MURAKAMI RADIO
POST

村上RADIO サマースペシャル ~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます~

村上RADIO サマースペシャル ~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます~

村上春樹です。村上RADIO、今日は久しぶりにTOKYO FMのスタジオからお送りしています。家で一人でやっているのもそれなりにのんびりとして楽しかったのですが、やっぱりスタジオの雰囲気っていいですよね。
いつもは日曜日の夜7時からお送りしてるんですけど、今日は夏の特別枠ということで、この時間になりました。今日は僕の好きな音楽をかけて、その合間にみなさんからのお便りに積極的にお答えします。
“マイ・フェイバリット・ソングズ+リスナーズメッセージ” 、楽しんでください。

自分の家で録音していると、ときどき外から犬の吠える声が入ってきたりして、やり直しになります。コロナ自粛生活のあいだは、犬に散歩をさせる人が多かったみたいですね。みんな運動不足で、犬の散歩でもするか……みたいなことになったんでしょうね。おかげで犬たちはみんな喜んでいました。まあ、物事にはいろんな側面があります。
Doin' Time
Lana Del Rey
Norman Fucking Rockwell!
Polydor
ラナ・デル・レイ。1985年ニューヨーク生まれのシンガーソングライターで、ファッション・モデルでもあります。この“Doin' Time”を収めたアルバム“Norman Fucking Rockwell!(ノーマン・ファッキング・ロックウェル)”は去年の夏に発売されました。かなり挑発的なタイトルですね。
でも中身は素敵ですよ。
Me And Mrs. Jones(Bossa Version)
Sarah Jane Morris
After All These Years
IRMA
ビリー・ポールの歌で1972年にヒットした“Me And Mrs.Jones”を、英国人の歌手サラ・ジェーン・モリスがボサノヴァのリズムに乗せて歌います。これ、なかなかいいんです。切実な不倫の歌です。
6時半に二人はいつものカフェで待ち合わせます。ミセス・ジョーンズはきっと素敵な人妻なんでしょうね。どんな人か僕は知りませんけど。

