この社会で生きている人は、毎日のように、いろいろなモノ(商品)を買ったりサービスを利用したりしながら生活しています。「消費者編」では、インターネットで商品を買うときやサービスを利用するときに知っておきたいことを、分かりやすく解説していきます。正しい知識を身につけて、安全にインターネットを利用しましょう。
インターネット上で提供されている有料コンテンツを利用すると、当然、料金が発生します。例えば、メッセージアプリのスタンプが100円で売られているとします。あなたがそのスタンプを欲しいと思ったらサービス提供者に100円を支払わなければなりません。
「スタンプを買うためにサービス提供者に100円支払うことを約束する」ことを契約といいます。 契約は約束の1つで、契約を成立させるためには、お互いに「売ります」、「買います」といった合意が必要になります。契約が成立すると、あなたは「スタンプを買うために100円を支払います」という約束を、サービス提供者は「100円をもらったらスタンプを提供します」という約束をお互いにすることになります。
約束した以上、きちんと守られなければなりません。
ただ、この契約という約束は、あなたが普段友だちとしている「明日、遊びに行こう」といった約束とは大きな違いがあります。もし、あなたが友だちとの約束を破ってしまったとしても、友だちは約束を守らせるために、あなたを無理やり遊びに連れてこさせるようなことはできません。
しかし契約の場合は、約束の内容を強制することができます。例えば、サービス提供者があなたとの約束を守ってスタンプを提供したのに、あなたが「スタンプを買うために100円を支払います」という約束を守らないと、サービス提供者は強制的にあなたに100円を払わせるようにすることができます。具体的には、契約に基づき裁判所に訴えてその支払いを強制することができるのです。
もし、おこづかいで支払える金額を超えて契約してしまった場合は、あなたが未成年者であれば取消すことができる場合もありますが(未成年者契約の取消し)、契約をする際に年齢を偽っていたりすると、その契約を取消すことができなくなります。
契約とは、単なる約束ではなく、守らないと強制力が伴う約束なのです。だから契約に関わることはとても慎重に、よく考えて行う必要があります。
通話する場合は通話料金、メールやインターネットを利用するには通信料金がかかっています。SNSやオンラインゲーム、動画サービスなどを利用する場合には、たくさんの通信を行うことになり、このようなサービスを毎日のように使っていると、高額の通信料金がかかる場合があります。携帯電話会社などには、インターネットをたくさん利用したい人のための料金メニューもありますから、インターネットをたくさん利用したいのであれば、まずは契約する前に保護者の方にきちんと相談し、細かな契約内容について話し合って決めましょう。
コンビニで100円のおにぎりを買うときは、お店の人に100円の現金を渡せばおにぎりが買えます。でも、インターネットでは現金をそのままサービス提供者に渡すことができません。
「キャリア課金」による契約は、契約する前に暗証番号を入れなければならないこともあります。保護者の方がスマホやケータイの利用料金を支払っている場合は、保護者の方のところに、毎月のスマホやケータイの利用料金と一緒に、あなたの買ったスタンプ代などを支払うようお知らせがきます。
スマホやケータイで有料のサービスを利用し、「キャリア課金」で支払いたい場合は、あらかじめスマホやケータイの利用料金を支払っている保護者の方に相談をし、許可を得てからサービスを利用しましょう。また、携帯電話会社やサービス提供者側で、1ヶ月に使える金額が定められていたり、設定できたりすることもありますので、あらかじめ使ってもよい金額を決めて、保護者の方との約束の範囲内で、自分でコントロールをしながら課金するようにしましょう。
電子マネーにも様々なものがあります。おこづかいで支払うためによく使われているのは、一定金額分をコンビニで購入するタイプです。
使い方は電子マネーを発行している会社によって違いますが、いずれにせよ、あらかじめ買っておいた電子マネーを、購入時に指示にしたがって使えば支払いをすることができます。 コンビニで売っている電子マネーは先払いですから、あなたの持っているおこづかいの範囲で買っておくことができます。
クレジットカードは、「契約が守れる信用できる人」のみが持つことを許されています。あなたが、まだ自分自身のクレジットカードを持つことができないのであれば、クレジットカードを使って支払うことはできません。もちろん保護者の方や、他人のクレジットカードを勝手に使うことも許されません。
もちろんお金を支払う約束は守らなければなりませんが、その約束は、あくまで契約が公平に行われた場合に有効なものです。これについて、説明をしていきましょう。
スタンプを100円で買う人、つまり、社会の中でさまざまな商品やサービスを消費する人のことを「消費者」と呼びます。そして、スタンプを提供するWebサイトやアプリを運営する会社など、商品やサービスを提供する側の人達を「事業者(サービス提供者)」と呼びます。
