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冒頭の文章はあまりにも有名(試験によく出ましたよね)ですが、続く物語の内容やたっぷりのユーモア、最後まで吾輩に名前がないこと、これが漱石の処女作であることなどなど、なにも知らずに今日まできてしまいました。苦沙弥先生の元に集まる愉快な仲間たちのテキトーな会話、生き様。これだけの長編なのに一本通った筋のようなものは何もなく、ただただ彼らが巻き起こす小事件をクールな視線で見守る猫が語るお話。小事件はこの時代の空気感をみずみずしく伝えてくれ、例えば小川さんが「ひー!」とドン引きした蛇飯のエピソードなどは約110年後を生きている私たちをも気持ち悪くさせます。(オエ!)やはり文豪は処女作からパワフル!来週もドタバタな後編を読みますよ。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2018年02月11日
カズオ イシグロ『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』
2018年02月04日
『ネギをうえた人-朝鮮民話選』
2018年01月28日
プリーモ・レーヴィ
『アウシュヴィッツは終わらない これが人間か』

2018年01月21日
伊藤整
『雪明りの路』

アーカイブ
ピアノ三重奏曲/ガーデ作曲、トリオ・パルナッスス
これは、漱石が実際に聞いた室内楽です。ガーデはデンマークの作曲家。苦沙弥先生は謡いやヴァイオリン、絵画にも挑戦する趣味人。そして、旧門下生、寒月君は、ヴァイオリンが上手で合奏会に参加します。
恋はやさし野辺の花よ/田谷力三
漱石は、帝劇でスッペのオペレッタ「ボッカチオ」を見て、寺田寅彦に見に行くようにはがきを書いたそうです。これは、その中の代表的な曲。三毛に恋する吾輩、寒月くんと金田富子の恋も「吾輩は猫である」に登場します。
/クレイジーケンバンド
二弦琴のお師匠さんの家の猫の三毛子さんは病気で死んでしまいます。彼女に思いを寄せていた吾輩のことを思って。
 
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