このビリー・ポールのオリジナルは、新宿のレコード屋でバイトしているときに、いっぱい売りました。死ぬほど聴いた(笑)。
上野の中古レコード店でバイトをしていたこともあって、そこは上野駅だから東北本線で来るおじさんとかが「三波春夫のいいレコードはあるか」なんて聞いてきたりしたけど、僕も三波春夫に詳しくなって、「これとかいかがですか?」なんて答えたり、「岡晴夫はどうですか?」とか。一応僕はジャズ担当だったんだけど。
Hucklebuck
Otis Redding
Otis! - The Definitive Otis Redding
Rhino Records
オーティス・レディングは短い生涯の間に、たくさんの素晴らしい録音を残していますが、僕はなぜかこの「ハックルバック」という曲が大好きです。聴いていると思わず身体が動き出してしまいます。オーティス、かっこいいですよね。
彼は、あるソウル・シンガーの運転手兼付き人みたいなことをしていたんですけど、ブッカー・T&ザ・MG's(Booker T. & the M.G.'s)のギタリスト、スティーブ・クロッパーに頼み込んで、自分の歌を聴いてもらい、「おお、けっこういいじゃん」みたいなことで歌手としてデビューしました。付き人からスターに……なんかソウル・ミュージック界の志村けんさんみたいですね。
Sakta Vi Ga Genom Stan (Walking My Baby Back Home)
Anne Sofie Von Otter, Brad Mehldau
Love Songs
KING RECORDS
次は、ナット・キング・コールの歌でヒットした“Walking My Baby Back Home(僕のベイビーをうちまで送っていく)”をスウェーデン出身のオペラ歌手、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターが、ジャズピアニストのブラッド・メルドーの伴奏で、スウェーデン語で歌います。なかなかユニークな組み合わせですよね。
アンネ・ゾフィーは僕の好きな歌手です。クールな情熱っていうか、なんかオペラ界のシェリル・クロウみたいなタイプの人です。ここではクラシック音楽を歌うときとは違う素顔のようなものがほの見えて、なかなか素敵です。
Pump It
The Black Eyed Peas
Monkey Business
A&M Records
ディック・デイルの名曲「ミザルー」を元ネタに、ブラック・アイド・ピーズ(Black Eyed Peas)が軽快にヒップホップしています。曲名は“Pump It”。これ、何度聴いてもかっこいいですね。
ウィリアムさん、というかwill.i.amさんのセンスが冴えています。
Senza Fine
Boz Scaggs
Speak Low
Decca
「センツァ・フィーネ(終わりなき恋)」。前回のオールディーズ特集でも、Tボーンズの演奏でかけたんですが、今日もまたかけます。
歌っているのはボズ・スキャッグズ。Tボーンズのときは「『飛べ!フェニックス』のテーマ」というタイトルでしたが、今回はちゃんと「センツァ・フィーネ」という正式タイトルになっています。
大人の音楽です。渋いです。
The Madison Time - Part I
Ray Bryant Combo
The Madison Time
Collectables Records
次はこの番組の頭のテーマ曲「ザ・マディソン・タイム」、いつもドナルド・フェイゲンのライブ演奏を流していますが、今日はオリジナルのレイ・ブライアントの演奏でじっくり最後まで聴いてください。
この演奏は1960年の録音で、いちおうジャズなんですが、ビルボードの30位まで上がりました。ダンス音楽仕立てなので、ステップの説明が入りますが、このナレーションっていうか、かけ声がけっこうかっこいいです。思わず踊りだしたくなります。
The Rescue Blues
Ryan Adams
Gold
Lost Highway
このギターのリフがいいんですよね。
ライアン・アダムズの「レスキュー・ブルーズ」、僕は車を運転しながらよく聴いています。運転しながら聴くにはじつにぴったりの曲なんです。走りながら聴く曲と、車を運転しながら聴く曲はいくぶん違ってます。あんまり調子が良くて、身体が前のめりになるような曲は、運転しながら聴くとわりに危険です。ついアクセルを踏んでしまいますから。その点、この曲なんかは適度にブルージーで、まったりして、法定速度的に心地よいです。
ところで、ライアン・アダムズとブライアン・アダムズ、なんとかしてほしいというくらい紛らわしいです。まあ、どうにもならないんだろうけど。
It Is So Beautiful To Be
William Salter
It Is So Beautiful To Be
Marlin
次は、僕が昔から大好きだった曲ですが、「知る人ぞ知る」みたいな存在になっています。ウィリアム・ソルターの“It Is So Beautiful to Be”、「ここにこうして生きているって素敵だね」……1977年吹き込みの、人生を励ます歌です。ソルター自身と、パーカッショニストのラルフ・マクドナルドの共作です。ソルターはもともとソングライターだったんですが、ここでは本人がなかなか良い味を出して歌っています。
これは僕が店をやっているときに買ったレコードで、閉店した後によく一人で聴いていました。懐かしいです。

ところで話は変わりますけど、“Black Lives Matter”というスローガン、あれいろんな人が翻訳しているんだけど、どれもピンとこない。もし僕が訳すとしたら「黒人だって生きている!」というのが近いように思うんだけど、いかがでしょう?
It's So Beautiful To Be
Tom Scott
Blow It Out
Ode Records
今日のクロージング音楽、さっきかけたウィリアム・ソルターの“It Is So Beautiful To Be”を、サキソフォン奏者トム・スコットが演奏します。ピアノはリチャード・ティー、ギターはエリック・ゲイル、いわゆる「フュージョン系」、懐かしいですね。パーカッションは作曲者のラルフ・マクドナルドです。みんな亡くなってしまいましたが、腕利きの人たちだけあって、さすがに練れた演奏です。
いつもこのコーナーでは、音楽家、ミュージシャンの言葉を取り上げるんですが、今日は趣向を変えて、ちょっと違う分野の人の言葉を紹介します。アドルフ・ヒットラーさんです。例のナチス・ドイツのヒットラーさんです。さん付けで呼ぶのもなんですけど、いちおうこのエンディングコーナーでは、慣習的に「さん付け」でやっておりますので、すみません。 彼は著書『わが闘争』の中でプロパガンダについてこう述べています。プロパガンダというのは、政治宣伝活動のことです。