「消費者」と「事業者」との間で結ばれる契約では、ときに「事業者」に一方的に有利なように、つまり不公平に行われて「消費者」が一方的に損をしてしまう危険性もあります。立場の異なる「消費者」と「事業者」との間の契約を公平にするために、特に「事業者」においては、守らなければならない法律がいくつか存在しています。「事業者」は「消費者」を保護するために定められているこれらの法律を守って、「消費者」と契約するよう義務付けられているのです。
商品やサービスを買った後に、返品をしたくなっても困らないように、また、何か問題が発生しても「事業者」と連絡を取ることができるように、契約内容や表示内容などについては事前によく確認しておきましょう。
≪特定商取引に関する法律≫
「どのような被害が発生しても一切責任を負いません」、「代金5,000円の支払いが遅れたら延滞金1日につき1,000円加算されます」、「不良品であっても交換・返金は一切できません」といった条件は、「消費者」にとって不利な契約条件といえます。「利用規約」は長くても読み飛ばさず、自分を守るためにも必ず内容を確認するようにしましょう。
「消費者」が守るべき条件が「利用規約」などに記載されていても、「消費者」に一方的に不利なものは無効とされる場合がありますので覚えておきましょう。
≪消費者契約法≫
もし、確認画面が全く表示されず、契約内容が間違えた状態のまま商品やサービスが注文されてしまった場合は、注文するつもりは一切なかったことをはっきりと伝え、その契約が無効であると主張することができます。
≪電子消費者契約法≫
でも、その人はお金を払ったら、そのチケットを渡してくれるという約束を本当に守ってくれるのでしょうか。インターネットは、実際に相手と会うこともなく、素性がよく分からないままやり取りができる世界です。相手が誰だか分からないと、約束を守らず連絡が取れなくなってしまう恐れもあります。
SNSなどで知り合った人と契約をする場合は、まず信頼できる身近な大人に相談し、その人が信頼できそうな人かどうか、過去の取引でトラブルが起きていないかなどを一緒に考えてもらいましょう。
RMTでもやはり、「お金を支払ったにもかかわらず、約束のアイテムを渡してもらえない」という詐欺被害が起きています。RMTを禁止しているサービスも増えていますので、利用規約などをよく確認しましょう。
RMTは、多くのゲームサイトやアプリでは「利用規約」において禁止されています。
「利用規約」はサービスを利用する上でのルールとなりますので、ルールを守らない利用者は、違反者としてゲームサイトやアプリから追い出されてしまう場合もあります。楽しいゲームの利用や一生懸命育てたキャラクターの利用も、ゲームサイトやアプリから追い出されてしまったら一切利用できなくなってしまいます。「利用規約」をきちんと守り、どんなに魅力的でも禁止されている行動はとらないようにしましょう。
このような場合、登録をすることで高額な利用料金や毎月のように料金が発生するケースがほとんどです。その結果、毎月何万円もの料金がクレジットカード会社などから請求されるようになることがあります。
これは、広告を出してWebサイトやアプリに誘導することでもらえる礼金を目当てにした手口のひとつです(URLなどのリンクを貼り、誘導した先のWebサイトやアプリでの商品購入や会員登録をした件数に応じて広告代が支払われる仕組みを「アフィリエイト」といいます)。
このような手口に引っ掛からないようにするためには、身に覚えのない請求や、不当だと思われるような請求が来たら、すぐに返事や対応をしたり、相手の言いなりになったりするのではなく、信頼できる身近な大人にすぐ相談することが大切です。
インターネット上で知り合った相手が、本当に信用できるかどうかは分かりません。また、誘われた先が面白そうなWebサイトやアプリでも、信用できるサービス提供者が運営しているものかどうか分かりません。
インターネット上で知り合った相手にはむやみに個人情報を教えてはいけませんし、あなたの家族や友だちのことを聞かれても安易に教えないようにしましょう。また、誘われた先のWebサイトやアプリに個人情報を登録するのもやめましょう。
信用できない相手に教えた個人情報は二度と取り戻すことができませんし、必要のない広告メールやアダルトサイトからのメールが大量に届くようになったり、電話がかかってきたりすることもあります。また、身に覚えのない請求メールが届くようになったり、ストーカー行為を受けたりするようなことも起きています。個人情報を安易に教えてしまうと、次々と新たなトラブルに巻き込まれてしまう危険性があるのです。
インターネットは、相手の顔や本当の姿が見えない世界です。あなたの個人情報が知らないところで悪用されたり、別の人があなたになりすましたりして悪いことをするかもしれません。そうなると、トラブルがより複雑になり、解決することが困難になります。
個人情報だけでなく、Webサイトやアプリに登録しているIDやパスワードのような情報も、絶対に他人に知らせてはいけません。あなたの持っているアイテムや仮想通貨を全部盗まれてしまったり、勝手に高額なサービスを利用されたりしてからでは取り返しがつきません。
また、よく知っているWebサイトやアプリから、記載されているURLにアクセスして何らかの手続きをするよう求められるメールが届いても、すぐには応じないで、Webサイトやアプリを運営しているサービス提供者に確認しましょう。そのメールがサービス提供者からのものではない可能性もあります。安易に手続きを行ってしまうと、あなたのIDやパスワードが誰かに盗まれて悪用されるかもしれません。
