STRAIGHTENER Special Live Tour "ACOUSTIC" LIVE REPORT

その日、渋谷の一部が別世界と繋がった。

その中心にいたのは“多彩な平行世界を創りだす芸術家 "ストレイテナー。
渋谷duo MUSIC EXCHANGEのステージに彼らが現れ、「ストレイテナーです。」とギター＆ヴォーカル＆ピアノのホリエアツシが挨拶。
そして始まる一曲目。
その瞬間、完全に景色が変わった。
大山純の優しいアコースティックギターにホリエアツシのピアノが絡み合い、
それを日向秀和のアコースティックベースとナカヤマシンペイのドラムが
包み込んで支える。
そしてホリエアツシの声がその場の世界を創りあげる。
まさに空間ごと別世界の飛ばされたような感覚だ。
いつものライブとは雰囲気の違うアコースティックライブは、
思わず目をつぶって聴き入りたくなるようなものだった。

ホリエアツシが「歌詞が抽象的なんだよね。」とMC中にこぼしたが、抽象的だからこそ、歌詞の一言一言にストレイテナーの世界が詰まっていて、それが僕らを夢中にさせるのだと思う。
そして、それに反映されるようにストレイテナーの“音 "が描かれるのではないだろうか。
今回のアコースティックライブは、そのことを余すことなく表現していた。

一時間が数分に感じてしまうほど素晴らしいライブだった。
今回、アコースティックなストレイテナーが織り成したのは紛れも無く“芸術ロック "だった。
優しい音の中に強く燃える音があった。
その音はこれからのストレイテナーの平行世界に僕らを連れていく音だった。