STRAIGHTENER Special Live Tour "ACOUSTIC" LIVE REPORT

LIVE REPORT

2010年3月3日 MC中、ホリエさんは口を開いた「抽象的」

自分たちの書く歌詞はどこまでも抽象的なのだ、とシンペイの「お前のMCの方が抽象的だよ!」という絶妙なツッコミが入る、と同時にとても不思議に思った。

抽象的なのになぜこんなに伝わるのか、感動できるのか。

3/3のひな(っち)まつり
渋谷 duo MUSIC EXCHANGEでストレイテナーのスペシャルアコースティックライヴが行われた。

見事に抽選落ちした私を拾い上げてくれたSOLには感謝してもしつくせない。言葉じゃ足りない感謝、という言葉で伝わるとも思えないがそれしかないのだから精一杯伝えようと思う。

そして、本題となる“スペシャルアコースティックライヴ "その名の通り、素晴らしいライヴだった
客電が落ち、いつものライヴよりもシックな格好をした4人が登場! (リズム隊にいたってはジャケッツとの異名まで。笑)

もちろんいつも見慣れているSGやジャズマスターは見当たらず、ステージには椅子が用意されている。この時改めてあぁ、アコースティックライヴなんだな。と実感した。

ホ「―…今日は3本目だけど、間が空いたので1本目のつもりでやります!」

そう言って始まったのはNEW albumにも収録されているToneless Twilight

ホリエさんはキーボードで、OJはアコギ。アルペジオの一音一音がとても心地よかった
続いてLOST WORLD'S ANTHOLOGYから「TOWER」「奇跡の街」この2曲をライヴで聴くのは久々だ。TOWERのコーラスは凄く綺麗で、OJのギターフレーズも凛としてそこにあった。奇跡の街にいたってはすごくノスタルジックで、胸が熱くなった。

ホ「…昔の曲を引っ張り出すと、やっぱり良い曲書いてんなぁって思いますね。笑」
ひ「うん。めちゃくちゃ良い曲だよ。めちゃくちゃ良い曲!」

奏でる方にも聴く方にも愛されてテナーの曲達はさぞ幸せな事だろう。そう思うとなぜか嬉しくて、思わず笑ってしまった
続いて披露されたのが(本人達いわく)南国風の「Blue Sinks In Green」
軽快なカッティングはもちろん、原曲よりもタメが入ったりサビでギターが裏打ちになったり更にはOJのソロまで炸裂!
アコースティックアレンジの良さ満載で、椅子に座っているお客さんも我慢ならなかったのか、ユラユラと(少し遠慮がちに)動いていた。そして、もちろん私もだ。凄く楽しかった。

ホ「…えー、ニューアルバムリリースという事で、買って頂いて有難う御座います。」
シ「これから買う人も有難う!」
ホ「その中からスイートな曲を、一曲やります」

緊張も和らいだ頃に新曲の「Starless Coaster」OJとホリエさんの歌声、特に高音がとても綺麗で、聴き入ってしまった。

『My music is the soundtrackI wish I could sing in true』

全く関係ないのだがこの曲を聴くと、『All the world's a stage,And all the men and women merely players(全世界は舞台だ。そして、すべての男も女もその役者にすぎない。)』という、シェイクスピアの言葉が浮かぶ。ゆっくり頁を捲るみたいな歌だと思った。
そして、原曲と違い3拍子での、Six Day Wonder普段なかなか聴くことの出来ないEVERGREENと貴重な曲達が続き、

ネクサス
『僕らはたまたま同じ船に乗り合わせただけの赤の他人じゃないのさわかっていたんだ。』

優しく貫くような、ベース音が印象的だった。今、このハコにいる全員が様々な所でリンクして一緒にネクサスを聴いている。それはただの偶然じゃないのだ

今、このレポートを見ているであろうあなたもきっとそうだ
縁があってこの文章を読んでいる。どこの誰ともしらない私の。

出会いは不思議だ
でも偶然だとかで意味も考えないと言うのは、とても勿体無い。

きっと「抽象的」だという歌詞もそうだ

テナーは、本質を歌の中に置いてくれてる。
美しさ、温かさ、悦び、汚れ、哀しみ、冷たさ、恐れ、優しさ

こうして言葉で挙げることすら野暮だと思える位真っ直ぐな感情を。

私はそれを拾う
そして、自分の過ごしてきた今までや過ごしていくこれからに重ねて聴く。
だからこそ感動するのだ
真っ直ぐに伝わるのだそう思った。

盛大な拍手と共に曲が終わりを迎え、みんなでアンコール。
アンコール1曲目は、「TENDER」

12月に行ったテナーライヴで(勝手ながら)聴く気満々だったが叶わなかった曲だったのでとても嬉しかった
歌がとても伸びやかで柔らかくて、綺麗。凄く楽しそうに演奏していてこっちまで楽しくなった

ラストは「MAGIC WORDS」
アコースティックで聴けるとは嬉しい限りだ

はねるリズムに合わせて誰からともなく起こったハンドクラップ
横を見るとスタッフさんやPAさんまでもが楽しそうに手を叩いていた。
赤の他人ではない。
終始和やかなムードで本当に素敵なライヴだった
どの曲達も外側からアレンジを加えたというより曲の内側からアレンジを引き出したような感覚。1000名限定、というのは勿体無いくらいだった。 わがままをいってしまえば、音源化してほしいとさえ思う。

それから今回はMCが多かった。そんなMC中に4人で中心を向いて笑い合っていたり、演奏中も互いに目を合わせたりしていて、本当に仲の良いバンドなのだな、とほっこりした

きっとこれからもこの4人で超えなくては前に進めない壁を突き破っていくのだ。変化という物はとても面白い。もうすぐ始まるツアーやentの新譜も楽しみだ。

ライヴが終わったのはつい先日で思考が暴れて上手く言えないけれど、ストレイテナーの皆様スタッフ様をはじめ、このライヴに関わった全ての人々、そしてこんな稚拙で読み苦しい文章を最後まで読んで下さったあなたに心からお礼を言いたい

本当にありがとうございました!

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