「プロパガンダは常に感情に向けられるべきであり、分別に向けられるべきではない。いかなるプロパガンダも大衆的でなくてはならず、その知的水準は最も頭の悪い者の理解力に合わせなくてはならない」

すごく率直でわかりやすい意見です。でもね、これが大いに効果を発揮したんです。そして世界は大きな戦争に引きずり込まれていきました。これって、なんかどっかの国の大統領のやり方を思い出させますよね。
それから、現在SNSなんかで盛んに行われている声高な発信にも、これに似たものが少なからず混じっていそうです。分別より感情。相手の知的水準を低く設定する。そういう傾向が最近いささか気になっていたので、今日はアドルフさんに特別出演していただきました。
この番組はもちろん、聡明で心優しいリスナーを対象として設定しています。ご安心ください。

リスナーからの質問に答えました

リスナーからの質問に答えました

さて今日は、リスナーのみなさんからのメッセージにお答えします。たくさんメッセージをいただいて、いつも紹介しきれないので、今日はがんばって紹介させていただきます。
14歳の女子、“良いおでんの湯加減で”さん

自粛期間中は学校が休校になり、自由な時間が増え、趣味の読書やギターに没頭しました。もしこれとは反対に、時間が限られておりなかなか自由な時間が作れない、そんな状況のときに、これだけは一日のうちに必ずしている(しなければならない)というようなことはありますか?
はい。コロナ・ウィルスのおかげでつらい思いをされた方、されている方も多いと思うんですが、そんな厳しい状況からでも、何か少しでもポジティブなものを引き出そうと努力するのって、大事ですよね。「困った、弱った」と嘆いたり、誰かにあたったりするよりは、逆にそれをなんとかうまく利用してやろうと思うところから未来が開けます。ギターの練習、素晴らしいです。14歳、がんばってください。時間がなくてもやっておくこと。それは、きちんと睡眠をとることです。眠っておかないと何もできません。
38歳の匿名希望の女性から

春樹さんの本『そうだ、村上さんに聞いてみよう』に「たとえ不倫でも純愛でも愛せるうちに愛しましょう。それが晩年に自分の心を暖めてくれるから」といった回答があり、当時不倫で苦しんでいた自分に刺さりました。15年経った今、本当にその通りだったと思っています。人に限らず物でもなんでも、何かを愛せるうちに愛そう。そう思いながら今も生きてます。村上さん、ありがとうございます。
うーん、そうですか。不倫関係。本当に好きになったのなら、これはもう仕方ないですよね、と僕は思います。まあいろいろとご意見はあると思いますが、僕は小説家ですから基本的に、社会的制度よりは心の在り方みたいなものを大事にします。燃えるときには燃える、良くも悪くもそれが人生です。思い出を大切にしてください。不倫といえば、昔エロール・フリンというハンサムな人気映画俳優がいました。で、この人は不倫をしたか? かなりいっぱいしたみたいですよ(笑)。名は体を表すというか、三回も離婚して、女性関係もど派手だったようです。まあ、どうでもいいようなことなんですけど。
明日はいい日になれBOYさん

