MURAKAMI RADIO
POST

村上RADIO ~ポール・サイモン・ソングブック~

村上RADIO ~ポール・サイモン・ソングブック~

こんばんは、村上春樹です。村上RADIO、今日は「ポール・サイモン・ソングブック」をお届けします。

<オープニング曲>
Donald Fagen「Madison Time」


ポール・サイモンは1960年代、70年代を代表するシンガー・ソングライターの1人です。1941年生まれ、少年時代をニューヨークのクイーンズ地区で送りました。両親はハンガリー出身のユダヤ系移民、お父さんはニューヨーク大学で教えながら、ダブルベースを弾いてバンドを組織するという、かなり忙しい人生を送った人でした。ポール少年はそういう自由な環境で、野球と黒人音楽に熱くのめり込んでいきました。今でもヤンキースの熱烈なファンとして知られています。でもなぜかよく阪神タイガースのキャップをかぶっていましたけどね。

僕は10代の頃、サイモン&ガーファンクルの音楽を同時代のものとして聴いていたのですが、正直言って、それほど熱心にはフォローしていなかったです。「ああ、なかなか悪くないな」くらいの感じで淡々と聴いていました。当時はビートルズとかストーンズとかビーチ・ボーイズとか、そういう強烈な主張を持ったバンドが他にたくさんいたから、そっちのほうに目が行っていたというか……。でも今になって聴き返してみると、彼らの歌声も間違いなくひとつの時代を特徴づけていたんだなと、あらためて実感します。彼らの音楽と同時代を過ごせてよかった。数多くの素敵な曲があります。
The Sound Of Silence
Paul Simon
The Paul Simon Song Book
CBS/Sony
ポールとデュエットを組んだ相棒のアート・ガーファンクルは、やはり同じ年にニューヨーク・シティで生まれています。誕生日は1ヵ月も違いません。2人はニューヨークの同じ小学校に通っていて、6年生のときに一緒に歌い始めます。最初はドゥワップを中心に歌っていたんだけど、途中からポールの作ったオリジナルの曲を歌い始め、そのうちのひとつ「ヘイ、スクールガール」がレコード会社のプロデューサーの目にとまり、レコーディングをして、ヒットチャートに入ります。このときのグループの名前は「トム&ジェリー」でした。

でもそのあとヒットは続かず、グループは解散したのですが、1962年に2人は再会し、デュオ・グループを新たに組み、コロムビア・レコードと契約します。「サイモン&ガーファンクル」の誕生です。それまでにサイモンはかなりの数の曲を書きためていました。そして1964年にアルバム『水曜の朝、午前3時』を録音して発売しますが、これはほとんど評判になりませんでした。「ああ、またボブ・ディランの真似っこか」と思われて、ろくに相手にされなかったんです。

それでがっかりしたサイモンは単身ヨーロッパに出かけて、そこでふらふら気楽な生活を送っていたのですが、そのときアメリカから、シングルカットされた「サウンド・オブ・サイレンス」がヒットチャートの1位をとったという一報が入ります。そりゃ、びっくりしますよね。寝耳に水っていうか。

ポール・サイモン本人の歌で聴いてください。サイモン&ガーファンクルがブレークする前、ポールが旅先のロンドンで1人で吹き込んだアルバムに収められていました。「サウンド・オブ・サイレンス」。

僕が初めて聴いたサイモン&ガーファンクルはこの「サウンド・オブ・サイレンス」でした。高校生のときですね。そのときちょっと思ったのは、「こういう音楽ってこれまでなかったな」ということでした。メロディーはありきたりのものじゃないし、歌詞もなんだか意味深そうだし、ロックでもないし、フォークでもないし……。そういう斬新さに心が惹かれました。サイモンは大学で英文学を専攻していただけあって、その歌詞はかなり知的というか、文学的です。そういうこともあって、彼の作る曲にはどことなく内向的な影がついてまわります。そういうのが好きな人もいれば、あまり好きじゃないという人もいるでしょうね。

サイモンはそれまでの不遇時代に書きためていた曲を、次々に録音して発表します。アルバムでいうと『サウンド・オブ・サイレンス』と『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』の2枚、そこからカットされた「早く家へ帰りたい」「アイ・アム・ア・ロック」、「スカボロー・フェア」といった曲が人気を呼びました。サイモンとガーファンクルの成功の要因は、彼らの曲が若者にも大人にも同じように受け入れられたという点にあります。若者たちはそこに新しい息吹を嗅ぎ取り、大人たちはそこにこれまでのポップソングには見受けられなかった、若々しい知性を感じ取ったんですね。
59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)
Harpers Bizarre
ハーパース・ビザール・ベスト
Warner Bros. Records
Homeward Bound
The Quiet Five
Paul Simon Songbook
Connoisseur Collection
僕の大好きな曲を聴いてください。アルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収録されていた「59番街橋の歌」、歌うのはハーパース・ビザールです。59番街橋は通称クイーンズボロ・ブリッジ、クイーンズ区とマンハッタンを結ぶ橋です。ポールはよくこの橋を利用していたみたいですね。

