2010年、初秋。
東海大学海洋学部、正門前。
再び、林さんの眼前には、真夏の空よりも青い、太平洋が広がっていた。
しかし、半日ほど前に見た青とは、全く違って見える青。
「やれやれ… とっておきの秘密を奪って帰るつもりでしたが…」
今、林さんの脳裏に浮かんでいるのは、今日出逢った人々の目の輝きだった。
あんなに素敵な若者たちが、あんなに頼もしい大人たちが、まだこんなにいるとは。
「代わりに… いい土産話が、たくさんできましたな」
本人には気づくよしもなかったが、林さんの目の色もまた、
半日前とは違う、美しい輝きを含んでいた。
林さんは、ずっと上着のポケットに入れていた『H&K USP』をそっと取り出し、地面に置いた。
そして、誰もいなくなった。
ふいに優しい風が、海から吹いた。
人のいない正門前には、『H&K USP』が、静かに横たわっていた。
…なーんてかっこよく終わる訳には、いかない。
こちらは、SCHOOL OF LOCK!の職員室。
「いやいや、この度はウチの林がホントに… ハイ、ご迷惑をおかけして… いや、ホンットーにスミマセン…」
声の主は、海賊先生。
何やら『謝罪モード』。
そりゃそうである。
われらの学校のカリスマセールスマンであるべき林さんが、勝手にスパイ気取りで人様の大学に乗り込んで、偉い先生方に拳銃を突きつけたり、暴れたりしていたのだから。
「…ホントにホントに申し訳ありません。もしよろしければぜひ一度、我が校にいらしていただけないですか? もちろん、お礼とお詫びという意味もあるのですが、わが校の生徒に、海の話をしていただきたくて。」
さて、電話の相手は…?
「そういうことでしたら、ぜひぜひ。じゃあ、せっかくだから、何かおみやげでも持っていきましょうかね。…海賊先生にちなんで、望遠鏡なんていかがでしょう? そう、よく映画に出てくる、昔の海賊たちが使っているような、アレです。」
「わざわざスミマセン…! ホントに。…じゃあ、来週の木曜日なんていかがでしょう?」
「了解しました。10月14日の木曜日ですね。お伺いします。」
「では、来週、楽しみにしてます。…ミスターカワカミ。」
出演
(出演順)
カリスマスパイ林さん : 林さん
マッドサイエンティスト・坂上 : 坂上憲光 准教授
坂上研究室の研究生さん
『望星丸』船長 : 河内尚 海洋調査研修船「望星丸」船長
『コラーゴン』博士 : 加藤登 教授(海洋学部長)
『コラーゴン』博士と密談中のオジサン1 : 小栗寿夫(東海大学広報部)
『コラーゴン』博士と密談中のオジサン2 : 佐藤勇樹
加藤研究室の研究生さん
図書館のオジサン : 大倉正次(東海大学清水図書館課長)
『環境社会学科』のセンセイ : 仁木将人 准教授
久保田研究室の皆さん
取材協力
林レポート1 (水中ロボット) / 坂上憲光 准教授
林レポート2 (波力発電実験場) / 田中博道 教授
林レポート3 (望星丸) / 『望星丸』乗組員の皆さん
林レポート4 (魚と化粧品、コラーゲン) / 加藤登 教授(海洋学部長)
林レポート5 (海洋考古学) / 小野林太郎 講師
林レポート6 (陸産養殖マグロ) / 秋山信彦 教授
林レポート7 (環境社会学) / 仁木将人 准教授
林レポート8 (気象と海の関係) / 久保田雅久 教授
監修・アドバイス
ミスターカワカミ
Special Thanks to
坂上研究室の皆さん
『望星丸』乗船実習生の皆さん
加藤研究室の皆さん
秋山研究室の皆さん
田川賢二(東海大学入試センター静岡入学広報課長)
『波力発電実験場』のスタッフの皆さん
All produced by SCHOOL OF LOCK!
Supported by
東海大学海洋学部
海賊先生が海の旅路で出逢ったという、
『ミスター海博士』こと、『ミスターカワカミ』の緊急来校が決定!
ってコトで!
今から、『海』に興味のある生徒!
海底都市とか、遺跡とか、海賊とか、深海魚とか聞いただけで、
ワクワクしちゃう生徒のミンナから、
『海にまつわる質問・疑問』をドバドバっと受付!
ミンナがびっくりするくらい、
『ミスターカワカミ』がスラスラ答えてくれるぞ!
質問をくれたミンナの中から抽選で5人に、
『ミスターカワカミ』からのおみやげである『望遠鏡』をプレゼント!
(海賊) 望遠鏡
かつて、世界の大海原を席巻していた『海賊』モデルの望遠鏡! とのウワサ!
ぶっちゃけ、詳細は不明だが、宝探しに最適との情報も! (笑)
たぶん、ギリギリ合法!
「海賊望遠鏡」当選者!!!
静岡県 16歳 のりよし
広島県 17歳 ライオコット
大阪府 16歳 ブルーハート
静岡県 14歳 えくすたちゃん
福井県 15歳 ON野菜