃったんですね。楽しんでいただけたようで、なによりでした。僕は、そうなんです、ステージに立つと、いつも順番とか立ち位置とか忘れちゃうんです。そしていつも美雨さんに叱られています。そういうのを見て癒やされたということですが、いいですよ、どんどん癒やされてください。

つじえもんさん、26歳女性
「先日、青山のBLUE NOTE TOKYOでおこなわれた村上JAMに親子で参加させていただきました。愛知の僻地からの遠征だったため、盛り上がっている最中に退出しないと終電に間に合わない状況になってしまい、とても悔しかったです。それでも村上春樹さんを近くで見られて、生の声を聞けて、アーティストの方々のアドリブも観ているだけで楽しくて、とても良い体験になりました。一生で忘れられない1日になりました。ありがとうございました! また機会があれば親子で参加したいと思います!」


そうですか、はるばる愛知県からいらっしゃって、終電の時刻があって、「ブルーノート」での演奏、最後までお聞きになれなかったんだ。それは残念でしたね、最後がまたいっそう盛り上がったんですが……というのはきっと余計なことですね。楽しんでいただけてよかった。

Nightrider (feat. Freddie Gibbs)
Tom Misch & Yussef Dayes
What Kinda Music
Blue Note
曲をかけます。ちょっと新しいところで、トム・ミッシュの「ナイトライダー」。

「かえるくん」東京都、59歳男性からのお便りです。
「毎回、楽しく拝聴させていただいています。歳をとると、以前はこだわっていたことも、“まあいいか”と流せることが増えてきました。それでも、幾つかのことは譲れず、こだわり続けていることがあります。村上さんにも、そういう昔から一貫して守り続けているこだわりがありますか?」


僕は昔から、おおむね「まあ、いいか」という方針でやってきましたので、生活面で、あまり「こだわる」とか「これは譲れない」という感じのことはないんです。基本的にゆるいほうが楽でいいから。
ただし作家としての仕事の面では、「やること」と「やらないこと」の区別はかなりはっきりつけています。そして「やらないことリスト」は僕の場合、かなり長いものになります。

やらないこと。例えば、対談、座談会、往復書簡、テレビ出演、講演依頼(これは、どうしても必要な場合は別ですけれど)、連載小説、注文を受けて小説を書くこと、新聞のコメント、文学賞の選考委員、書評、広告出演などなど。作家になった最初のうちは、そういうのも少しはやったこともありますけど、性格にあわないことがわかったのでみんなすぐにやめてしまいました。おかげで人生がずいぶん楽になりました。ただ、そういうことを続けていると、友だちや味方の数はかなり減ってしまいますが。
Bye Bye Country Boy
Karrin Allyson
In Blue
Concord Jazz
カリン・アリソンの歌で聴いてください、「バイバイ・カントリーボーイ」。ブロッサム・ディアリーの作った曲ですね。

空色の猫さん、埼玉県35歳、女性の方からのお便りです。
「春樹さんこんばんは。いつも楽しく拝聴しています。最近、ずっと関東人だと思っていた知り合いが実は関西人で、関西弁ネイティブなのを隠して生きていたことを知りました。関西ご出身の春樹さんは、関東弁を身に付けるにあたって苦労したことはありますか? つい関西弁が出てしまうということってあるんでしょうか? 知りたいです」


僕は18歳までずっと関西弁のみを使って暮らしていました。で、大学に入ったときに東京に出てきたんですが、わりにすらっとこちらの言葉に染まってしまいました。空気に馴染んだというか。関西弁ネイティブなのを隠すというようなつもりはまったくないんですが、結婚した相手も明治以前から都心に住んでいる一族出身の人だったし、東京の言葉をしゃべるのが、僕にとってはごく自然なことになったんです。

でもこういう放送の仕事をしていると、ときおりイントネーションの違いを指摘されます。「村上さん、そこアクセントが違ってます」と言われて、言い直したりしています。もう半世紀以上こっちで暮らしているんだけど、イントネーションの癖ってなかなか抜けません。関西に帰って、昔の知り合いなんかに会うと、すっと自然に関西弁に戻りますが、そうじゃないと、なかなかすんなり言葉のスイッチが切り替えられなくなってきました。僕の関西弁、少し下手になったかもね。

「カタカタみしん」さん、神奈川県48歳の女性 からの質問ですね。
「村上さん、こんばんは。村上さんが亡くなったら太宰治の桜桃忌みたいにナントカ忌と名付けられて俳句の季語になるのではないでしょうか。もし自分で名付けて良いなら、ご自分の命日を何忌と命名したいですか? 亡くなる話なんてしちゃってすみません。出来るだけ遠い将来の話になりますように。それが全ての村上主義者の願いです」


僕が死んで、その命日が季語になるとはとても思えませんが、もし名付けていただけるなら、「眠り猫忌」なんかがいいですね。でもこれじゃ季語にならないか。猫は年中寝ていますから。うーん、なかなか思いつきません。適当に名前をつけてください。