そしてこれも同じアルバムからの曲、「Homeward Bound(早く家へ帰りたい)」、英国のグループ、クワイエット・ファイブが歌います。2曲続けて聴いてください。
Scarborough Fair
Marianne Faithfull
Paul Simon Songbook
Connoisseur Collection
I Am a Rock
The Grass Roots
Where Were You When I Needed You
Varèse Sarabande
やはりアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』から「スカボロー・フェア」を聴いてください。これは英国の古い民謡がもとになっています。そこに新たに歌詞とメロディーを付け加えて、アレンジしています。素敵なアレンジメントですね。マリアンヌ・フェイスフルの歌で聴いてください。

そして「アイ・アム・ア・ロック(僕は一個の石)」。これはLP『サウンド・オブ・サイレンス』に収録されていました。孤独の中に頑なに閉じこもる人の心境を歌った曲です。

僕は一個の石だ
僕は一つの島だ
石なら痛みを感じなくてすむ。
島なら泣いたりせずにすむ。
フォークロックを歌っていた時代のグラス・ルーツの歌で聞いてください。「スカボロー・フェア」そして「アイ・アム・ア・ロック」。
Mrs. Robinson
Booker T. & The MGs
Time Is Tight
Stax
サイモンは1968年に映画「卒業」のサウンドトラックのために「ミセス・ロビンソン」を書いて、それがヒットチャートの1位を飾ります。その曲を含んだアルバム『ブックエンド』もアルバム部門の1位を獲得しました。映画「卒業」のサウンドトラックには、この「ミセス・ロビンソン」の他にも、サイモン&ガーファンクルの曲がいくつか、とても印象的に使われています。この映画の映像と、彼らの歌声は切っても切り離せないものになっていますよね。マイク・ニコルズの監督、ダスティン・ホフマンの主演、ひとつの時代の空気を鮮やかに切り取ったフレッシュな映画でした。今観ると、「おいおい、それはちょっと調子良すぎやしないか」とか思ってしまうんだけど、当時は「若者の切実な突破力」みたいなところが共感を呼んだみたいです。

ブッカー・T & ザ・MG'sが演奏します。「ミセス・ロビンソン」
The Boxer
Bob Dylan
Self Portrait
Columbia
ポール・サイモンは決して多作なソングライターではないし、歌詞にも凝る方だから、曲作りに時間がかかります。1969年に彼らが出したレコードは「ボクサー」だけですが、これはヒットチャートの7位にまで上がりました。貧乏な少年が家出して都会に出てきて、生き延びるためにボクサーになり、激しく殴ったり殴られたりの厳しい人生を送ることになります。

ボブ・ディランがこの曲を取り上げて歌っています。アルバム『セルフ・ポートレイト』に収録されています。聴いてください。
Bridge Over Troubled Water
Aretha Franklin
The Very Best Of Aretha Franklin: The 70's
Rhino Records
コンドルは飛んで行く
越路吹雪
越路吹雪 ゴールデン・ディスク
Toshiba Records
アルバム『明日に架ける橋』は完成までに2年を要しました。2人はそれぞれの仕事を別々にすることが多くなったからです。彼らの音楽はますます複雑なものになっていったし、ガーファンクルは俳優として映画出演することに意欲を燃やすようになりました。「キャッチ22」とか「愛の狩人」といった映画に出て、高い評価を受けました。それでもこのアルバムの出来は実に素晴らしく、10週間続けてチャートの1位を独占しました。このアルバムからは3曲がシングルカットされ、それぞれにヒットしました。アルバム・タイトルにもなっている「明日に架ける橋」、「セシリア」、そして「コンドルは飛んでいく」です。
「明日に架ける橋」をアレサ・フランクリンが歌います。そして「コンドルは飛んでいく」を越路吹雪さんが歌います。どちらの歌唱も素晴らしい出来ですね。

