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2010年。9月下旬、日本。
次の季節からきた心地よい風が、薄着の肌を優しくなでる秋の入り口。
今、わが校が誇るカリスマセールスマン・林さんの眼前には、真夏の空よりも青い、太平洋が広がっていた。
さらに、その海の先には、日本最高峰の富士の山。
『海賊先生の手紙』に書かれてあったコト。
…を、林さんは、次のように誤解した。
…ナニナニ?
この日本のどこかに、世界中の海の秘密を解き明かすために設立された、
『ナゾの海洋専門機関』が存在するんですな!
彼らは、『太平洋と富士の山を同時に見ることができる場所』で、
日本中の優秀な若者たちを集め、日夜海の研究を続けているというのですな!
しかし、その噂の真偽は!!?? 彼らの目的は!!!???
…それを確かめるのが、今回私に課せられたミッション! という訳ですな!
非常に少ないヒント。
しかし、林さんはやり遂げた!
…そう。およそ80時間に及ぶネットサーフィンの末、
林さんは今、まさにその建物の前にいた。
一見、無防備にも見える、ナゾの海洋専門機関の入り口。
しかし、ここには幾多の危険が待ち受けているに違いない…
林さんの片手には、『007』のスパイたちや『24』のジャック・バウアーをはじめ、
数々の名『潜入者』たちが使用してきた拳銃、『H&K USP』!!!! …の、モデルガン。
完全なる『ドヤ顔』を決め込みつつ、もはや『カリスマスパイ』と化した林さんは、心地よい緊張を背中に走らせながら、門の中へと足を踏み入れた…
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