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「ミリアムじゃない」・・・文中の少女の言葉を読み上げた小川さんの声が強く耳に残っています。じゃない、というのは、ではない、ではなくて、何を当たり前のことを言っているの?のニュアンスで、得体の知れない少女の不気味さが際立つひとことなのですが、小川さんのこういうトーンの朗読がそれはもうたまらないのですよ。ほのぼのとした絵本を読むときの日向のようなあたたかさも大好き、でも思わずごくりと唾を飲むようなシーンを読むときにも強烈に惹きつけられます。カポーティは、登場人物を形成している鬱々とした何かや、そこに漂う仄暗い空気を見事に美しく手に取るように描写していて、私たちは瞬く間にその世界に連れていかれてしまいます。それを小川さんが読む。。。二人きりのはずのスタジオに、シルバーのロングヘアの少女が紛れ込んでいると錯覚しそうな収録でした。

(アシスタント:小山ジャネット愛子/オフィシャルブログはこちら

2019年06月23日
石坂洋次郎『青い山脈』
2019年06月16日
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生航海記』
2019年06月09日
向田邦子『父の詫び状』
2019年06月02日
カフカ『断食芸人』

アーカイブ
ミリアム/ノラ・ジョーンズ
ノラ・ジョーンズが「ミリアム」というタイトルの曲を歌っています。♪ミリアム、なんてかわいらしい名前でしょう。あなたを泣かせるときそういうわ♪恋人の浮気相手のことを歌っているようですが、怖い歌詞です。
スペル・オン・ユー/スクリーミン・ジェイ・ホウキンス
♪お前に呪いをかける。お前は俺のものだから♪という歌。汽車で出会ったカップルは、催眠術を男にかけて、棺桶に入れるショーをやる旅芸人でした。”ケイ”はまるで男に呪いをかけられてしまったように引き付けられます。
 
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