NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

今、仕事も家庭も自分磨きにアクティブな生き様を実践する女性達。そんな女性達がいつまでも輝く心と勇気を失わず、体も心も健康な毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを送るのが、このノエビア カラーオブライフ。「生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと」をテーマにした、トークや音楽、話題、情報などが満載です。

TOKYO FM

NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

唐橋ユミ

今、仕事も家庭も自分らしく、いきいきと生きる女性たち。いつまでも輝く心を失わず、心も体も充実した毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを伝えます。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。

Guest飯島奈美さん

フードスタイリスト。
テレビCMを中心に広告、雑誌、屋台など食に関する各分野で幅広く活動。
映画『かもめ食堂』をきっかけに、数多くの映画のフードスタイリングを手がける

映画を彩るフードスタイリスト、飯島奈美さんの魅力と創意工夫

2024/12/21
映画やテレビドラマにおいて、物語に深みを与える大切な要素の一つである料理シーン。その背後には、フードスタイリストの綿密な準備と創意工夫があり、これまで数々の映画などでフードスタイリングを手がけてきた飯島奈美さんに、今日も作品の舞台裏エピソードなど伺いました。

映画『かもめ食堂』をきっかけに、映画のフードスタイリングを多く手掛けるようになり、その後も、『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』や『南極料理人』といった名作に携わり、観客の心に残る食のシーンを数多く生み出してきた飯島さん。
『南極料理人』のアメリカ・ロサンゼルス上映会では、飯島さんが考案した「醤油ラーメン味のポップコーン」や「エビフライのサンドイッチ」といったユニークなメニューが振る舞われたのだとか。実際の作品中の料理だけでなく、こういった遊び心あふれるアイディアが、映画の世界観をさらに広げています。

細部まで徹底するこだわり
撮影現場では、料理の細部にまでこだわり、『南極料理人』では、同じ形のおにぎりを東京から冷凍便で北海道の撮影現場に送るという徹底ぶり。また、見た目は同じでも俳優さんたちが飽きないように、調味料を微妙に変えるなどの工夫をしたりもするのだとか。

時代考証に基づいたスタイリング
2009年公開の映画『ヴィヨンの妻』では、時代考証を重視して当時の料理や食器を再現。「当時はどんなお米を食べていたんだろう・・・」「どんな食卓だったんだろう・・・」と思いを巡らせ、図書館で資料調査をしたり、老舗店へ問い合わせしたりと、徹底した研究のもと、リアルな食卓風景を表現されたんだとか。

フランス映画「真実」での挑戦
飯島さんが特に印象深かったと語る作品の一つが、是枝監督のフランス映画『真実』。カトリーヌ・ドヌーヴやジュリエット・ビノシュといった世界的なスターとの共演が実現したこの作品、撮影ももちろんフランス。飯島さんも現地でその腕を振るったわけですが、特に苦労したのは、撮影直前までどの料理を作るかが決まらなかった点。最終的に、カトリーヌ・ドヌーヴさんの旦那役のキャラクターがイタリア料理に凝っているという設定に基づき、パスタとデザートを作ることになったそうですが、「フランス人にフランス料理を作るのは日本で肉じゃがを振る舞うような緊張感がある」と語る飯島さん、言葉の壁を乗り越えながらも現場で順応し、お仕事されたよう。
ラザニアを作るシーンでは、俳優たちが予想以上にホワイトソースを使い、材料が不足する事態に陥ったこともあったそうですが、急遽スタッフが追加材料を買いに行き、飯島さんは一人で現場を切り盛りしながら対応。その柔軟な対応力は現場スタッフからも高く評価されています。

「孤独のグルメ」劇場版の新たな挑戦
2025年1月公開予定の劇場版『孤独のグルメ』にも参加されている飯島さん。韓国・釜山でのロケでは、地元の市場でスタッフとともに食器を調達するなど、現場の雰囲気を大切にしながら準備を進めたのだとか。物語の中では、松重豊さん演じる主人公が自分で食材を調達して料理する場面があるそうですが、現地での食材の入手が難しく、試行錯誤を重ねたのだとか。そんな努力の甲斐もあり、松重監督が今回の映画での「忘れられない味」として、数々のインタビューで「飯島さんのご飯」をあげるほどとなっています。

CMと映画の違い
飯島さんは映画やドラマだけでなく、多くのCMも手掛けてきました。特に東京ガスのテレビCMシリーズでは、「短い秒数で視覚的にわかりやすく美味しさを伝える」という課題に応え続けてきました。飯島さんはCMを「俳句のように削ぎ落とされた美」と表現。一方で映画では、物語の一部として料理がじっくり映されるため、違った表現の楽しさがあると語ります。
「フードスタイリストに特別な資格は必要ありませんが、料理を通じた表現力が求められます」と語る飯島さん。そのクリエイティビティと情熱は、料理を超えて作品全体に生命を吹き込んでいるようです。
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修行時代から独立、転機となった「かもめ食堂」