僕は現在、大学4年生です。就活は来年するのですが、特にやりたいこともなく、将来どうしようか本当に悩んでいます。そこで僕の頭に浮かんだのは「小説家」として生きていくことです。ですが、食べていけるかも、恋も結婚もできるかも分からない道に進むことに強い不安があります。村上さんは将来の不安とかありましたか?
ぼくは二十代のときはずっと飲食店を経営しておりまして、わりに繁盛していたので、とくに小説家になろうとか、そんなことは考えていませんでした。でも29歳のときに『風の歌を聴け』という小説を、何かの拍子にふと書いてしまって、生まれて初めて書いた小説だったんだけど、それが文芸誌の新人賞をとりまして、そのまま小説家になっちゃいました。不安とか、そういうのって感じる暇もなかったですね。だからあなたにアドバイスを差し上げられるような立場にはないんですけど、「強い不安がある」というのであれば、小説家になるのはやはりやめた方がいいかもしれないですね。小説家になること自体はそんなに難しくないかもしれないけど、小説家であり続けるというのはかなり大変なことです、ほんとに。
32歳の会社員の男性、渡辺クダルさん

昨年「冬のみみずく朗読会」に行きました。昔から村上さんの本を読み続けている僕にとっては、夢のような時間でした。僕は平時でも家で本ばかり読んでいるので、自粛は苦にならないです。村上さんも同じだろうと勝手に推測していますが、いかがでしょうか?
そうですか、朗読会にいらっしゃったんですね。楽しんでいただけたとしたら、なによりです。よかったです。僕も楽しかったですよ。「品川猿の告白」(短編小説)の短縮版を中心に読んだんですが、僕は猿のしゃべり方の真似、けっこううまいんです。
「あたしはしょせん、猿ですから」(🐵)
品川猿、コロナ騒ぎをうまく生き延びて、今でも温泉宿で元気に働いているでしょうか? 心配です。
アーモンドチョコレートが一番すきさん

4月の放送で「上を向いて歩こう」を聴いていたら、今までの人生の色々な場面が思い出されて涙が出てきました。泣いた後はスッキリして、コロナ後の世の中はどうなるんだろうと考えました。そして村上さんの創作の源でもある親切心がとても大切なキーワードになるように感じました。今、私は本当の親切心は何かを真剣に考えています。
僕の好きな言葉に「愛は消えても、親切は残る」というのがあります。作家のカート・ヴォネガットの言葉です。含蓄のある言葉ですよね。「愛は消えても、親切は残る」――。 僕の大好きな、亡くなった河合隼雄先生(臨床心理学者)は「男女間のロマンティック・ラブなんて、そんなもん、すぐに消えるんですわ」とあっさりおっしゃっていました。でも愛が消えた後でも、親切心は残ります。そしてその親切心の中から、また新しい種類の愛が芽生えてくることもあります。そういう再生って、考えてみたら素敵ですよね。がんばって、上を向いて歩いていきましょう。
38歳、自由業の男性、ふみんさん

最近、若い女の子がみんな同じ顔に見えてきました。これ、歳のせいなんですか?
はい、それ、間違いなく歳のせいです。最近流行っている音楽も、何を聴いても同じように聞こえませんか?それも歳のせいです。
40歳の非正規公務員の女性、まるちゃん

最近結婚したのですが、夫は働いたことがありません。家事も私がやるので、暇そうにしています。私のテレワーク中にも「乾杯しよう」とか言ってきます。このままで良いのでしょうか?
僕も昔、一時期「ハウスハズバンド」をやってましたが、まじめに家事はしてましたよ。一生懸命ご飯を作って待ってたら、帰宅した奥さんに「今日はご飯いらないから」なんて言われて、しくしく傷ついたりしてました。おたくも、ちゃんと夫に家事をやらせなくちゃだめです。「甘えんじゃねえよ」とか怒鳴って、蹴飛ばしてやりなさい、本当に。躾けなくちゃだめです。
28歳の女性、猫柱元年さん

