次の瞬間に素敵な出来事が待っていると信じて
人生のパートナーとして歩み続けてきた。
そんな彼女がヴァイオリン以外に興味を抱いているものとは?
「基本的に興味はヴァイオリンにしかないんですけど、そのヴァイオリンのためにやっていることはあるんですが、それが今一番あの集中しているのは水泳で、1キロからそれ以上。2キロぐらい。2キロ半ぐらい泳ぐこともあります」
時には演奏会が終わってから疲れをとるために泳ぎに行くともいう。
「行く前は疲れていて嫌だ嫌だと思うんですが、その時に 自分にこう言い聞かせるのは、私は、このストラディバリウスを弾き続けたいよねって思うんですね。そうすると体が資本だよねって思うんですね。
体を鍛えて元に戻して明日も弾けるようになるためには、今日どうしても私は行かなければならない。50Mでもいいから泳げなければならないって思うんですね。それで、まず行って。じゃあ、わかった。私は今日は50mにしようって思って、プールの中に入る。それで何とか25行って、50行くと。もう1往復できそうだと思うと、もう1往復する。そういう風にもうちょっとできる。500あるいは800、泳げたりする。そうやって何とか自分を騙しながら、いつも泳いでます」
そして、千住真理子が第一線でステージに立ち続けられたのは身近な存在の刺激もあった。
2人の兄、画家の千住博と作曲家・千住明の存在。
千住真理子にとって2人の存在とは?
「そうですね。やっぱり会うと嬉しいです。お互い自分のことをベラベラしゃべって、それでパッと別れるぐらいの感じしか、時間がないですね」
では、こどんなチャレンジをしたいのか?
「チャレンジというよりも。この楽器ストラデバリウス ディランティがまだまだね、いろんな音を隠してるような気がするんですね。なんか音の世界がまだまだ私が広げることができるんじゃないかなと思うと、もっともっと広げてあげたいな。そして、その広がった音を一人でも多くの方に生の音を聞いていただきたい。でそう思うとやっぱりあのコンサート活動。一生懸命やりたいなと思います」
千住真理子が好きな言葉がある。
「音に命あり」
「あの、これも私が挫折してる時に。もう本当名前を存じ上げない、ボランティアで訪れた老人ホームのご老人の方が初めて私に語ってくれた言葉なんですね。音には命がありますねっていうような。それでそういう短冊を書いてくださったんですよね。音に命ありっていう絵がついていてね。それが、私にとっては、とても心にしみて。本当に音に命があるし、なければだめだなと例えば、天才少女って呼ばれた時の私は、音に命があっただろうかって反省する時もあり。そして、今私が音を出すならば、命がなければ嫌だなって思うことがある。なので、私にとって一番大切な言葉です」
最後に千住真理子からリスナーへ。
「一つだけ、お話をしたいと思うのは、私がストラディバリウス デュランディに出会った時に、その5秒前まで出会うと思わなかった。電話かかってくる1秒前まで電話がかかってくると思わなかった。つまり、一瞬先のことは分からないっていうことですね。とってもすごくいいことが次の瞬間起こるかもしれない。明日ものすごく素敵なことがあるかもしれない。今日これから先、思いもよらない出会いがあるかもしれない。それは本当にそれがあるんですね。そのことを私は皆さんに伝えたいです」