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村上RADIO ~村上の世間話4~

村上RADIO ~村上の世間話4~

こんばんは、村上春樹です。村上RADIO、今夜は恒例の「村上の世間話」です。たしかこれで4回目だったかな……。あまり世の中の役に立たないことで有名な「村上の世間話」。思いついたことをあれこれと語ります。そして、その合間に楽しい音楽、かっこいい音楽をかけます。といっても、僕が「楽しい」「かっこいい」と思っているだけであって、要するに身勝手な選曲なんですが、うちはまあ、もともとそういう番組なんで、すみません。みなさんにも少しでも楽しんでいただければ嬉しいのですが。

<オープニングテーマ曲>
「Madison Time」Donald Fagen


このあいだ夕暮れに近所をジョギングしていたら、イノシシに出会いました。道の前方にぬっと立っていたんです。かなり大きなイノシシで、びびりました。イノシシって、走るとすごく速いんです。追いかけられたら、とても逃げ切れません。だからじっと壁に張り付いて隠れて、どこかに去ってくれるのを待っていました。神奈川県の山の手の、普通の住宅地なんですけど、イノシシが時折出没するみたいです。日常生活にはいろんな、思いも寄らぬ危険が潜んでいます。みなさんも気をつけてくださいね。
After the Gold Rush
Prelude
Dawn The Sampler
Castle Music
イギリスのボーカル・グループ、プレリュードがニール・ヤングの「After The Goldrush」を歌います。

僕は夢ってほとんど見ないんです。あるいは見ているのかもしれないけど、どんな夢だったか、目が覚めたときにはほとんど内容を覚えていません。短いバラバラな断片しか思い出せないし、それもすぐにどこかに消えてしまいます。夏の午後の打ち水みたいに……。長くまとまった鮮やかな夢を見ることって、僕の場合まずありません。

一度、心理療法家の河合隼雄さんと食事をしながら四方山話(よもやまばなし)をしているときに、たまたま夢の話になりまして、「そういえば僕はほとんど夢って見ないんです」と言ったら、河合さんはうんうんとうなずいて、「ああ、それはね、当然のことなんですわ。小説家である村上さんが夢を見ないというのは」と言われました。で、そのときは何かあって、話がそこで終わっちゃったんですが、あとになって「うーん、その理由をちゃんと聞いておけばよかったな」と思いました。なにしろ河合隼雄さんは夢の分析の世界的権威ですからね。

小説家である僕が夢を見ないのはなぜ当然のことなのか? 小説を書いていないときにもなぜ夢を見ないのか。次に会ったときにうかがっておかなくてはなくてはと思っていたのですが 、残念ながらほどなく、河合さんは病を得て亡くなられてしまいました。だから僕が夢を見ない理由は、いまだに謎のままになっています。どうしてなんでしょうね?
花ふぶき~愛だろ、愛っ。~
東京スカパラダイスオーケストラ
GRAND PRIX
Epic
東京スカパラダイスオーケストラが「花ふぶき~愛だろっ、愛。~」を楽しく、元気よく演奏します。

夢の話の続きですが、ほとんど夢を見ない僕も、たまには長く鮮明な夢を見ます。僕がこの前見た長くてリアルな夢は、1人でアフリカのジャングルを歩いている夢でした。僕はジャングルの中の小径(こみち)をとぼとぼと歩いています。どうしてそんなところに1人でいるのか、わけはわかりませんが、なにしろ夢ですから何かしっかりとした理屈が通っているわけじゃありません。

しばらく歩いていると、後ろで何かの気配がするんです。何だろうと思って後ろを振り返ると、大きなワニが僕を追いかけてくるんです。すごく大きなワニです。それで、ワニってまた走るのが速いんです。そして大きな口を開けて、僕にがぶりと噛みつこうとします。噛みつかれちゃたまらないから、僕も必死で走ります。でもワニのほうがちょっと速くて、もう今にも食いつかれるというところまで追ってきます。僕は必死でぴょんとジャンプします。

そうしたら本当にジャンプしちゃったんですね。ベッドから飛び出して、床に投げ出されていました。痛かったなあ。その痛みは今でもよく覚えています。この話をするとみんな大笑いするんだけど。でもね、本当に痛かったし、笑い事じゃないんです。ワニ、怖かったし。
You're So Beautiful
Joe Cocker
Joe Cocker's Greatest Hits
A&M
ジョー・コッカーの歌う「You Are So Beautiful」は気楽に聴き流すことのできない音楽です。本人もとにかく全身全霊を込めて歌っているので、こっちもつい引きずり込まれてしまいます。だからたまにしか聴けないのですが……。

