今週の本も無事にご紹介出来たところで白状します。実は私、「彼ら」が、すっごく苦手なんです。見かけると盛大にビビりますし、勿論食べませんし、紫陽花まで敬遠しがちというヘタレぶりであります。(なので「ドリトル先生航海記」の終わりもシビれました、別の意味で)けれど、世の中ではなんとなく可愛いカテゴリー。だからお話も歌も豊富なのねー!と、半泣きで「新美南吉童話集」を開くと(おおげさ!)、文庫本の見開きジャスト2ページに収められた世界は、シンプルにしてとても奥が深いものでした。大人になること、生きていくこと、知らず知らずのうちに抱えているたくさんのこと。言い聞かせるように区切られた、ひらがなだけの文章から、読んだ人の数だけ様々な想いが広がっていくようです。他の短編も同様、いつも携えて折に触れ開きたくなるバイブルのような本。「彼ら」の挿絵がなかったのは幸いでした(笑) (アシスタント:小山ジャネット愛子/オフィシャルブログはこちら)
|