「コンドルは飛んでいく」はアンデスのフォルクローレですが、ポール・サイモンが取り上げてアレンジし、世界に一挙に広めたので、彼のソングブックの中に入れてもかまわないですよね。
この「明日に架ける橋」という、彼らにとっての最高傑作アルバムを最後に、2人はデュオ・チームを解散します。まさに絶頂期にあるチームが突然ぽっかり消滅してしまった。みんなびっくりしました。しかし2人が仲たがいしたとか、お金のことでもめたとか、そういうことではなくて、ただ人間として、あるいはミュージシャンとして、それぞれの進もうとする道が次第にずれてきた、ということなのでしょう。まあそうですよね。いつまでも小学6年生の仲良し友だちのままではいられません。
Take Me to the Mardi Gras
Bob James
The Essential Collection 24 Smooth Jazz Classics
Metro Doubles
ポールとサイモンはコンビを解消し独立したあと、より大きく音楽の幅を広げていきます。自分のスタイルを固定することなく、過去に固執することなく、レゲエやラテン音楽、アフリカの音楽、ゴスペル、ジャズ、そんな、さまざまな音楽の要素を積極的に取り入れ、彼独自の音楽世界を作り上げていきます。

サイモンはコンビ解消後、1972年に自己名義アルバム『ポール・サイモン』を発表し、このアルバムからは2曲のヒットソングが出ています。「母と子の絆」と「僕とフリオと校庭で」です。
「母と子の絆」はジャマイカで録音されたし、「僕とフリオと校庭で」はラテン音楽の強い影響を受けているし……、と彼の音楽は次第に、自由で幅広いワールド・ミュージック的な色彩を帯びていきます。

そして1973年には独立後第2作『ゼア・ゴーズ・ライミン・サイモン』を発表し、これも好評を博します。ザディコ音楽やゴスペルの影響をうかがわせるアルバムでした。ここからは「ラヴズ・ミー・ライク・ア・ロック」と「僕のコダクローム」がシングルカットされ、ヒットしました。このアルバムには他にも「マルディグラに連れてって」という素敵な曲も入っています。ボブ・ジェームズの軽快な演奏で聴いてください。
Still Crazy After All These Years
Ray Charles
My World
Warner Bros. Records
それに続いて、彼は1975年に『Still Crazy After All These Years(時の流れに)』を発表します。このアルバムはヒットチャートの1位を飾り、その年のグラミー賞も獲得しました。このあたりはもう「向かうところ敵なし」という感じですね。このアルバムには、スティーヴ・ガッドやリチャード・ティーをはじめとして、フュージョン系の一流ミュージシャンが参加し、これまでのサイモンの音楽とはまた少し違うテイストが付け加えられました。

聴いてください。レイ・チャールズの歌う「時の流れに(Still Crazy After All These Years)」。これだけの歳月が流れても、僕はまだ君に夢中なんだ。レイ・チャールズ、この人が唄うと、とにかくなんでもこのひとの歌になっちゃいます。
The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)
Percy Faith
Today's Themes For Young Lovers / For Those In Love
Collectables
ポール・サイモン・ソングブック、お楽しみいただけましたでしょうか? ポールは1980年以降も歌手として、ソングライターとして第一線で活躍しますが、時間の制約もあり、この番組では70年代までの彼の仕事を中心にまとめてみました。

今日のクロージングの音楽は、パーシー・フェイス楽団の演奏する「59番街橋の歌」です。スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」の中でも、このクイーンズボロ・ブリッジはとても印象的に描かれていますね。僕もニューヨーク・シティ・マラソンで何度かこの橋を走って渡りました。アーチ状でずいぶん高低差があるので、走るのはけっこう大変です。
さて、今日の言葉はウィリアム・シェイクスピアの「ハムレット」に出てくる言葉です。


Brevity is the soul of wit.
ウィット(機知)の要は簡潔さにある。気の利いた一言というのは短ければ短いほどいいんだ、ということです。寸鉄人を刺す。しかし言いたいものごとを簡潔にまとめるのはむずかしいですね。至難の業です。だからスピーチはたいてい、だらだらと長くなります。どうすればうまく短くまとめられるでしょう?

来年は巳年なので、新年に向けて、僕からヘビさんに贈るスピーチを試しに書いてみました。

<えー、2025年は巳年、ヘビさんの年です。龍さんからのバトンタッチですが、竜頭蛇尾みたいなことにならず、より平和でより豊かな1年が世界にもたらされることを願っています。昨今の情勢を鑑みるに、これはかなりヘビーなお仕事になるとは思いますが、どうか頑張ってください>

