MURAKAMI RADIO
POST

村上RADIO ~ラバー・ソウルの包み方~

村上RADIO ~ラバー・ソウルの包み方~

こんばんは。村上春樹です。
村上RADIO、今日はビートルズのアルバム『ラバー・ソウル』を丸ごとカバー特集でお送りしたいと思います。題して「ラバー・ソウルの包み方」。A面の1曲目から順番にお送りします。放送時間の関係で、残念ながら全部おかけすることはできませんが、14曲のうち10曲くらいかかるといいなと思っています。

<オープニング曲>
Donald Fagen「Madison Time」

LP『ラバー・ソウル』(Rubber Soul)は、1965年12月に発売されました。僕はそのとき16歳でしたが、このレコードが出たときのことをよく覚えています。そして、その音楽はすごく新鮮に耳に響きました。なんていうのかな、それは、それ以前には存在しなかった種類の音楽だったんです。そして今聴いても、まったく古びていません。同じように新鮮です。今日はいろんな人のカバーで、この素晴らしいアルバムを楽しんでください。
今日は英国盤LP『ラバー・ソウル』の曲順に従ってかけていきます。

というのは、オリジナルの英国盤は14曲入りなんですが、アメリカのキャピトル・レコードはそこから4曲を削除して、別の2曲を付け加えて発売するという暴挙に及んだからです。だからアメリカ盤と英国盤とでは内容が違っています。そのことは、またあとでちょっと話しますけど。
Drive My Car
BOBBY McFERRIN
A Tower Records Tribute to The Beatles
EMI-Capitol Music Special Markets
A面の1曲目は「ドライブ・マイ・カー」(Drive My Car)です。作曲したのはポール。この曲を最初に耳にしたとき、ずいぶん変わった曲だなと思いました。それまでのビートルズの曲とは雰囲気ががらっと違っていて、とても印象深かったです。しかしまさか将来、この曲のタイトルを拝借して短編小説を書くことになるだろうなんて、もちろん16歳のときには考えもしませんでした。 今日はボビー・マクファーリンの歌で聴いてください。すべての声と楽器音は、この人が1人で出しています。器用というかあきれるというか、まあ、ただただ感心しちゃいますよね。

<収録中のつぶやき>
「ドライブ・マイ・カー」というタイトルで小説を書こうと思った。ただタイトルを拝借しただけです。これは歌詞に二説あって、男の子が女の子を誘って「僕の車、運転しなよ」というのと、女の子が男の子に「わたしの車、運転していいわよ」というのがあって、ちょっとわかりにくいんだけどね。歌詞を読むと、どちらともとれるところがある。
Norwegian Wood
PM DAWN
And Your Bird Can Sing - A Collection Of Beatles Interpretations
COVERS
「ドライブ・マイ・カー」の次、A面2曲目が「Norwegian Wood(ノルウェイの森)」。
よくできているというか、まあ、たまたまなんですが。
ずっと昔のことですが、旅行でノルウェイに行ったとき、僕の本を出しているノルウェイの出版社の編集者が、車で僕をオスロ郊外の山の中に連れて行って、「ハルキ、ほら、これがノルウェイの森だ」と言いました。べつに普通の、なんでもない森だったですけどね。「はあ……」みたいな感じでした。

これは主にジョンが作った曲です。歌詞はずいぶん象徴的で、いろんな解釈ができるんだけど、だいたいは「女の子がセックスさせてくれなかったんで、部屋に火をつけてやった」みたいな内容ですね。それって、かなり問題あると思うんだけど、どうなんでしょうね。そんなシチュエーションがあるたびに放火してたら、世界はもう火事だらけになっちゃいますよね。
そうですよね、猫山さん。にゃあ(猫山)。

ヒップホップバンド、P.M. Dawnが歌います。「Norwegian Wood(ノルウェジアン・ウッド)」、ノルウェイの森。

<収録中のつぶやき>
この頃からビートルズの歌詞が象徴的になってくるんですよね。最初はもっと単純な歌詞だったんだけど、この頃から、どうとでもとれるという歌詞になってくる。進化してくる。
You Won't See Me
Dar Williams
this bird has flown A 40th Anniversary Tribute to The Beatles' Rubber Soul
RAZOR & TIE
3曲目。「You Won't See Me」。ポールの作曲、ポールがリードを取ります。
どうして英国盤とアメリカ盤の内容が違うのかという問題ですが、結局のところ、ビートルズの音楽が示している先進性に、アメリカの発売元、キャピトル・レコードの重役たちがついていけなかったというのが、いちばん大きな原因だと思います。ジョンとポールは、ヒット・シングルを寄せ集めて、それに適当な添え物をくっつけてアルバムを作るという従来の方式をとらず、テーマをひとつに定めたコンセプト・アルバムみたいなものを制作しようと志します。でもキャピトルの偉い人たちはそんなことが理解できなくて、中身を勝手にばらばらにして、別物のアルバムをこしらえちゃいます。

さすがに『サージェント・ペパーズ』以降はそんなことをしなくなりましたが、当時のアメリカ人は上から目線というか、英国のミュージック・シーンを一段見下していたんですね。「俺たちがロックの本場なんだし、売り方もよく知っているから、黙ってまかせておけ」みたいな。
実を言うと、僕が最初に手に入れたLP『ラバー・ソウル』はアメリカ盤で、英国盤と内容が違うんだと気がついたのは後になってからでした。
それでは「You Won't See Me」。歌うのはアメリカの女性シンガー・ソングライター、ダー・ウィリアムズです。
Nowhere Man
Randy Travis
come together America Salutes The Beatles
LIBERTY RECORDS
「Nowhere Man」はジョンの書いた曲です。僕はこの曲が大好きなんです。歌詞も素晴らしいですしね。でもキャピトル・レコードは「これ、いらない」と、アルバムから外してしまいました。とんでもない話ですよね。
ジョンにも、どうあがいても曲が浮かんでこない苦しい時期があって、そのときに「おれはどこにも行き場のない、居場所のない人間だよな」みたいなことを思って落ち込んで、そんな風にぐだぐだしているうちに、はっとこの曲が浮かんできたんだ、みたいなことを言っています。

ところで「ラバー・ソウル」(Rubber Soul)っていうアルバム・タイトルですけど、これはあるアメリカのブルーズ歌手が、ミック・ジャガーの歌のことを、「悪くはないけど、あれはプラスティック・ソウルだよな」と言って。ラスティック・ソウルというのは、“紛い物のソウル”ということなんだけど。それをジョンが耳にして、「じゃあ、おれたちはゴムのソウル、ラバー・ソウルで行こうぜ」みたいなことになったんだそうです。
もちろん靴のゴム底のラバー・ソウル(Rubber Sole)とかけてます。ジョンはそういう言葉遊びが大好きだったんですね。でも素敵なタイトルだと思います。

アメリカのカントリー歌手、ランディ・トラヴィスが歌います。「Nowhere Man」。

<収録中のつぶやき>
僕はこの曲の歌詞を日本語に訳したんだけど、著作権の問題で本に載せられなかった。ビートルズはすごくうるさくて、訳詞を載せちゃいけないんです。でも「Nowhere Man」って、すごく訳しにくいんですよね。意訳しないと、ニュアンスが伝わってこない。なんて訳したっけな、忘れちゃった。難しかったです。
THE WORD
THE CARNIVAL
yah! yah! yah! ~Good Day Sunshine~
Capitol RECORDS
5曲目、「Think For Yourself」は時間の関係でパスします。
6曲目「The Word」。
作曲は主にジョンです。リード・ヴォーカルもジョン。
このLP『ラバー・ソウル』を耳にして、こんな素晴らしい音楽があるのかと驚愕(きょうがく)したのが、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンです。そして「おれたちも、うかうかしていられないぞ」と一念発起して、新しいアルバムの制作に取りかかり、それは“Pet Sounds”『ペット・サウンズ』という傑作アルバムに結実します。
ここに至って「コンセプト・アルバム」というあり方が、誰の目にも明らかになります。そして、その『ペット・サウンズ』を耳にしたポールとジョンはショックを受け、今度は彼らが「うかうかしていられないぞ」と、『サージェント・ペパーズ』の制作にとりかかります。そういうふうにして、2つのクリエイティブなバンドが、大西洋を挟んでお互いを高め合っていったんです。

1960年代半ば、考えてみれば実にスリリングな時代でした。次に何が起こるか、何が出てくるか、本当に楽しみでした。
「The Word」をThe Carnivalというグループが歌います。カーニヴァルは1960年代に「セルジオ・メンデス&ブラジル’66」から枝分かれしたグループです。
MICHELLE
Rita Lee
bossa' n beatles
Lideres
7曲目「Michelle」。
ブラジル人の歌手、リタ・リーがボサノヴァ風に「ミッシェル」を歌います。
ポールが書いた美しい曲なんだけど、なぜかビートルズ側はこの曲のシングル・カットを拒否して、結局、英国とアメリカではシングルとして発売されませんでした。だからほかの歌手たちがいっぱいカバーをしています。いちばん有名なのは、ジョージ・マーティンがプロデュースした、デヴィッド&ジョナサンという英国のグループのもので、これはビルボードの18位まで上がっています。僕も当時はこのバージョンでよく聴いていました。

そしてこの曲は1966年度のグラミー賞「Song of the year」を獲っています。でも、こんな素敵な曲なのに、どうしてシングル・カットしたくなかったんだろうね。そういえば「イエスタデイ」も、バンドとしてはできればシングル・カットしたくないと思っていたみたいです。「ミッシェル」と「イエスタデイ」、どちらも今では不朽の名曲みたいになっていますよね。
ちなみにボブ・ディランさんは、どちらの曲も気に入らないと言っておられます。
Girl
JOHN TAMS
RUBBER FOLK
gott DISCS
8曲目、「What Goes On」はパスします。
9曲目は「Girl」。
この曲って、「ミッシェル」に雰囲気が似ていますよね。
これは主にジョンが作った曲ですが、けっこうポールの「ミッシェル」を意識していたのかもしれないですね。ジョンはインタビューの中で「僕はこの曲が好きだ、僕の作った曲の中でも最良のものだ」と語っています。途中で入る「はあ……」っていう呼吸音がなんか印象的です。
それでは、ジョン・タムズが歌います。「Girl」。
I'm Looking Through You
Ted Leo
this bird has flown A 40th Anniversary Tribute to The Beatles' Rubber Soul
RAZOR & TIE
次は10曲目。ポールがつくったI'm Looking Through Youです。
アメリカのパンク系シンガー、テッド・レオが歌います。途中でちょっとばかりパンクっぽくなります。
ポールはこの時期、長く交際していた女優のジェーン・アッシャーとの仲がうまくいかなくなり、頻繁(ひんぱん)に喧嘩をして、けっこう悩んだり、落ち込んだりしています。ジェーン・アッシャーはピーター&ゴードンの、ピーター・アッシャーの妹ですね。ポールはその心のもやもやを、この曲を作ることに注ぎ込んだんだと、後日語っています。そして曲を作り終えたあとで、ずいぶん気持ちがすっきりしたよと。

ポールも、若かったんですね。
In My Life
Little River Band
ABBEY ROAD・A TRIBUTE TO THE BEATLES
CLEOPATRA
11曲目は「In My Life」。
素晴らしい曲ですが、これもなぜかシングル・カットはされませんでした。だからカバー・バージョンが山ほどあります。作曲したのはポールかジョン、どちらなのかよくわかりません。2人でアイデアを持ち寄ってできあがったみたいです。自伝的な内容の歌詞を作ったのがジョンであることは確かですけれど。

途中で8小節のピアノ・ソロが入ります。クラシック音楽風のソロなんだけど、これはプロデューサーのジョージ・マーティンが弾いています。「このブリッジの部分、どうしようか?」みたいな感じで、未完成のままバンドのメンバーが休憩に出ちゃったあとで、マーティンさんが1人でスタジオに残って、すらすらっとピアノでこれを弾いて録音して、戻ってきたメンバーにそれを再生して聴かせたら、「おっ、これ、かっこいいじゃん」みたいな感じでそのまま採用しちゃったんだそうです。確かにいいですよね、このブレイク。
その完成したテイクのプレイバックを聴いて、ジョンは「これは僕にとっての最初のmajor workだな、代表作だな」と言ったそうです。
リトル・リバー・バンドがなかなか素敵なカバーをしています。「イン・マイ・ライフ」。
Wait
Ben Kweller featuring Albert Hammond Jr
this bird has flown A 40th Anniversary Tribute to The Beatles' Rubber Soul
RAZOR & TIE
次は12曲目の「Wait」。シンガーソングライターのベン・クウェラーがアルバート・ハモンドJr.のギターをフィーチャーして共に歌います。