夢の話の続きです。こんなことを言うとよく驚かれるんだけど、僕はなぜか生まれてこの方、嫉妬の感情というものを経験したことがないんです。なかったと思います、もしあったとしても思い出せないくらいだから、たいしたものじゃないですよね。そんなわけでずっと長い間、嫉妬というのがどんなものなのか、その実態がうまく理解できませんでした。もちろんどういう成り立ちのものか、いちおう理屈としてはわかっているんですけどね。

でもあるとき夢の中で、僕は何かのことで、誰かに対してすごく激しく嫉妬していました。なぜ僕がその誰かに嫉妬しなくちゃいけないのか、その前後の成り行きはよくわかりません。でも、とにかくとんでもなく息苦しいほど嫉妬しているんです。

それは僕にとってすごく強烈な体験でした。息がうまくできなくて、心臓がどきどきしました。「そうか、嫉妬ってこんなにも苦しいことなんだ」と、そのとき初めて実感しました。それで汗ぐっしょりになって目が覚めて、胸はまだどきどきしていたんだけど、「ああ、夢でよかった」とつくづく思いました。現実生活でこんなつらい思いを経験しないで済んで、本当によかったなと。

夢って不思議なものですね。実際には経験したことのない感情のあり方を、こんなにも鮮やかに教えてくれるんだから。でもとにかく嫉妬ーー夢の中とはいえ、本当につらかったな。
Fools Rush In featuring Bobby Caldwell
Jazz Crusaders
happy again
Sin-Drome Records
ジャズ・クルセイダーズといっても、これはクルセイダーズが解散したあと、1995年に再編成されたバンドで、歌はボビー・コールドウェル、曲は「フールズ・ラッシュ・イン」です。

トロンボーンのウェイン・ヘンダーソンと、テナーサックスのウィルトン・フェルダーと、ギターのラリー・カールトンが中心になったバンドです。ジョー・サンプルとスティックス・フーパーは参加していません。でもヘンダーソンとフェルダーのフロントラインの響きは、相変わらずキリッとかっこいいですね。
Beautiful Dreamer
Leslie Guinn
Songs By Stephen Foster
ELEKTRA NONESUCH
ノンサッチ・レコードは学術的なレコードを好んで出す、いわゆる「意識高い」系のレコード会社ですが、ここからスティーブン・フォスターの歌曲全集が出ていまして、これは当時の楽譜通り、当時の楽器を使い、当時の歌唱方法で歌うという、かなり意欲的な企画でした。そこから「夢見る人」をかけます。バリトンはレスリー・グイン。この曲は1864年にフォスターが亡くなって、その2ヵ月あとに発表されました。亡くなったとき、フォスターの持ち金は僅か38セントの小銭に過ぎなかったそうです。

フォスターの時代は基本的に印税というものが存在しなくて、著作権みたいなものもなく、楽譜業者が1曲1曲はした金で買い取るというシステムでした。第一、当時はプロの「作曲家」という職業自体が存在しませんでした。みんな他にメインの職業を持っていて、アマチュアとして作曲をしていたんです。だからフォスターは生涯を通じて約200曲の歌曲を書いたのですが、ほとんど収入にならなかったんですね。

気の毒なフォスターさんの作った名曲「夢見る人(Beautiful Dreamer)」を聴いてください。
Goodbye Pork Pie Hat
Jeff Beck
Wired
Epic
ジェフ・ベックがチャールズ・ミンガスの名曲「Goodbye Pork Pie Hat」を演奏します。Pork Pie Hatというのは、ジャズのテナーサックス奏者、レスター・ヤングがいつもかぶっていた帽子のことで、彼の代名詞のようになっています。ヤングが亡くなったとき、ミンガスは彼を偲んでこの曲を作りました。とてもいい曲です。ジェフ・ベックの野太い音で聴いてください。

今夜は恒例の「村上の世間話」です。
またしつこくワニの話ですが、オーストラリアに行ったときに、シー・クロコダイルというワニを水族館で見たことがあります。日本名は「イリエワニ」。オーストラリアの人ってなんでも短く略しちゃうので、あちらでは「シー・クロック」と呼ばれています。これが実に大きくて凶暴なワニなんです。大きいものだと全長7m、体重1,200kgにも達するのがいるそうです。普通のワニがトヨタ・プリウスだとしたら、ハマーくらいのサイズですね。

