冒頭の文章はあまりにも有名(試験によく出ましたよね)ですが、続く物語の内容やたっぷりのユーモア、最後まで吾輩に名前がないこと、これが漱石の処女作であることなどなど、なにも知らずに今日まできてしまいました。苦沙弥先生の元に集まる愉快な仲間たちのテキトーな会話、生き様。これだけの長編なのに一本通った筋のようなものは何もなく、ただただ彼らが巻き起こす小事件をクールな視線で見守る猫が語るお話。小事件はこの時代の空気感をみずみずしく伝えてくれ、例えば小川さんが「ひー!」とドン引きした蛇飯のエピソードなどは約110年後を生きている私たちをも気持ち悪くさせます。(オエ!)やはり文豪は処女作からパワフル!来週もドタバタな後編を読みますよ。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |