原発事故で変わってしまった日常を描く時、デビュー作を書き直すという方法をとった川上弘美さん。「あの混乱の中、こんな方法を考え出すなんて…私には思いもつかなかった」と小川さん、感嘆していました。その手法の素晴らしさはもちろん、こんなにも伝わる作品の下地が、あらかじめデビュー作として存在していたというのも驚き!もう奇跡としか言いようがないですね。さて『神様』は川上弘美ワールド全開、川上さんが作家として描きたい全てが凝縮されたような作品ですが、「くまとハイキングにいく、それだけの話。でも書いてみてと言われると実に難しい」と小川さん。確かに大きな事件などは何も起こらないけれど、しみじみ読んでしまうんです。最後の抱擁のシーン、くまがガブっ噛み付くんじゃないかとヒヤヒヤしていた私・・・嗚呼凡人!
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