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これまで番組で取り上げた本の中で、最も読むのが辛かった作品。この小説が収められている『時代小説傑作選』では「読めばたちまち気持ちが曇る」作品というコメントがありスタッフと「一体どんな作品なんだ?!」と笑っていたのですが、実にこの表現がピタッとくるなんとも救いのない短編でした。規則やモラルにあまりに忠実だった万兵衛。同心としてあるべき姿にこだわりすぎて、ここまで不幸を呼び込んでしまったのでしょうか。「『レ・ミゼラブル』のジャベールもこのタイプ。人間は適当にやり過ごす力も必要ですね」と小川さん。適当にやり過ごす力だけはあるっ!と自信を持っていえる藤丸でした。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2018年11月04日
須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』
2018年10月28日
正宗白鳥『リー兄さん』 2018年10月21日
AAミルン『プー横丁にたった家』
2018年10月14日
武田百合子『ことばの食卓』

アーカイブ
トラブル・マン/マーヴィン・ゲイ
万兵衛を次々に事件とトラブルが襲います。♪俺自身の仕事を守るために何が何でも闘わなければならなかった♪という歌詞は万兵衛と重なるところも・・。
ルーザー/BECK
♪俺は負け犬さ、殺っちまったらどうだ♪という歌詞が有名な曲。「ラストシーン、万兵衛が「敗者」かどうかはわかりませんが、この短編小説の見事な構成にはカタルシスがあります。」と小川さん。
愛と憎しみのバラッド/泉谷しげる
「泉谷さんの歌声が、この小説に流れる空気と気味が悪いほどマッチしています」と小川さん。
 
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