ラジオネームをいただいた猫柱元年です。私は、とあるメディアで報道の仕事をしています。新型コロナの中、日々自分なりに「今みんなが知りたいことは何なのか」を考え、仕事をしているつもりです。でもSNSなどには「メディアが伝えるべきことを伝えていない」といった批判が溢れていて、やるせない気持ちにもなります。春樹さんは昨今のメディアについて何を思われますか?
コロナ・ウィルスのような前例のない、まったく新しい状況が押し寄せてきたとき、誰だって混乱します。政治家だって、専門家だって、メディアだって混乱します。間違ったり、はずしたりします。これは当たり前のことです。急に猫又に襲いかかられたようなものですから、しょうがないです。その一方で、他人が混乱しているのを批判するのって簡単なんです。だから僕はSNSって一切やってません。無駄な情報が多すぎるから。僕はイラク戦争が始まったときアメリカに住んでいたんだけど、当時のアメリカの大手メディアの大方は政府べったりで、その無責任な情報の垂れ流しにはほとほとあきれ果てまして、それ以来メディアの差し出す情報には、ほどほどの距離を置くようになりました。大事なのは、やはり与えられた情報を取捨選択する能力ですよね。大きな混乱が生じたときには、経験と常識と嗅覚を駆使して、自分の頭で判断をするしかありません。頭を鍛えて有事に備えましょう。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • レコードはいつもと変わらずにターンテーブルの上をくるくると回り、あの頃の音楽を奏でてくれます。ラジオを点ければDJもどんなときもそこにいてお気に入りの曲をかけてくれます。夏のラジオと言えばジョージ・ルーカスの青春映画『アメリカン・グラフィティ』で、ご機嫌のロックンロールを流してくれたウルフマン・ジャック。今回の村上RADIOは、夏の夕暮れのオンエア。映画の主人公を真似て、マイクに向かう春樹さんにそのまま会いに行きたくなりました。(延江ゼネラルプロデューサー)
  • コロナ・デイズーー友だちと気軽に会えず、学校にもなかなか行けない。ライブや芝居は自粛。長い梅雨や大雨、そして猛暑……。でもそんな時、大好きな音楽がラジオから流れてくるとほっとしますよね。今回の村上RADIOは、久々に(適正な距離を保ちつっつ)春樹さんとスタッフがスタジオに集まりました。村上RADIOの第1回は2年前の8月5日。3年目に入った今回も、愛と親切心、ユーモアや励ましにあふれる選曲とトークでした。気が早いですが、村上DJが温めている秋のプログラムが気になりますね。(エディターS)
  • 終戦記念日の「村上RADIO」、色々感じるものがありました。「プロパガンダは感情に訴えるもので、最も知的水準が悪いもの理解力に合わせる」という独裁者の言葉に背筋がゾクっとしました。感情は大事ですが、流されないように、したいものです。さて、次回の村上RADIOのお知らせです。次の村上RADIOは日曜夜7時に戻ります。9月13日(日)19:00~19:55オンエアです。(38局ネット*一部の局の放送時間は異なります)どんなテーマになるんでしょうか…。お楽しみに!(レオP)
  • 先日知人から「村上RADIOは二回聴くと二回分、三回聴くと三回分の発見がある」と言われました。わたし自身、春樹さんの言葉と音楽を繰り返し聴くうちに、最初は気が付かなかった扉や仕掛けに気づくことがよくあります。あなたもぜひradikoで二度目、三度目の発見を楽しんでください。(構成ヒロコ)
  • 暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。ちょうど夏休み!という方もいらっしゃると思いますが、なかなかお出かけするわけにもいかない方も多いかと思います。そんな日はラジコタイムフリーでDJ村上春樹の珠玉の選曲をもう一度!番組サイトを読んで、あらかじめその曲のエピソードを知ってから聞くと、また別の楽しみができると思いますよ!(CAD伊藤)
  • 今回の「村上RADIO」は、終戦の日にサマースペシャルとしてお送りしました。今年は今まで経験したことのない夏が訪れているのに、人以外の空や街の音、景色はいつもの夏と変わらないものに感じます。もしかしたら戦争が終わったとされる瞬間も前日と余り変わらない景色だったかと想像すると、村上さんの言われている、見えないものを見ようとする力が今も大事なんだなと思えました。ということで、村上RADIOはいつもと変わらない、日常を彩る音楽とお喋りをお届けします。(キム兄)

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。