シー・クロコダイルという名前のとおり、海を中心に住んでいまして、暗い海の波打ち際に、じっと静かに潜んでいます。目だけ出して、様子をうかがっています。動物とか人間とかが波打ち際にやってくると、ぴょんと素早くジャンプして飛びかかり、ぱくっとくわえちゃうんです。怖いですね。なにしろ口も大きいので、野牛なんかでも、あっという間にやられちゃいます。人間なんかひとたまりもありません。くわえて、水の中に引きずり込んで、ゆっくりむしゃむしゃ食べるんです。こんなのに食べられたくないですよね。そういうところを想像すると、水族館でガラス越しに見ているだけでかなり怖かったです。
The Beat Goes On
Tiffany
An All Star Tributed To Cher
all starz records
ソニー&シェールの歌で1967年にヒットした「The Beat Goes On」。以前バディ・リッチ楽団の演奏で、この曲をかけたことがありますが、今日はティファニーの歌で聴いてください、これ、なかなかかっこいいです。

ワニの話から、話はびゅんと蟹に飛ぶのですが、『蟹工船』っていう小説がありますよね。小林多喜二が戦前に書いたプロレタリアート小説です。少し前にこの作品の再評価がおこなわれて、映画や漫画などにもなり、ちょっとした社会現象になりました。蟹工船に乗った労働者たちが資本家や軍隊、監督から虐げられ、ひどい仕打ちを受け、次第に労働者としての権利に目覚めていくという話です。

僕は蟹を食べるたびにこの小説のことを思い出して、そしてこの小説のことを思い出すたびにふと考えてしまうのですが、虐げられ、ひどい仕打ちを受ける労働者たちももちろん気の毒なんだけど、海の底で気楽に暮らしているところを網でさらわれて、さっさと缶詰とかにされちゃう蟹だって、考えてみればずいぶん気の毒ですよね。

蟹としても「それなら、蟹の立場にたった小説だってひとつ書いてくれよ。おれらだってしっかり虐げられているんだからよお」とか、ぶつぶつ言い出すかもしれません。まあ、言い分にも一理ありますしね。しかしプロレタリアートにもなれない蟹の立場にたった『蟹工船』って、いったいどんな話になるんでしょうね? ちょっと読んでみたい気もします。たぶん誰も書かないだろうけど。
Respect Yourself
Guy Sebastian
The Memphis Album
Sony BMG Music Entertainment
ガイ・セバスチャンはオーストラリアの人気歌手ですが、ワニとは関係ありません。彼はアメリカのソウル・ミュージックが大好きで、好きが高じて、メンフィスまで行って現地のミュージシャンと一緒にアルバムを作っちゃいました。ブッカー・T&ザ・MG'sのオリジナル・メンバーである、ギターのスティーヴ・クロッパーと、ベースのドナルド・ダック・ダンが参加していて、素敵な味を出しています。この2人が入るだけで、往年のスタックス・サウンドがありありと再現されます。

曲はステイプル ・シンガーズの歌でヒットした「Respect Yourself」です。このアルバムの中ではベスト・トラックだと僕は思います。しっかり気持ちが入っています。

元日の能登半島の地震から、もう4ヵ月ほど経とうとしていますが、いまだに災害の傷跡に苦しんでいらっしゃいます。僕も能登半島はこれまで何度か旅していますので、テレビのニュースなんかで地震の傷跡を目にするたびに胸が痛みます。

学生時代の夏休み、1人でリュックと寝袋を背負って、能登半島を歩いて回ったことがあります。とても暑い夏で、歩くのは大変だったけど、でも道々でいろんな楽しい思いをしました。出会った人もみんな本当に親切でした。ある日の午後、田舎道を歩いていたら、畑で働いていたおじさんに呼び止められて、「おにいさん、これ食べていきな」と、もぎたてのトマトをいくつか手渡されました。「ありがとうございます」と言って、その場でトマトをひとつ丸かじりで食べたのですが、その美味しかったこと。暑さのせいもあるし、喉が渇いていたこともあるし、もぎたてだったこともあるんでしょうが、そんな美味しいトマトを食べたのは生まれて初めてのことでした。ジューシーで、甘くって……。能登半島というと、今でもその素敵なトマトの味を思い出します。

地震で傷ついた地域が1日も早く立ち直って、元のようになることを祈っています。おいしいトマトを作り続けてください。
Chotto-Matte-Kudasai
The SandPipers
A&M Gold Series The SandPipers
A&M
サンドパイパーズが歌います。「ちょっと待ってください」というのが曲のオリジナル・タイトルなんです。マジで。
Salade de Fruits
TSF
Drolement Vocal!
IDA Records
TSFというフランスのボーカル・グループが「フルーツ・サラダの歌」を歌います。