もうひとつ葬式ネタ。宮崎県のまーちさん、36歳女性からです。
「最近、自分の葬式で流す音楽のプレイリストを作り始めました。まだまだ死ぬ予定はありませんが、悲しみの最中、家族に音楽のチョイスで負担をかけたくはないし、この世の最後の音楽は自分で選びたいと思っています。村上さんは最後に聞きたい音楽はありますか。私はThe Beatlesの『Here, There and Everywhere』は入れたいと思っています」


僕はずっと音楽を聴いて生きてきたので、死んだらもう静かにしていたいですね。しーんとした中で、のどかに眠りたい。というわけで、僕のお葬式の音楽のプレイリストはありません。もしいつか遠い将来に僕が死ぬようなことがあったら(たぶんないと思うんですけど)、みなさんで適当に好きな音楽を流して故人を偲んでください。この番組のテーマ「マディソン・タイム」なんかいいかもね。めえ~(羊谷さんの声)。
Welcome Back
John Sebastian
Singer Songwriters -Forever Best -
WEA Japan
ジョン・セバスチャンが歌います。「ウェルカム・バック」

かいつぶりさん 33歳男性、宮崎県の方です。
「いつも楽しく聞かせていただいています。今度、大勢の人の前でスピーチをすることになりました。私はあまり人前で話すことは得意ではなく、今から緊張して胸がどきどきしています。村上さんはラジオや講演などで話すとき、緊張しませんか? 何か意識していることはあるのでしょうか?」


スピーチ、むずかしいですよね。だいたいはうまくいきません(笑)。僕も人前でしゃべるのは苦手だとずっと思っていたんですが、あるときたくさんの人前に出てもあがったり、緊張しないことに、ふと気づきました。というか、聴衆が多ければ多いほど、なぜか妙にリラックスするんです。だいたい1000人から1500人くらいの前で話すことが多いですが、一度エクアドルで2000人を前に話をしたことがあります。これが今のところ最大かな。次は東京ドームですね(笑)。

スピーチをうまくこなすコツ。はい、練習あるのみです。何度も何度も実際に声に出して話してみる。家族や親しい人に聴いてもらって、あれこれ批評してもらい、それに沿って内容や語り方を変えていく。繰り返すようですが、練習あるのみです。そうすれば人前に出ても、ある程度はリラックスできます。がんばってください。
Love On A Two Way Street
Boz Scaggs
Memphis
429 Records
ボズ・スキャッグズが歌います。「Love On A Two Way Street」

「迷い猫」さん、男性、東京都。
「18歳の浪人生です。半年前、恋人に去られ、大切な友人に生き方を否定され、さらに大学にも落ちてしまった私はこれまでに感じたことのない喪失感に深く傷つきました。今後も同じようなことが待っているのではないかと考えると、絶望しかありませんでした。そんな時、村上さんの作品を読みかえしました。中学生で文体の面白さに惹かれた作品が、18歳の今、初めて自分の中に実感を持って入ってきました。そのおかげで心が癒されたと言っても過言ではありません。今はゆっくりですが少しずつ前に進めています。よろしければ、人生の初心者にアドバイスのようなものをいただきたいです」


人生にはだいたい必ず「どつぼ」のようなきつい時期があります。僕にもちゃんとありました。20歳の頃だったかなあ。何をしてもうまくいかず、まわりから人が離れていって、長いあいだひとりぼっちでした。「今後も同じようなことが待っているのではないかと考えると、絶望しかありませんでした」ということですが、その気持ち、僕にもよくわかります。不安で、切ないですよね。

でも今にして思うと、そういう時期って、人生にとって必要なものだったんですね。そういう時期をくぐり抜け、その経験を滋養にして人は成長します。孤独の中で心は広がりを獲得します。「イケイケどんどん」だけでは人生がやがて痩せこけてしまいます。そう思ってがんばってください。そのうちに必ずいいことがあります。
Sporting Life Blues
JJ Cale & Eric Clapton
The Road To Escondido
Reprise Records
J.J.ケールとエリック・クラプトンが歌います。「スポーティング・ライフ・ブルーズ」

中国の方からのお便りです。「品川狸」さん、31歳女性です。
「先日、初めて村上JAMに参加しました。普段あまり聴かない種類の音楽なので、ここじゃないと多分一生出会えない音楽だなと思いました。すごく貴重な体験でした。私は中学生の頃に初めて村上さんの小説を読んで、そこから日本文学にハマり、日本への留学を決意し、中国から日本にきました。もし村上さんの小説に出会っていなかったら、きっといまの私もここにいないでしょうね。会場の3階でステージ上の村上さんを見ていた時、本当に不思議な気持ちでした。人生は、数々の小さい奇跡と巡り合わせによって構成されてるのだなとつくづく思います。現在、自分でも何かを書きたいと思っています。しかし、いつも自分語りの文章になり、どの登場人物も自分になっちゃっています。村上さんはどうやって面白いキャラクターを作っていますか?」


僕の本を読んで、その流れで日本にいらっしゃったんですね。なんか責任を感じてしまいます。日本での留学生活を楽しんでください。
村上さんはどうやって面白いキャラクターを作っていますか?

