負けない気持ち
この1年の生活はどう変わったのか?
「いろんな場所を転々とする生活だったのが、本当にも家が中心という生活に。こんなに一箇所にいたのは本当学生のとき以来でしたから。最初はどうしたものかなという気持ちがありましたね」
1年前の3月。
上原ひろみは日本に戻り、
そして考えた。
動画のワンミニッツ・ポートレート。
「仲間のミュージシャンと困ったことになったねって言うので、みんなそのパフォーマンスをする場所を失って、エネルギーの行き場がないと言うか、どうしたらいいだろう?今何ができるだろう?っていうのみんな模索している中は、Instagram というあの SNS のフォーマットの動画をあげられる上限が1分だったので、1分の曲を書いて色んなアーティストの人とコラボレーションしてみようというのを8回ですかね?に渡って行ってというのが一つ取り組みとしてありました」
さらに、考えた。
今の自分にできること。
「ブルーノート東京という箱が、ずっとお世話になっているクラブで、ブッキングの多数が海外のミュージシャンなんですね。クラブの営業がとても難しい状況になっているなっていうのをずっとそのブルーノートの仲間と話す中で、最初は、来日できなくなったミュージシャンの日程を代打で出るというところから始まった企画で。ライブ音楽業界を何とか助けたいという気持ちで始めました」
音楽業界のために何かアクションをしたい。
さらに思い浮かんだのはジャズと弦楽四重奏の共演だった。
「ジャンルにはこだわらず、自分も書いててこれは何のジャンルなのかと言うと、とても答えづらいんですけど、クラシックが好きな人にもジャズが好きな人にも何か色んな音楽を聴く方に聞いてもらえるんじゃないかなと思います」
負けないぞという気持ちが上原ひろみを前に進ませた。
音楽が作り出す底知れぬ力。
上原ひろみは言う。
「10年後?ピアノを弾いていると思います。
ずっとピアノを世界中で弾けたらなと思いますね」