トマト・サラダも好きだけど、フルーツ・サラダもいいですよね。マンゴー入りのサラダが僕の好物です。
As Time Goes By
Barney Wilen
Modern Nostalgie-Starbust Forever-
ALFA JAZZ
今日のクロージング音楽、フランス人のベテランテナーサックス奏者バルネ・ウィランが「As Time Goes By」を演奏します。いいですねえ。決めの歌詞、「月の光とラブソングが、時代遅れになることはない」。本当にそのとおりです。
ちなみに今日おかけした音楽は、すべて僕が最近中古屋さんのバーゲンで買い込んできたCDです。値段は100円か200円か、高くて300円。そんなものです。バーゲン・コーナー、こまめに探すとけっこう素敵なものに巡り会えますよ。

さて、今日の言葉は、
「Paddle Your Own Canoe(自分のカヌーは自分で漕げ)」
です。

これはボーイスカウトのモットーにもなっていますが、もともとは英国の古い格言です。でも僕がこの言葉を初めて知ったのは、学生時代にカート・ヴォネガットの小説『スラップスティック』を読んだときです。その中でこの言葉はとても印象的に使われていて、今でもよく覚えています。『スラップスティック』、愉快な小説ですよね。先日久しぶりに読み返して、あらためて感心しました。

「自分のカヌーは自分で漕げ」。要するに自分のことは人に頼らずに、自分でしっかりやれということですよね。

でも「自分のことは自分でやれ」と言うと、身も蓋もないというか、ごく当たり前の「ご教訓」になってしまいます。でも「自分のカヌーは自分で漕げ」って言われると、そのシチュエーションが目の前に浮かんできますよね。実際にカヌーに乗って、パドルを手にして、1人で急流を乗り切っているような、そんな具体的な気持ちになります。「がんばらなくちゃ」、みたいな。

言葉の力って、表現の力って、結局そういうことなんですよね。生きた具体的な共通イメージを、送り手と受け手の間に起ち上げること。僕はいつもそのことを頭に置いて文章を書いています。それって大事なことです。

「自分のカヌーは自分で漕げ」

漕いでください。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • Small Talkの魅力が全開の世間話シリーズは、絶妙な選曲による音楽付きで「村上エッセイ」を聴ける(そしてWebで読める!)村上RADIOならでは企画です。今回は「夢」をめぐるあれこれですが、9曲目は「ちょっと待ってください」。学生時代に村上DJが能登を旅したとき畑で手渡されて食べた美味しいトマトの話の後にかかります。旅の思い出は、夢に出てきそうな素敵な光景です。村上DJとともに、能登はもちろん地震や災害で傷ついた地域の方々の心が癒えることを祈っています。(エディターS)
  • 夢の語源は「い(寝)め(目)」ということで、古文では寝ている間に見るものを意味していた様です。現代では人生で叶えたい目標も夢という言葉になるし、英語も両方dreamという単語が充てられますね。文化を超えて願い事と睡眠中の想像を重ねてしまうというのは、やはり人間は楽観的な考えにすがりたい生き物なのでしょうか?なんて、学者を夢見ていた頃に思いましたが、本当に起きてほしいことはゆめゆめ起きませんよねえ。(ADルッカ)
  • 夢の話。たぶんあまりよいことではないのだろうけど、ほぼ毎日夢を見ます。もう死んだ人や昔の恋人もくったくなく登場します。大河ドラマのように長い長い物語のときもあります。見たということは確実なのに、それがどんな夢だったのか、全く思い出せないこともあります。夢の中の自分の顔を見たことがありません。だからそれが本当に自分自身なのかも正直わからないのだけど(構成ヒロコ)
  • 夢ですね。敬愛する赤塚不二夫さんにこんな言葉があります。「忘れたくても、思い出せない」村上龍さんに教えてもらいました。夢は見ますが、僕の場合、「思い出せない」のです。(延江GP)
  • 今回の村上RADIOは、定期的に報告される村上春樹さんの世間話。夢・ワニ・蟹な一夜です。(キム兄)
  • 村上春樹さんが夢を見ない理由、なぜなんでしょうね。でも春樹さんの小説やお話には、夢を見ているときのような不思議な浮遊感と落ち着きを感じます。春樹さんが夢を見ないというのもなんとなくわかるような気もしますね。(CAD伊藤)

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。