また、登録したWebサイトやアプリから「登録料を支払わないと自宅に行く」、「退会するには連絡をしてください」という画面上の記載やメールが届くこともありますが、慌てて連絡を取らないようにしてください。「退会の手続きのために名前や電話番号をお知らせください」といったように、個人情報を聞き出そうとすることもありますが、絶対に教えてはいけません。「脅せば言うことを聞く人」と相手に思われたら、さらに請求が続いたり、脅されたりすることもあります。
どんなことがあっても、知らない相手や信用できないようなWebサイトやアプリには、個人情報を教えない、書かないということが大切です。
ほとんどのサービス提供者は、あなたからもらった個人情報の管理に関する法律(「個人情報の保護に関する法律」=「個人情報保護法」)に基づく義務を負っています。この法律を守っているサービス提供者であれば、基本的にこのようなページを用意しています。
「個人情報の取扱い」や「プライバシーポリシー」には、まず、あなたからもらった個人情報を、サービス提供者がどのような目的で利用するのかが書かれています。特に、登録した個人情報が、他のWebサイトやアプリにも同時に利用されるような場合は、そのことが具体的に書かれていますので確認してください。
また、登録した個人情報を削除したい場合や、間違って登録されている個人情報を変更したい場合に、どこに連絡をすればよいか、どのように連絡したらよいかも書かれています。 もし、利用目的が具体的に書かれていないWebサイトやアプリであれば、登録を避けるのが安全です。
広告メールを送るのに、どうして前もってあなたからの許可が必要なのでしょうか。それは、法律(「特定商取引に関する法律」・「特定電子メール送信法」)において、サ ービス提供者はメールを送ることについて利用者から許可をもらわない限り、利用者に対して広告メールを送ってはいけないことになっているからです。
逆に言えば、あなたがメールを送ることを許可しなかったWebサイトやアプリ、お店などから広告メールが届いた場合は、法律に違反したメールの可能性があります。
あなたの許可なしに届いた広告メールは、法律を守らないような相手から届いた、いわば迷惑メールです。迷惑メールは読まずに捨てるか、無視したほうがよいでしょう。
迷惑メールに記載されているURLなどからWebサイトにアクセスをして登録してしまうと、個人情報を取られてしまい、その後、自分が欲しくもないメールがもっと届くようになったり、個人情報が悪用されたりしてしまう可能性もあります。
一度、メールを送ることを許可して登録した場合でも、Webサイトやアプリ、お店などからの広告メールの配信を止めることができます。広告メールには、メールの配信を止める方法も書かれているはずですので、配信を停止したい場合には、内容を確認してみましょう(「重要なお知らせ」は届く場合があります)。
誰が送ってきているのか分からないような迷惑メールの場合、その送信元に「今後は送らないで」と伝えても、効果があるかどうか分かりません。
それどころか、自分から迷惑メールの送信先に連絡を取ることで、かえってアドレスが使われていることを知らせてしまう結果となり、「現在も利用されているアドレス」として、悪質な名簿業者などにアドレスが流出してしまう可能性もあります。すると、もっとたくさんの迷惑メールが届くようになり、例えば「配信停止には本人確認が必要」と要求され、さらに詳しい個人情報が抜き取られるなど、どんどん危険が増してしまいます。
迷惑メールを受け取らないようにするためには、携帯電話会社の迷惑メール対応サービスを利用することもできます。携帯電話会社のWebサイトで確認してみましょう。
インターネット上の広告は、バナー広告といって「クリックすると直接スポンサーのWebサイトやアプリのダウンロード画面に飛べる」というのが特徴です。
ところで、Webサイトやアプリに掲載されているバナー広告が、全ての人に同じように出ているとは限らないことを、みなさんは知っていますか? 利用者が携帯電話会社やWebサイト、アプリに登録した年齢や性別によって、掲載される広告が異なっていることがあります。
未成年者と大人、20代と60代、女性と男性など、それぞれ適する広告や興味のある内容の広告が異なるはずですから、それぞれに合わせた広告が表示されていることもあります。このようなところでも、あなたがネット上で登録した個人情報などの様々な情報が利用されています。
このタイプの広告は、検索窓に入力された言葉に適した広告スペースを販売するだけなので、広告として表示されたWebサイトの内容や、その会社(スポンサー)がやっている仕事の中身までサービス提供者が細かく審査しているとは限りませんので注意が必要です。もちろん、きちんと審査をしている場合もありますが、Webサイト上に表示された広告から別のWebサイトに飛ぶ場合は、登録や買い物などをする前に、内容をきちんと確認することが大切です。
Webサイト上にある広告をどんどんたどって行けば、もう、元のWebサイトとは全く別の世界かもしれません。
1.契約ってなに?