2024/12/14
映画やCMで独自のフードスタイリングを展開する飯島奈美さん。今週は、師匠の下で学んだ修行時代、そして独立から「かもめ食堂」までの歩みとその裏側を伺いました。

師匠の元で学んだ修行時代
幼少期から料理に親しんでいた飯島さん、フードスタイリストへの道を歩み始めたのは師匠である石森いづみ先生の下。7年間修行を積み、現場での実践を通じて、フードスタイリングの技術を学びます。
「当時は美しい仕上がりが重視されていましたが、現在はリアルな美味しさが求められます」
そう語る飯島さんは、料理だけでなく、時には、食器のコーディネートも担当。その際には、アイデアを2パターン用意して、一つは先生のスタイル、もう一つは自分なりのアレンジを加えたスタイルを提案するようにされていたのだとか。そんな努力と、師匠への気遣い、そして提案力で信頼を築きました。

独立後の挑戦と「かもめ食堂」
1998年に独立を決意した飯島さん。当初は「仕事が来なかったら移動式のコーヒー屋をやろうかと真剣に考えていた」とのこと。しかし、紹介を通じて徐々に仕事が増え、映画監督や俳優との関わりも深まりました。

独立後の大きな転機となったのが、2006年公開の映画「かもめ食堂」。
飯島さんは、この作品でヘルシンキに約1か月半滞在し、現地の食材や器を調達しながら、日本の家庭料理を見事に再現。
特に印象的だったおにぎりのシーンでは、炊きたてのご飯の触り方や鮭の焼き加減まで丁寧に指導し、リアルなシーンを演出しました。

「シナモンロールは現地のオーナーから学びました。手作業を見て学びながら再現するのが楽しかったです」と語る飯島さん、言葉が通じなくても料理は世界共通の言語のようです。

フードスタイリングの哲学と現場の工夫
飯島さんの仕事の特徴は、料理が「物語を伝える重要なツール」であること。例えば、「かもめ食堂」の満席のシーンでは、客が食べるタイミングを揃えながら何度もリテイク。食べる動作が自然に見えるよう工夫しました。
また、「見た目だけでなく、匂いや手触りまでリアルに表現することで作品の魅力を引き出す」と語る飯島さんは、料理の段取りや準備を徹底的に計算し、リハーサルを繰り返します。

料理を通じて物語や登場人物の魅力を引き出す飯島さんのフードスタイリング。
来週は、さらにレシピや料理の技術など、お話伺います。
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好きな場所は「台所」! 料理好きな幼少時代

2024/12/07
映画やドラマ、CMなど幅広い分野で料理を通じて作品を彩るフードスタイリスト、飯島奈美さん。
今月は、飯島さんの幼少期から現在に至るまでのライフスートーリーを通じて、
料理に対する情熱とフードスタイリストという仕事を紐解きます。

幼少期から芽生えた料理への関心
飯島さんが料理に興味を持つきっかけとなったのは、子ども用のキッチンおもちゃ「ママレンジ」。本物のホットケーキを焼ける機能を備えたこのおもちゃで、近所の人に料理を振る舞い、喜ばれる楽しさを実感したことが原点。また、母親が調理師として働いていた影響で、幼い頃から料理の手伝いをする機会が多かったそう。特に、味噌汁の煮干しをおやつがわりに食べていたりと、身近な料理体験が飯島さんの感性を育んでいきました。

フードスタイリストを目指すまで
意外にも、子どもの頃の夢は料理人ではなく美容師だったという飯島さん。しかし、高校時代にお弁当作りを続けた経験から、次第に料理への興味が深まり、栄養士の学校へ進学。そこで、料理雑誌の素敵なページに出会い、フードコーディネーターという仕事を知ります。ですが、当時はインターネットもなく、どうやってこの職業に就いたら良いのかもわからない時代。まずはと思い受けた雑誌編集者の面接で、フードスタイリストを紹介してもらうという幸運に恵まれ、学校卒業後、アシスタントとして第一歩を踏み出しました。

アシスタント時代の経験
飯島さんが師事したのは、フードスタイリストの草分け的存在である石森いづみ先生。料理の知識だけでなく、仕事に取り組む姿勢や人とのコミュニケーションの大切さを学びました。特に、当時ネットがなかった時代、参考書籍を繰り返し読み込み、未知の料理にも挑戦するなど、努力と創意工夫を重ねていきました。

映画やCMでの挑戦
飯島さんは、石森先生と共に映画監督・伊丹十三さんの作品にも参加。足りない知識は自力で補う姿勢で、実際に中華料理店で料理を学んだり・・・現場での実践的な経験を重ねることで、フードスタイリストとしてのスキルを磨いていきました。「人を喜ばせることが好き」という飯島さんのスタイルが、数々の作品で生かされています。

飯島奈美さんの料理哲学
「シンプルでおいしい」を大切にしている飯島さんの料理。忙しい日々の中で楽しむための工夫や、誰かを笑顔にする喜びが詰まった料理の数々。その一つひとつに、幼少期の経験やこれまでの努力が反映されてい流ようです。
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