半径3mの「世界観」ライナーノーツ
「5%」
―いつまで過去を引きずるんだ?そう言った気がした。クリープハイプらしくない打ち込みのアウトロの中で。


「5%」

この四枚目のアルバムには「クリープハイプ」は5%しか感じられなかった。あの1stの、その前の、あのクリープハイプはもうどこにもいないのだろうか、

7曲目に入った。

やはりこの曲も違う。なんなのだろう。これは。もうあの頃のクリープハイプには、あの頃の尾崎世界観には会えないというこの、永遠に続く非充足感。

『5%くらいで酔ったらさ 5%くらいは信じてよ』

違う。この気持ちは違う。焦りだ。変わっていく彼らを、変わってしまった、そう思っていた。でも、それでは置いていかれてしまう。この曲も終わってしまう。

『ずっとそばにいて 僕を好きになるまで』

タイアップも増えてきて、でも彼らは手の届かないところにいるのではなく、僕を置いていくかのように走り出した。なら僕はずっとそばで応援したい。
いつまで過去を引きずるんだ?そう言った気がした。クリープハイプらしくない打ち込みのアウトロの中で。

さよなら、でもまだまだ行けるでしょ?

そう返してやるのだ、僕は。

駿真 15歳 北海道