コンビニやスーパーでいろいろな商品が売られているように、インターネット上でもいろいろな商品が売られています。特にインターネット上では、形のあるものに限らず、オンラインゲームのアイテムや電子コミックのような、「コンテンツ」と呼ばれるさまざまな商品を提供するサービスが展開されています。有料で提供されている商品は、お金を支払うことでその商品を受け取ったり利用したりすることができるようになっています。インターネット上で提供されている有料コンテンツを利用すると、当然、料金が発生します。例えば、メッセージアプリのスタンプが100円で売られているとします。あなたがそのスタンプを欲しいと思ったらサービス提供者に100円を支払わなければなりません。
「スタンプを買うためにサービス提供者に100円支払うことを約束する」ことを契約といいます。 契約は約束の1つで、契約を成立させるためには、お互いに「売ります」、「買います」といった合意が必要になります。契約が成立すると、あなたは「スタンプを買うために100円を支払います」という約束を、サービス提供者は「100円をもらったらスタンプを提供します」という約束をお互いにすることになります。
約束した以上、きちんと守られなければなりません。
ただ、この契約という約束は、あなたが普段友だちとしている「明日、遊びに行こう」といった約束とは大きな違いがあります。もし、あなたが友だちとの約束を破ってしまったとしても、友だちは約束を守らせるために、あなたを無理やり遊びに連れてこさせるようなことはできません。
しかし契約の場合は、約束の内容を強制することができます。例えば、サービス提供者があなたとの約束を守ってスタンプを提供したのに、あなたが「スタンプを買うために100円を支払います」という約束を守らないと、サービス提供者は強制的にあなたに100円を払わせるようにすることができます。具体的には、契約に基づき裁判所に訴えてその支払いを強制することができるのです。
もし、おこづかいで支払える金額を超えて契約してしまった場合は、あなたが未成年者であれば取消すことができる場合もありますが(未成年者契約の取消し)、契約をする際に年齢を偽っていたりすると、その契約を取消すことができなくなります。
契約とは、単なる約束ではなく、守らないと強制力が伴う約束なのです。だから契約に関わることはとても慎重に、よく考えて行う必要があります。
2.スマホやケータイを利用するとき
あなたがスマートフォン(以下「スマホ」)やケータイを利用できているのは、携帯電話会社などに毎月利用料金を支払うという契約をしているからです。あなたのスマホやケータイの利用料金は誰が支払っていますか?保護者の方が支払っていることが多いのではないでしょうか。でも、保護者の方が支払っているから、自分には携帯電話会社などとの契約は関係ないと思ってはいけません。通話する場合は通話料金、メールやインターネットを利用するには通信料金がかかっています。SNSやオンラインゲーム、動画サービスなどを利用する場合には、たくさんの通信を行うことになり、このようなサービスを毎日のように使っていると、高額の通信料金がかかる場合があります。携帯電話会社などには、インターネットをたくさん利用したい人のための料金メニューもありますから、インターネットをたくさん利用したいのであれば、まずは契約する前に保護者の方にきちんと相談し、細かな契約内容について話し合って決めましょう。
3.インターネット上でのお金の支払い方
先程の「スタンプを100円で買う」という話を思い出してください。スタンプを買うとき、その100円はどうやってサービス提供者に支払えばよいのでしょうか。コンビニで100円のおにぎりを買うときは、お店の人に100円の現金を渡せばおにぎりが買えます。でも、インターネットでは現金をそのままサービス提供者に渡すことができません。
・キャリア課金
スマホやケータイのサービスでよく使われているのが「キャリア課金」という支払方法です。キャリアとは携帯電話会社のことで、「キャリア課金」とは、本体の利用や通信料金に、利用したサービスの利用料金を上乗せして支払う方法です。「キャリア課金」であれば、スマホやケータイさえあれば、その場で「100円を支払う」という契約をすることができます。「キャリア課金」による契約は、契約する前に暗証番号を入れなければならないこともあります。保護者の方がスマホやケータイの利用料金を支払っている場合は、保護者の方のところに、毎月のスマホやケータイの利用料金と一緒に、あなたの買ったスタンプ代などを支払うようお知らせがきます。
スマホやケータイで有料のサービスを利用し、「キャリア課金」で支払いたい場合は、あらかじめスマホやケータイの利用料金を支払っている保護者の方に相談をし、許可を得てからサービスを利用しましょう。また、携帯電話会社やサービス提供者側で、1ヶ月に使える金額が定められていたり、設定できたりすることもありますので、あらかじめ使ってもよい金額を決めて、保護者の方との約束の範囲内で、自分でコントロールをしながら課金するようにしましょう。
