だいたい「朽助」という名前が衝撃的ですよね。タイトルから一気に惹きつけられるお話。池の底に沈んでしまう自分の家を見送る人にふさわしい名前のような気もしてきます。小川さんはこの朽助と語り手の「私」の生み出す、ユーモアあふれる空気感がお気に入りだそう。普通なら「私」とタエトとの恋が展開していきそうなところ、あえて「私」と朽助の話に終始している、そしてタエトがいるから「私」と朽助は安心してわちゃわちゃできる。この井伏鱒二の人物配置が絶妙なのだと小川さんは語っていました。不思議で唯一無二の3人の関係、素敵です。
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