一生 ピンク・レディー宣言
その3か月後、増田恵子は女優という舞台にいた。
「大学生の役を山本陽子さん主演で、陽子さんの妹役で何ヶ月か出させていただきましたね」
その後やはり歌。
ソロ歌手としてデビューする。
「社長がどんな曲歌いたいって、どんな作家に書いてもらいたいって聞いてくださったので、ダメ元で言ってみようと思って、中島みゆきさんの曲が歌いたいって言ったんですね。そしたら本当に夢が叶って、みゆきさんから、弾き語りのデモテープが届いたんですよ。それがすずめ、何ていい曲だろうと思って、すごい嬉しかったですね」
ソロ歌手とデュオの違いにも直面したという。
「まったく違います。あのクッキーからずっとお互いに、お互いのあの歌い方ではなく、クッキーサウンドを作る。だからいわゆるピンク・レディーのサンドを作る意味で、あるし自分自身を殺して、お互いがお互いの声の間に自分の声を入れていくってか、パーツを埋めていくっていうか、そういう感じの作業なんですよ。
それがソロは何も誰かにはめて行かなきゃいけないものはなくて、自分の声だけで自分の思いだけで歌えるので、全く違いますね」
女優やソロアーティストとして活躍の場を広げる増田恵子。
プライベートでも大きな変化が訪れた。
44歳の時に結婚をした。
「びっくりしました。一生結婚しないと思っていたので。20代の時にすごい結婚願望があって、ある時も結婚しようと思ってた時があったんですね。それがシャボン玉のように消えてしまって、それ以来私はもう仕事一筋決めていたんですよ」
結婚後の変化とは?
「言葉は良くないですけど破滅的に生きてたのかなっていう、なんかこう生きてるっていう実感が欲しくて、ピンク・レディー自体があまりにもいろんな意味でハードだったので、なんかそのまんまできちゃったみたいなんでしょうね。なんか結婚したことでちょっと安定したのかな?根っこが生えた感じ?ちょっとどっしりと安定したかのな、心が安定したかなという気がします」
さらには、17年前にピンク・レディーを再結成。
「とってもわがままだけど自分たちのやりたい時にできるように解散やめようしようって言って、解散やめ発表したんです。これからずっと一緒ピンク・レディーでいましょうって言う」
10年後のビジョンとは?
「あまり考えたことがなかったんですけど、でも10年後も、その時は74歳になってしまいますが、10年後も今と変わらずあの歌えていたらいいなと思いますし、欲を言えばミニスカートを履いてペッパー警部を歌って踊れるの素敵だな。それも会場のみんなと一緒にそんな日が来たらいいなっていう風に思います」