うーん、あまり良い見本にはならないみたいですね。ただのしょうもない駄洒落です。でもとにかく短いことは短い。

それではまた来月。よいお年を。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • 年末に思い出すのは、サイモン&ガーファンクルの「7時のニュース/きよしこの夜」です。 "Silent Night"を歌うデュエットの後ろでラジオのニュースが流れてきます。ベトナム反戦運動を報じるアナウンサーの声がだんだん大きくなり、当時の事の次第を教えてくれました。音楽と時事ニュース。村上DJが紹介するサイモン&ガーファンクル特集を聴いて、半世紀以上前、世界の動きに耳をすませていた10代の自分を振り返りました。(延江GP)
  • 今年2024年も柴田元幸さんとの公開収録や小澤征爾さん追悼番組、そして村上JAM3など、盛りだくさんな村上RADIOでした。2025年もどうぞよろしくお願いします。来年早々「リスナーメッセージ特集」を予定しています。村上さんへの質問/相談/メッセージ、お待ちしています!(構成ヒロコ)
  • 初めて「The Sound of Silence」を聞いたとき、正直なんだか辛気臭い歌だなあと思ったのを覚えています。でも大人になって聴いてみると、じっと聴き込んでしまいますね。年の瀬とポール・サイモン、なんだか合いますね。どうぞ良いお年を!(CAD伊藤)
  • ポール・サイモンのメロディと歌詞、その演奏は今もなお人びとに孤独と哀しみとそれに打ち克つ勇気を与えてくれます。そこにひとつまみのユーモアと冒険を加えると、村上文学の作品につながる気がします。今回「Homeward Bound(早く家へ帰りたい)」は深く心に沁みました。(エディターS)
  • 今回の「村上RADIO」は、サイモン&ガーファンクルのポール・サイモン歌曲集でした。この特集で改めて「サウンド・オブ・サイレンス」や「明日に架ける橋」のあまりの名曲っぷりに目が眩み、メロディ・メーカーなだけでなくワールド・ミュージック的なミュージシャンだったことも思い出しました。今回、最も驚いたのは「マルディグラに連れてって」で、今日までボブ・ジェームズがオリジナルだと勘違いしていました…。(キム兄)
  • 高校生の時は地味に感じてしまい、あまり聞かずにきてしまったサイモン&ガーファンクル。歌詞も含めて素敵な曲ばかりで、ようやく良さに気づくことができました。アルバム「明日に架ける橋」は実家からLPを引っ張り出そうと思います。おせちの数の子だけは、未だに良さに気づけませんが。。(ADルッカ)

村上RADIO オフィシャルSNS

村上RADIO オフィシャルSNS

村上選曲を学ぶテキストはこれだ!

村上選曲を学ぶテキストはこれだ!

単行本

スタン・ゲッツー音楽を生きるー

ドナルド・L・マギン/著 、村上春樹/訳
発売日:2019/8/27
3,520円(税込)
詳細を見る
文庫

村上さんのところ

村上春樹/著
発売日:2018/5/1
907円(税込)
詳細を見る
文庫

村上春樹 雑文集

村上春樹/著
発売日:2015/11/01
810円(税込)
詳細を見る

単行本

セロニアス・モンクのいた風景

村上春樹/編訳
発売日:2014/09/26
2,160円(税込)
詳細を見る
文庫

小澤征爾さんと、音楽について話をする

小澤征爾/著、村上春樹/著
発売日:2014/07/01
767円(税込)
詳細を見る
文庫

ペット・サウンズ

ジム・フジーリ/著 、村上春樹/訳
発売日:2011/12/01
529円(税込)
詳細を見る
単行本

バット・ビューティフル

ジェフ・ダイヤー/著 、村上春樹/訳
発売日:2011/09/30
2,052円(税込)
詳細を見る
文庫

ジャズ・アネクドーツ

ビル・クロウ/著 、村上春樹/訳
発売日:2005/7/1
853円(税込)
詳細を見る
文庫

ポートレイト・イン・ジャズ

和田誠/著 、村上春樹/著
発売日:2004/02/01
853円(税込)
詳細を見る
文庫

さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想―

ビル・クロウ/著 、村上春樹/訳
発売日:1994/02/01
961円(税込)
詳細を見る
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』
文藝春秋(2021年6月):百曲以上の名曲を論じながら、作家の音楽観が披露される。
『意味がなければスイングはない』
文藝春秋(2005年11月)、文春文庫(2008年12月):『ステレオサウンド』2003年春号~2005年夏号に連載された音楽評論集。
『村上ソングズ』
和田誠(絵・エッセイ)と共著 中央公論新社(2007年12月)「村上春樹翻訳ライブラリー」シリーズに収録(2010年11月):歌詞の翻訳と和田誠の挿絵が中心の楽しい一冊。
『走ることについて語るときに僕の語ること』
文藝春秋(2007年10月)文春文庫(2010年6月):音楽本ではないが、ランナーにも愛読者が多い。

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。