うーん。僕の小説の登場人物は、僕が作るというよりは、向こうから勝手に出てくることが多いんです。僕はそういう人たちを観察して、文章にするだけ。わりに楽です。でもそういう人たちが自然に目の前に出てくるのを、じっと待っている我慢強さが必要になってきます。そのためには何をすればいいか?
まわりの人をよく観察すること。たくさん本を読むこと。そんなところかな?
慌てることはありません。じっくりやりましょう。
Summer Has Begun!~夏は来ぬ (feat.Carole Nobuka)
RED KIMONO PROJECT
叙情歌 JOJOUKA
TEOREMA
Red Kimono Projectというグループが英訳の歌詞で歌います。
「Summer Has Begun!~夏は来(き)ぬ」

僕はこの歌詞を「ホトトギス、早くから起きて啼いているな」という意味だとずっと思っていたんだけど、実は「早起き啼(な)きて」じゃなくて「早も来、啼きて」だったんですね。「早くもやって来て啼いているな」ということ。長く生きていると、いろんな発見があります。
Mr. Syms
Mark Whitfield
True Blue
Verve Records
今日のクロージング音楽は、ギタリスト、マーク・ホイットフィールドが演奏する「ミスター・シムズ」です。
「ミスター・シムズ」、ジョン・コルトーレーンの書いた素敵なバラードです。
さて、今日の言葉は、何かの本で読んで頭に残っている言葉なんだけど、それがどの本だったか、まったく思い出せません。僕の場合よくそういうことがあります。その場でさっと書き留めておけばいいんだろうけど、そういうときに限ってペンも紙もないんですよ。しょうがないですね。こんな言葉でした。
「どんな人間にだって何らかの価値はある。もしそうじゃないとしたら、この世界に何らかの価値のある人間なんて、ただの一人もいないことになる」
本当にそのとおりだと僕は思います。だから小説を書くとき、どんな小さな役の人物にも、ただの通りがかりの人にだって、僕は何らかの価値を託そうと務めています。だってそうしないと、本当に意味のあることって書けませんから。
「どんな人間にだって何らかの価値はある。もしそうじゃないとしたら、この世界に何らかの価値のある人間なんて、ただの一人もいないことになる」
それではまた来月。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • 今回もたくさんのメッセージを頂きありがとうございました。また、村上JAMにもたくさんのリスナーの方が足を運んでいただいたようで、心から感謝申し上げます。ところで、僕はエリック・クラプトンの大ファンなのですが、村上RADIOではよくエリック・クラプトンがかかるのでうれしいです!またかかるといいなあ。(CAD伊藤)
  • 村上春樹さん原作小説を初めてアニメーション化した『めくらやなぎと眠る女』が7/26に公開されました。アニメーション作家ピエール・フォルデス監督が村上さんの6つの短編を再構築。日本での劇場公開に向けて「日本語版」も制作されました。字幕版と日本語版、あなたはどっちをご覧になりますか(構成ヒロコ)
  • 村上春樹さんの小説にはまり、来日したという留学生、品川狸さんからのお便り。すみだトリフォニーホールの3階から春樹さんの姿を見て、人生は小さな奇跡の連続だと思ったとのこと。村上JAMを開催して良かったと心より思います。スタッフ一同大きな喜びです。これからもよろしくお願いします。(延江GP)
  • NYを愛し、NYの物語を描き続けた作家ポール・オースターが今年4月に亡くなった。柴田元幸さんの名訳で日本でも愛読者が多いが、村上DJは『偶然の音楽』を書いたばかりのオースターとブルックリンで会ったことがあるという。オースターはラジオDJとして全米からリスナーの「物語」を募ってラジオで朗読し、『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』という稀有な本を編んだ。今月の村上RADIOもリスナーの声を紹介し、愉しい曲がたくさんかかる。村上春樹とポール・オースター。二人の作家は、物語と音楽とラジオを愛している。(エディターS)
  • 今回の村上RADIOは、3回目となる「リスナーメッセージとフェイバリットソングズ」でした。この回を収録した日は東京が梅雨明けする1週間前で、外はムシムシする暑さ。そのせいか涼しさを感じる曲が散りばめられていて、梅雨明けした今にピッタリだと思います。来月は逆にアツい選曲テーマなので、そちらもどうぞお楽しみに。(キム兄)
  • 多くの方にご来場頂いた村上JAM、配信で楽しんでくださった方もありがとうございました!(我々の想像以上に)大好評だったグッズ販売、現在オンラインで販売中ですよ。↑のリンクからぜひお気軽にご覧ください♪またリスナーの皆様にお会いできるのを楽しみにしています。(ADルッカ)

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。