・電子マネー
インターネットでお金を支払う方法のひとつに「電子マネー」があります。電子マネーは言葉通り「電子のお金」で、さらに具体的にいうと「お金の価値を持ったデータ」です。電子マネーを使って、現金のかわりに支払うことができます。ただ、電子マネーで支払えるWebサイトやアプリケーション(以下「アプリ」)でなければ、電子マネーを利用することはできません。電子マネーにも様々なものがあります。おこづかいで支払うためによく使われているのは、一定金額分をコンビニで購入するタイプです。
使い方は電子マネーを発行している会社によって違いますが、いずれにせよ、あらかじめ買っておいた電子マネーを、購入時に指示にしたがって使えば支払いをすることができます。 コンビニで売っている電子マネーは先払いですから、あなたの持っているおこづかいの範囲で買っておくことができます。
・クレジットカード
インターネットでは、クレジットカードで代金を支払うこともできます。利用者に代わってクレジットカード会社がサービス提供者への支払いを行い、後でまとめて請求された金額を利用者がクレジットカード会社に支払うという流れが、クレジットカードでの支払い方です。クレジットカードは、「契約が守れる信用できる人」のみが持つことを許されています。あなたが、まだ自分自身のクレジットカードを持つことができないのであれば、クレジットカードを使って支払うことはできません。もちろん保護者の方や、他人のクレジットカードを勝手に使うことも許されません。
4.インターネットで契約するときに
・「消費者」と「事業者」
あなたが「スタンプを100円で買う」、「1,000円で仮想通貨(サービス内で使える専用コインのようなもの)を1000ポイント買う」という契約をサービス提供者とすることにしました。もちろんお金を支払う約束は守らなければなりませんが、その約束は、あくまで契約が公平に行われた場合に有効なものです。これについて、説明をしていきましょう。
スタンプを100円で買う人、つまり、社会の中でさまざまな商品やサービスを消費する人のことを「消費者」と呼びます。そして、スタンプを提供するWebサイトやアプリを運営する会社など、商品やサービスを提供する側の人達を「事業者(サービス提供者)」と呼びます。
「消費者」と「事業者」との間で結ばれる契約では、ときに「事業者」に一方的に有利なように、つまり不公平に行われて「消費者」が一方的に損をしてしまう危険性もあります。立場の異なる「消費者」と「事業者」との間の契約を公平にするために、特に「事業者」においては、守らなければならない法律がいくつか存在しています。「事業者」は「消費者」を保護するために定められているこれらの法律を守って、「消費者」と契約するよう義務付けられているのです。
・インターネットで契約するときはここをチェック!
一方、契約において「消費者」として注意すべき点がいくつかあります。あなたがインターネット上で何かを買う契約をする際には、以下の点を必ず注意しましょう(≪ ≫内は、そのときに「消費者」を保護するために定められた法律の名称です)。【返品の条件・連絡先をチェック!】
Webサイトやアプリを運営している「事業者」には、一部の商品やサービスを除いて、「「消費者」が買った商品やサービスを返品できるかどうか」、「運営している「事業者」の住所・電話番号・アドレスなどの連絡先」を表示するよう法律で義務付けられています。商品やサービスを買った後に、返品をしたくなっても困らないように、また、何か問題が発生しても「事業者」と連絡を取ることができるように、契約内容や表示内容などについては事前によく確認しておきましょう。
≪特定商取引に関する法律≫
【利用規約の内容をチェック!】
Webサイトやアプリには、そのサービスを利用する上でのルールを記載した「利用規約」が設けられていることがあります。「利用規約」を守ることが、Webサイトやアプリを利用するための条件になります。「どのような被害が発生しても一切責任を負いません」、「代金5,000円の支払いが遅れたら延滞金1日につき1,000円加算されます」、「不良品であっても交換・返金は一切できません」といった条件は、「消費者」にとって不利な契約条件といえます。「利用規約」は長くても読み飛ばさず、自分を守るためにも必ず内容を確認するようにしましょう。
「消費者」が守るべき条件が「利用規約」などに記載されていても、「消費者」に一方的に不利なものは無効とされる場合がありますので覚えておきましょう。
≪消費者契約法≫
【注文内容に間違いないかをチェック!】