ところでビートルズのどこがすごいかっていうと、やはり1つのバンドに天才が1人じゃなく、二人揃っていたところですよね。ジョンとポールです。2人とも作詞作曲ができて、それも同じくらいクオリティの高い歌を次々にさらっと作ってしまう。そんなバンドってまずないですよね。
おまけにその2人が――最後のほうはちょっとおかしくなっちゃうけど――協力しあって、お互いを高めあいながら2人で音楽をこしらえていきます。もちろんライバル心みたいなのも少しはあるんだけど、それを良い意味でのモチベーションに変えていきます。
どうしてそんなことが起こったのか?
どうしてリヴァプールのマージーサイドみたいな地味な地区で、2人の天才がたまたま巡り会うことになったのか? 僕にはわかりません。惑星直列というか、奇跡という以外にないですよね。
そして、それが奇跡であることがだんだん明らかになってきたのが、この『ラバー・ソウル』というアルバムあたりからなんです。
IF I NEEDED SOMEONE
BEAT・LELE
Fab4on4Strings
Beatle-Lele Music
13曲目「If I Needed Someone」。
この曲はジョージ・ハリスンが作った曲です。この頃からジョージも本格的に作曲に取り組むようになります。でもジョンとポールは自分たちが曲を作るのに夢中で、なかなかジョージは曲を採用してもらえませんでした。これも良い曲なんだけど、やっぱりどこか地味ですよね。「Something」みたいな胸にぐっと来る曲が生まれるまでには、今少し時間がかかります。

この曲を演奏する「ビートレレ」というバンドは、ハワイのローカルバンドで、主にビートルズのカバーをレパートリーとしているようですが、変わっているのはパーカッション以外の楽器がすべてウクレレであることです。バリトン・ウクレレ、テナー・ウクレレ、8弦ウクレレなんかを使っています。そんないろんな種類のウクレレがあるんですね。これは、ハワイのCD屋さんで見つけて買ってきました。
このバンドは、リヴァプールまで遠征して、無名時代のビートルズが出演していた有名な「キャヴァーン・クラブ」で演奏してきたそうです。本格的ですよね。

<収録中のつぶやき>
8弦ウクレレなんていうのがあるんだね。12弦ギターのウクレレ版みたいなものかな。リヴァプールの人たちもびっくりしただろうね、ハワイからこんなウクレレを持って、4人でやってきて(笑)。
In My Life
Spyro Gyra
A GRP ARTISTS' CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES
GRP
最後の曲、「Run For Your Life」は時間がないのでパスします。

<クロージング曲>
「In My Life」Spyro Gyra

この『ラバー・ソウル』というアルバムが出るまで、ビートルズはただの流行アイドル・バンドだと一般的に思われていました。今はすごく人気があるけど、そのうちに消えていくだろうと。しかし、このアルバムが出たあたりから空気が少し変わってきました。
「ひょっとしてこいつら、本当にすごいんじゃないか」と人々は考え始めたんです。ビートルズにとっても、ロック音楽にとっても、それはひとつの大きな転換地点となりました。

今日のクロージングの音楽は、スパイロ・ジャイラの演奏する「In My Life」です。
スパイロ・ジャイラ、懐かしいですね。日本に来たとき聴きに行きました。1982年の斑尾(まだらお)高原でのジャズ・フェスでした。リーダーのサックス奏者、ジェイ・ベッケンスタインが夜のジャム・セッションで乗りまくっていて、楽しかったです。
さて、今日の言葉は作家スコット・フィッツジェラルドの言葉です。
これは一人娘のスコッティーに宛てた手紙の中に書かれたものです。娘が学校でうまく作文が書けなくて困っていたときに、お父さんとして与えたアドバイスです。

