コロナ禍で海外があまりに遠くなってしまった今、こういう文学に触れられるひとときは本当に貴重ですね!・・・とはいえ、旅行でのんきに訪れるような場所ではなく、よそ者にはかなり危険な場所と思われるミゲル・ストリート。一見底抜けに明るくて日本とは違う空気感が楽しげに見えますが、何かというとすぐ暴力が出てくるし、「スチールパンの陽気な雰囲気にごまかされちゃいけませんね」と小川さんも指摘していました。そんななか語り手の僕は奨学金をもらって、カオスなストリートから一気にロンドンへ。作者のナイポールの生い立ちと重なる劇的な最終章でしたが、その影にはやはり偉大な母の存在がありました。文学に欠かせない強き母、ミゲル・ストリートでも大活躍です。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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