Webサイトやアプリで、「注文する」、「買う」のような契約の申込みのボタンをクリックすると、契約の内容を確認するための確認画面が表示されます。本当に買って良いのかどうか、また、その契約の内容に間違いないかどうかなどを、もう1度しっかり確認しましょう。買うのをやめるときや、記入内容が間違っていた場合は、戻るボタンなどで商品やサービスの購入画面に戻ることができます。もし、確認画面が全く表示されず、契約内容が間違えた状態のまま商品やサービスが注文されてしまった場合は、注文するつもりは一切なかったことをはっきりと伝え、その契約が無効であると主張することができます。
≪電子消費者契約法≫
5.危ない契約のいろいろ
インターネット上には、危ない契約もたくさん存在しています。契約の相手は「事業者」だけでなく「個人」の場合もありますが、悪意を持って最初から誰かをだますつもりでワナをはり、引っかかるのを待っている契約相手もいます。 そもそも相手に騙されたり脅されたりして無理やり契約させられてしまったものは、契約として成り立たないのですが、1度支払ってしまったお金や商品を取り戻すのは大変です。 危なそうだと思ったら、すぐにお金を支払うことや商品を渡すことはやめて、信頼できる身近な大人に相談しましょう。「誰だか分からない相手から商品を買う」
SNSのファンサイトなどで、「チケット売ります」という投稿を見かけることがあります。手渡しの場合を除き、ほとんどが先に相手にお金を払う「先払い」です。相手も「個人」の場合が多いのではないかと思います。でも、その人はお金を払ったら、そのチケットを渡してくれるという約束を本当に守ってくれるのでしょうか。インターネットは、実際に相手と会うこともなく、素性がよく分からないままやり取りができる世界です。相手が誰だか分からないと、約束を守らず連絡が取れなくなってしまう恐れもあります。
SNSなどで知り合った人と契約をする場合は、まず信頼できる身近な大人に相談し、その人が信頼できそうな人かどうか、過去の取引でトラブルが起きていないかなどを一緒に考えてもらいましょう。
「SNSやオークションなどでのRMT」
なかなか手に入らないレアアイテムを買うために、“ゲームとは直接関係のないSNSやオークション”などでやり取りをしている投稿を見ることがあります。このような方法でアイテムや仮想通貨を買うことをRMT(リアルマネートレード)と呼びます。RMTでもやはり、「お金を支払ったにもかかわらず、約束のアイテムを渡してもらえない」という詐欺被害が起きています。RMTを禁止しているサービスも増えていますので、利用規約などをよく確認しましょう。
RMTは、多くのゲームサイトやアプリでは「利用規約」において禁止されています。
「利用規約」はサービスを利用する上でのルールとなりますので、ルールを守らない利用者は、違反者としてゲームサイトやアプリから追い出されてしまう場合もあります。楽しいゲームの利用や一生懸命育てたキャラクターの利用も、ゲームサイトやアプリから追い出されてしまったら一切利用できなくなってしまいます。「利用規約」をきちんと守り、どんなに魅力的でも禁止されている行動はとらないようにしましょう。
「不正アフィリエイト」
例えば、あなたは利用した覚えがないのに、アダルトサイトなどから突然「料金を払え」という請求メールが届いたとします。これは「不当請求」であり、本来、まったく支払う必要はないものです。しかし、「このURLに紹介してある<**サービス>に登録すれば料金は免除」といったアダルトサイトからのメールに記載されているとおりに<**サービス>に登録してしまったらどうなるでしょうか。このような場合、登録をすることで高額な利用料金や毎月のように料金が発生するケースがほとんどです。その結果、毎月何万円もの料金がクレジットカード会社などから請求されるようになることがあります。
これは、広告を出してWebサイトやアプリに誘導することでもらえる礼金を目当てにした手口のひとつです(URLなどのリンクを貼り、誘導した先のWebサイトやアプリでの商品購入や会員登録をした件数に応じて広告代が支払われる仕組みを「アフィリエイト」といいます)。
このような手口に引っ掛からないようにするためには、身に覚えのない請求や、不当だと思われるような請求が来たら、すぐに返事や対応をしたり、相手の言いなりになったりするのではなく、信頼できる身近な大人にすぐ相談することが大切です。
6.個人情報を自分で守る
「個人情報をむやみに知らせない」
SNSやインターネットなどで知り合った人人から、あなたの名前や生年月日、住所、電話番号、写真などの個人を特定する情報を教えてほしいと言われたり、他のWebサイトやアプリに登録するよう誘われたりしたら、注意してください。インターネット上で知り合った相手が、本当に信用できるかどうかは分かりません。また、誘われた先が面白そうなWebサイトやアプリでも、信用できるサービス提供者が運営しているものかどうか分かりません。
