NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

今、仕事も家庭も自分磨きにアクティブな生き様を実践する女性達。そんな女性達がいつまでも輝く心と勇気を失わず、体も心も健康な毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを送るのが、このノエビア カラーオブライフ。「生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと」をテーマにした、トークや音楽、話題、情報などが満載です。

TOKYO FM

NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

唐橋ユミ

今、仕事も家庭も自分らしく、いきいきと生きる女性たち。いつまでも輝く心を失わず、心も体も充実した毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを伝えます。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。

Guest朝吹真理子さん

朝吹真理子さん

【2018年9月ご出演】

1984(昭和59)年、東京生れ。2009(平成21)年、「流跡」でデビュー。
2010年、同作でドゥマゴ文学賞を最年少受賞。2011年、「きことわ」で芥川賞を受賞。
待望の芥川賞受賞後第一作、7年ぶりの新作である長編小説
「TIMELESS」(新潮社)を刊行。「TIMELESS」は、
恋愛感情のない一組のカップルを中心に、400年前の過去や2035年の未来が折り重なる物語。
時空を超える詩的でやわらかな表現は、これまでの作品を超える広がりを持っている。
(写真 新津保建秀)

朝吹真理子 新読書生活のすすめ

2018/09/29
今週も作家の朝吹真理子さんをお迎えしてお届けしました。

締めくくりの今回は歴史や本を愛する朝吹さん流のものの見方、考え方、
そして、本との付き合い方などをうかがいました。例えば歴史ある街にある
一本の道、もしくは身近な場所にある道。今その道に見える風景は、
今を生きる人の姿だけですが、歴史や時間を考えると、そこには
様々な人の姿や思いが交錯しています。そんなことを感じとったり
調べたりすることで、人は今に限らず様々な歴史の瞬間を
共有することができるのです。そんな道と同じ位置にあるのが、一冊の本。
一冊の本を手元に置いておくことで人は、一本の道のように
いつでもその道を通れるように、一冊の本といつでも出会うことができます。
例え今読まなくても1年後、3年後、もしくは10年後に読み、
その世界と出会うことができる。朝吹真理子さんが作家として目指しているのは、
そんな人に寄り添うことができる作品を生み出すこと。
その作品を読むことによって読者が自分の過去と向き合えたり、
自分では意識しなかったその心の新たな真実と出会えたり。本だけに限らず、
映画や舞台、そして一本の道の持つ物語だったり。
まさに「TIMELESS」な世界がそこにはあります。
丁寧に綴られた朝吹真理子さんの「TIMELESS」、その丁寧さこそ
朝吹作品の魅力であり、朝吹さんの芸術、文化、文学に対しての愛情。
3回のお話を通じて、そんな朝吹真理子さんの作家として生きる姿勢、
情熱に触れることができました。
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朝吹真理子 感性を刺激するもの

2018/09/22
今週も朝吹真理子さんを迎えてお届けしました。
まずは、朝吹さんの生い立ちと小説との出会いについてお話を
伺いました。朝吹真理子さんの大叔母にあたるのがフランス文学者であり、
フランソーワーズサガンなどの翻訳で知られる朝吹登水子さんです。
幼少の頃は、頻繁な交流はなかったものの、朝吹登水子さんの強いフランス語への
愛情を感じ取り、その存在の大きさを意識されたそうです。

そんな幼少期の朝吹さんが大好きだったのが「鉱石」だそうです。
小さな岩や石を見つけては、舐めてその中に秘められた歴史や
地球の変動を感じ取っていたというエピソードも。
そして、もう一つ朝吹さんが感性を刺激されたのが、「香り」です。
朝吹登水子さんは2回結婚しており、2度目の夫は香水で有名なコティ社の研究所長を
務めた調香師のアルベール・アルゴーさんでしたが、朝吹真理子さんはアルベールさんの
仕事に興味を持ち、香りの世界の不思議さや神秘に憧れを持つようになったそうです。

鉱石や香り、ともに無機質なものながらそこに込められている深い分子世界の謎や
意味。漠然としながら幼い朝吹さんが感じ取ったものは、その後作品によって
様々な言葉や表現で現れていきます。

そして、朝吹真理子さんは25歳で小説家デビュー。デビュー作品は、「流跡」。
ここに流れるのも、歴史や時間が生み出した風景や人の思い。出会った人や芸術作品、
歴史や時間が生み出した美。朝吹さんはそんなものに出会うたびに、自身の思いを
綴り、言葉や表現の原点としてきました。それは鉱石を口に含んだり、香水の香りに
魅せられた、まさにその幼少の時から変わらない朝吹さんの「TIMELESSな時間を巡る旅」
なのかもしれません。

(写真 新津保建秀)
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朝吹真理子 TIMELSSを語る

2018/09/15
今週からは今年6月、芥川賞受賞から7年を経て最新作「TIMELESS」を発表された
朝吹真理子さんのお話をお届けします。9月ももう中旬です。朝吹さんのこの夏の思い出は
お仕事で訪れた法隆寺の朝露にスボンの裾を濡らしながら歩いたこと。大人になってから出来た
朝露の中を歩く貴重な体験は、この夏の素敵な思い出として記憶に残っているそうです。

今回の新作発表にあたって多くのインタビューを受け、またトークショウなどにも出演された
朝吹さん。お話すること自体は得意ではないということですが、実は朝吹さんの作家デビューのきっかけと
なったのは、ある作家の方のパーティーでご挨拶だったそうです。その時に朝吹さんのお話を聞いた
編集者の方に強く執筆を勧められ、やがて2009年に「流跡」でデビューを果たされています。
そんな朝吹さんの描くことの原点は、自分が出会って感銘を受けた文学作品や絵画に対して、
抱いた思いや感動を伝えたいという思い。著者の方や作家に対して直接その文章を送り届けるのではなく、
それを書いて大切に机の引き出しに入れることで、まるでその机の中が四次元の世界で繋がり、
相手に思いが届くような気持ちを持つことができるそうです。

今回の作品、「TIMELESS」は男女の主人公の世界が時空をまたぐように展開する物語です。
ストーリーは読んでのお楽しみですが、作品に接した読者も、自身の過去や未来に思わず意識を巡らせてしまう、
まさに「TIMELESS」な物語を実感できるようになっています。小説を書き綴ることで、書いたものが
自分に語りかけ、それに呼応するように、また次の文章が綴られてゆく、
丁寧に綴られたこの物語は、朝吹真理子さんから時空を超えて私たちに届くメッセージと言えるかもしれません。
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