日向――陽のあたるところ。それがあたしの名前。
すでにほぼ失明状態の日向は、海沿いの病院に十年近く入院している。
日向は毎日、ベットにくくりつけた紐を頼りにベランダへ出て朝日を迎える。
日の出時間を頼りに太陽の光を見る瞬間、
それは自分が“日向”である事を実感できる、唯一の時間。
朝日を見ることができなった日。それは彼女にとって世界の終わる日を意味するのだった…。
第一話を読む
Copyright (c) TOKYO FM Broadcasting Co., Ltd. All rights reserved.