インターネット上で知り合った相手にはむやみに個人情報を教えてはいけませんし、あなたの家族や友だちのことを聞かれても安易に教えないようにしましょう。また、誘われた先のWebサイトやアプリに個人情報を登録するのもやめましょう。
信用できない相手に教えた個人情報は二度と取り戻すことができませんし、必要のない広告メールやアダルトサイトからのメールが大量に届くようになったり、電話がかかってきたりすることもあります。また、身に覚えのない請求メールが届くようになったり、ストーカー行為を受けたりするようなことも起きています。個人情報を安易に教えてしまうと、次々と新たなトラブルに巻き込まれてしまう危険性があるのです。
インターネットは、相手の顔や本当の姿が見えない世界です。あなたの個人情報が知らないところで悪用されたり、別の人があなたになりすましたりして悪いことをするかもしれません。そうなると、トラブルがより複雑になり、解決することが困難になります。
個人情報だけでなく、Webサイトやアプリに登録しているIDやパスワードのような情報も、絶対に他人に知らせてはいけません。あなたの持っているアイテムや仮想通貨を全部盗まれてしまったり、勝手に高額なサービスを利用されたりしてからでは取り返しがつきません。
また、よく知っているWebサイトやアプリから、記載されているURLにアクセスして何らかの手続きをするよう求められるメールが届いても、すぐには応じないで、Webサイトやアプリを運営しているサービス提供者に確認しましょう。そのメールがサービス提供者からのものではない可能性もあります。安易に手続きを行ってしまうと、あなたのIDやパスワードが誰かに盗まれて悪用されるかもしれません。
「無料だと思って登録したWebサイトやアプリから登録料を請求された」
広告、メール、メッセージやSNSなどで知り合った人から教えられた「無料」と書いてあるWebサイトやアプリに登録すると、後から登録料の支払いを請求されることがあります。 契約を成立させるには、お互いに「売ります」、「買います」といった合意が必要ですから、登録料に関する表示がないために「無料」だと思って登録した場合は、後から登録料などの料金を請求されても、すぐに支払いに応じる必要はありません。また、登録したWebサイトやアプリから「登録料を支払わないと自宅に行く」、「退会するには連絡をしてください」という画面上の記載やメールが届くこともありますが、慌てて連絡を取らないようにしてください。「退会の手続きのために名前や電話番号をお知らせください」といったように、個人情報を聞き出そうとすることもありますが、絶対に教えてはいけません。「脅せば言うことを聞く人」と相手に思われたら、さらに請求が続いたり、脅されたりすることもあります。
どんなことがあっても、知らない相手や信用できないようなWebサイトやアプリには、個人情報を教えない、書かないということが大切です。
「Webサイトやアプリに登録するときに確認」
ゲームなどを利用するとき、そのWebサイトやアプリ上で公開されている「個人情報の取扱い」や「プライバシーポリシー」の内容が、登録しても大丈夫かどうか、個人情報を教えても大丈夫かどうかの判断基準のひとつになります。「個人情報の取扱い」や「プライバシーポリシー」に記載される内容が、「利用規約」の中に書かれていることもあります。まずは、このようなページがあるかどうかを確認しましょう。ほとんどのサービス提供者は、あなたからもらった個人情報の管理に関する法律(「個人情報の保護に関する法律」=「個人情報保護法」)に基づく義務を負っています。この法律を守っているサービス提供者であれば、基本的にこのようなページを用意しています。
「個人情報の取扱い」や「プライバシーポリシー」には、まず、あなたからもらった個人情報を、サービス提供者がどのような目的で利用するのかが書かれています。特に、登録した個人情報が、他のWebサイトやアプリにも同時に利用されるような場合は、そのことが具体的に書かれていますので確認してください。
また、登録した個人情報を削除したい場合や、間違って登録されている個人情報を変更したい場合に、どこに連絡をすればよいか、どのように連絡したらよいかも書かれています。 もし、利用目的が具体的に書かれていないWebサイトやアプリであれば、登録を避けるのが安全です。
「広告メールと迷惑メール」
あなたがWebサイトやアプリに登録したりインターネット上のお店で買い物をしたりすると、そのあと、そのWebサイトやアプリ、お店などからいろいろな広告メールが届くようになることがあります。これは、あなたが登録や買い物をするときに「お知らせメールを送ってもいい」という項目にチェックを入れているからです。お知らせメールとは、主にWebサイトやアプリ、お店などからの広告メールです。広告メールを送るのに、どうして前もってあなたからの許可が必要なのでしょうか。それは、法律(「特定商取引に関する法律」・「特定電子メール送信法」)において、サ ービス提供者はメールを送ることについて利用者から許可をもらわない限り、利用者に対して広告メールを送ってはいけないことになっているからです。
