心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
アメリカの作家トルーマン・カポーティというと真っ先に浮かぶのが「ティファニーで朝食を」。この小説を原作にしたオードリー・ヘプバーン主演の映画は、時代を超えて愛されています。「ティファニーで朝食を」はカポーティが34歳の時に発表したものですが、今回取り上げた短編集「夜の樹」はさらに若く20代の作品を集めたもの。特に最初に掲載されている「ミリアム」は21歳の時にO.ヘンリー賞を受賞しています。この物語の主人公は、夫を亡くしひとりで暮らすミセス・ミラー。彼女はある雪の夜、ひとりで映画館に出かけていきます。そこで出会ったのが「ミリアム」という髪の長い少女。しかし彼女は子供らしさのない目をしていました。
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