「ほかの人たちと違うことを語りたかったら、ほかの人たちとは違う言葉で語りなさい」
僕は小説を書き始めた頃にこの言葉に巡り会い、それ以来これを座右の銘として小説を書き続けてきました。本当にそのとおりなんです。ほかの人たちと違うことを語りたかったら、ほかの人たちとは違う言葉で語らなくてはなりません。
とはいっても、なにも突飛な言葉である必要はありません。ほんのちょっとだけ、普通と違えばいいんです。でもその「ほんのちょっとの違い」を見つけるのはそう簡単なことじゃありません。でも訓練すればできるようになります。がんばりましょう。

考えてみたら、ビートルズの音楽だって「ほかの人たちとは違う言葉」で僕らに語りかけていたんですね。
今日はこれまで。また来月。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • 「ラバー・ソウルの包み方」ってどういうこと?なるほど、そういうことですね。今回はオリジナルとカバー、2倍楽しんでなんだか得した気分です。ダニー・ボイル監督の映画「イエスタデイ」はビートルズが消えてしまった世界の物語。もしビートルズの音楽がこの世に存在しなかったら?もし村上作品がこの世に存在しなかったら?この世界の景色は少し違ったものだったかもしれません。ああ、存在してくれてよかった(構成ヒロコ)
  • スタジオに流れるビートルズ・サウンドと村上DJの話を聴きながら、村上さんの書いたエッセイを思い出していました(『職業としての小説家』第4回「オリジナリティーについて」)。デビュー当時のビートルズについて評したというニューヨーク・タイムズの記事が紹介されています。

    They produced a sound that was fresh, energetic and unmistakably their own.
    (彼らの創り出すサウンドは新鮮で,エネルギーに満ちて,そして間違いなく彼ら自身のものだった)


    今回、村上DJはジョンとポールの出会いについて、「どうして2人の天才がたまたま巡り会うことになったのか?…惑星直列というか、奇跡という以外にないですよね」と語っていますが、聴きながら思わずうなづいていました。ところで、村上さんはそのエッセイでこうも言っています。「人々の心の壁に新しい窓を開け、そこに新鮮な空気を吹き込んでみたい。それが小説を書きながら常に僕の考えていることであり、希望していることです」と。考えてみれば、村上RADIOを聴くことも、「村上春樹」の小説を同時代に読めることも、われわれが出会った奇跡のひとつですよね。(エディターS)
  • ビートルズの原曲とカバー曲の違いが、とても面白い特集だったと思います。そして、クロージングのお言葉。色んな職業にも通じると思うと同時に、個人的に心にきました。ほかの人たちとは違う言葉。見つけられると良いなと思います。(AD桜田)
  • ビートルズの名アルバム「ラバー・ソウル」の中の楽曲を様々な角度で「カバー」したアーティストの曲で構成しています。それも、アルバムに入っている曲順に…。(しかし、このアルバムの中に入っている曲と同じタイトルの小説を書くとは 思ってもいなかったって言う春樹さんの冒頭コメントが個人的ツボでしたw)イギリス版とアメリカ版の曲順が違ったり(そもそもアメリカ版は数曲カットさ れている)、ジョンとポールの人間関係の話だったり、ビートルズにまつわる小ネタも差し込まれ、どの曲も原曲の雰囲気とは全く異な るけれどもやはり名曲で、とても聴きごたえのある1時間です。いやあ、このシリーズは面白い!!「ラバー・ソウル」以外にも、いろいろな名 アルバムの「包み方」も企画できそうですよね?!「ペット・サウンズ」とか…。(レオP)
  • 今回の村上RADIOは、ビートルズのアルバム『ラバー・ソウル』のカバー特集。番組では、オリジナル・アルバムの曲順通りにカバー・ソングが流れますが、改めて1枚のオリジナル・アルバムの中に、こんなにも後世に残る名曲が詰まってることに驚きです。音楽配信やサブスクでアルバムを聴く機会が減っている今、今後も名アルバムの曲順通りカバー・ソング特集を放送できたらと思います。(キム兄)
  • ジョンとポールのビートルズとブライアン・ウィルソンのビーチボーイズが切磋琢磨でポップスを磨き抜いたストーリー、感動です。先日ブライアン・ウィルソンの伝記映画を観ましたが、春樹さんの言う通り! 奇跡の邂逅ってあるんですね! いやはや、全て世界共通の村上RADIOでした。(GP 延江浩)

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。