今夜も昨日に引きつづき、2週目ガールズ広瀬すずちゃんが出演した映画『海街diary』の是枝監督と一緒に授業していきます!
すずちゃんが新聞部部長として是枝監督に「映画監督」とはどういうものか。を取材をしていきたいと思います!
すず「私は、お姉ちゃん。広瀬アリスがもともとモデルをやっていて、それでスカウトしてもらってこのお仕事をはじめたんですけど、監督はいつから『映画監督になりたい!』と思ってたんですか?」
是枝「いつからなんだろう…映画に関わる仕事をしたいとおもったのは19歳かな。」
すず「はやいですね。」
是枝「遅いですよ。お早い人は中学生くらいから8mm回して撮ったりしてるから。」
すず「えっ?そんなに早くからなんだ。」
是枝「僕は文字を書く人になりたかったので、小説書いたり…高校生の時までは。だから大学もそのつもりで行ったんだけど、そこで映画館に通い始めて、学校に行かなくなって映画ばっかり見てすごしちゃったので、そのあたりですね。そこからなにか映像に関わる仕事をしたいって思い始めたのは。映画監督になりたいとは思ってなかったので、自分にはそんなたくさんの人を動かすなんて無理だと思っていたので。だからなにか映像に関われればなと思っていました。」
すず「そうなんですね。生徒のみんなからも是枝監督への質問がたくさん届いているので紹介しますね。」
「そして父になる」見ました!海街diaryも楽しみにしています。
私は将来女優になりたいのですが、監督が役者を決める時の決め手は何ですか?
オーディションではどういうところを見るのかを教えて欲しいです。
女/17/東京都
是枝「決め手かーうーん。話してみてちゃんと会話が成立するな?っていう当たり前の事なんだけど。一緒に物を作っていく相手なので、それほど言葉を交わせなくても相手の意図が伝わる。お互いに。そういうコミュニケーションが成立する相手を基本的にはまず選ぶ。やっぱり聞く力だよね。自分が何を喋りたいかではなくて。だってすずもそこに来て僕を観察してたわけじゃない。」
すず「してました。」
是枝「そういう観察出来るかだよね。自分が喋りたい事を喋って帰るということではなくて、対話しながらもう一人の自分がきちんとまわりを観察していると言う事は、それは演出家にとっても役者にとっても大切なことだなって思ってます。」
すず「たしかに台本がなかったから、本当に今まで以上に相手のセリフを聞くようになりましたね。表情とか目とか口の動きとかも見るようになりました。じゃあ…次のカキコミにいきます。」
映画監督になりたいです。
でも、今は部活や勉強が忙しくて「いつか映画を撮りたい!」があるだけです。
是枝監督は10代の頃、何をしていましたか?
あと、今のうちにやるべき事があったら教えて欲しいです。
男/16/福島県
是枝「うーん10代の頃なにしてたかな…。10代の頃はバレーボールを一生懸命やってましたね。チーム作りみたいな。」
すず「バン!!(アタック)みたいなことですか? 」
是枝「バン!!ってやりたかったんですけど、僕はセッターだったので“シュッ”ってトスをあげるばっかりだったんですけど、なんとなくだけど、このセッターって役と映画監督って似てるね。」
すず「どういうことですか?」
是枝「セッターって自分がアタック決める訳じゃないんだけど、自分以外の5人をどう言う風にその人達の長所をいかしながら、ゲームを作っていくかっていう組み立てをずっーと考えていくって仕事だから。欠点もある人達のどう長所を引き出してゲームを作るか。ということは、今の映画監督という仕事と似てるね。」
すず「たしかに。監督っぽい!なにか今のうちにやるべきことってあるんですか?」
是枝「これなんだろうね。あんまり“こういう事をすればなれますよ”“こういうことをしたらなれませんよ”みたいな事は全くないんだよね。でもたくさんいい物も悪い物も見た方がいいだろうし、色んな音楽も本も読んだ方がいいだろうし、色んな人に出会った方がいいと思います。」
すず「では、最後に…映画監督になりたい10代に向けて、熱いメッセージをお願いしてもいいですか?」
是枝「あついメッセージか…多分10代が、なにか目的にむかって行く時に最短距離を走ろうとすることが一番良くないプロセスな気がしていて、10代なんて無駄だと思う事をたくさんした方がいいと思う。好き嫌いをせずに色んな人に出会って色んなことをした方がいいと思うし、それがいっけん映画監督に繋がっていないかもしれないけど、絶対に無駄にならないので。何がプラスになるかわからないから。」
…さらに広瀬すずちゃんとは、松本隆さんの作詞活動45周年トリビュートアルバム「風街であひませう」でもご一緒しています。
これは、ポエトリーデーディングアルバム。
すずちゃんが、是枝監督が一番好きだという、斉藤由貴さんの「初戀」を読んでいます。
監督の推薦だったそうです。
是枝先生、2日間ありがとうございました!
すずちゃんが是枝監督に取材した模様は、【SCHOOL OF LOCK!TIMES 6月号】に掲載されているので、チェックしてみてくださいね。