逆に言えば、あなたがメールを送ることを許可しなかったWebサイトやアプリ、お店などから広告メールが届いた場合は、法律に違反したメールの可能性があります。
あなたの許可なしに届いた広告メールは、法律を守らないような相手から届いた、いわば迷惑メールです。迷惑メールは読まずに捨てるか、無視したほうがよいでしょう。
迷惑メールに記載されているURLなどからWebサイトにアクセスをして登録してしまうと、個人情報を取られてしまい、その後、自分が欲しくもないメールがもっと届くようになったり、個人情報が悪用されたりしてしまう可能性もあります。
一度、メールを送ることを許可して登録した場合でも、Webサイトやアプリ、お店などからの広告メールの配信を止めることができます。広告メールには、メールの配信を止める方法も書かれているはずですので、配信を停止したい場合には、内容を確認してみましょう(「重要なお知らせ」は届く場合があります)。
誰が送ってきているのか分からないような迷惑メールの場合、その送信元に「今後は送らないで」と伝えても、効果があるかどうか分かりません。
それどころか、自分から迷惑メールの送信先に連絡を取ることで、かえってアドレスが使われていることを知らせてしまう結果となり、「現在も利用されているアドレス」として、悪質な名簿業者などにアドレスが流出してしまう可能性もあります。すると、もっとたくさんの迷惑メールが届くようになり、例えば「配信停止には本人確認が必要」と要求され、さらに詳しい個人情報が抜き取られるなど、どんどん危険が増してしまいます。
迷惑メールを受け取らないようにするためには、携帯電話会社の迷惑メール対応サービスを利用することもできます。携帯電話会社のWebサイトで確認してみましょう。
「Webサイトやアプリ上の広告」
インターネット上には、たくさんの広告があります。無料で使えるサービスやゲームを提供しているサービス提供者は、Webサイトやアプリ上に別の会社の広告を載せて、その広告を利用者に見てもらうことで広告主(スポンサー)からお金をもらい、収入を得ていることも多いのです。インターネット上の広告は、バナー広告といって「クリックすると直接スポンサーのWebサイトやアプリのダウンロード画面に飛べる」というのが特徴です。
ところで、Webサイトやアプリに掲載されているバナー広告が、全ての人に同じように出ているとは限らないことを、みなさんは知っていますか? 利用者が携帯電話会社やWebサイト、アプリに登録した年齢や性別によって、掲載される広告が異なっていることがあります。
未成年者と大人、20代と60代、女性と男性など、それぞれ適する広告や興味のある内容の広告が異なるはずですから、それぞれに合わせた広告が表示されていることもあります。このようなところでも、あなたがネット上で登録した個人情報などの様々な情報が利用されています。
「検索連動型広告」
過去に検索サイトで入力した言葉に応じて表示される広告を「検索連動型広告(キーワードターゲティング広告)」と呼びます。このタイプの広告は、検索窓に入力された言葉に適した広告スペースを販売するだけなので、広告として表示されたWebサイトの内容や、その会社(スポンサー)がやっている仕事の中身までサービス提供者が細かく審査しているとは限りませんので注意が必要です。もちろん、きちんと審査をしている場合もありますが、Webサイト上に表示された広告から別のWebサイトに飛ぶ場合は、登録や買い物などをする前に、内容をきちんと確認することが大切です。
Webサイト上にある広告をどんどんたどって行けば、もう、元のWebサイトとは全く別の世界かもしれません。
「懸賞サイトの注意点」
インターネット上には、Webサイトに会員登録すれば、いろいろな懸賞を紹介してもらえる「懸賞サイト」や、Webサイトから送られてくるスポンサーのメールを見てクリックや登録をすることでポイントが貯まり、貯めたポイントの量に応じてプレゼントやお金がもらえる「お小遣いサイト」などがあります。 このようなWebサイトにいったん登録すると、毎日、たくさんの広告メールが登録したアドレスに届くことになります。 でも、中にはポイントを貯めても換金してくれない、退会しても広告メールが止まらない、知らないサイトからもメールが届くようになる、不当な請求が届くといったトラブルに巻き込まれることもあります。 また、最初から“個人情報を取ることが目的”の「懸賞サイト」や「お小遣いサイト」の場合もあります。 このようなWebサイトに登録する場合は、登録した個人情報などがどのように利用されるのか、「個人情報の取扱い」や「プライバシーポリシー」で利用目的を必ず確認するようにしてください。危なそうなWebサイトやサービスには登録しないようにしましょう。