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「一作ごとに作風が変わる」と小川さんが評するカズオ・イシグロ唯一の短編集は、確かに『日の名残り』とは違う趣き。でもどんな醜いものも透明感のある美しさをまとわせる独特な表現は今作品もやはり健在でした。ところで私、オンエア中ポカーンとしてしまった一瞬が。小川さん曰く最後の短編『チェリスト』の大家を名乗る女性の才能は“嘘”とのこと。えー!チェロは弾けないけれど才能はある人っているんだなと、疑わずに読んでいたのですが。しかし言われてみれば楽器ができない天才なんて説得力がないし、そもそも大家を自分から名乗るのもおかしい・・・。カズオ・イシグロの透明感にすっかり騙されてしまいました。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2018年02月04日
『ネギをうえた人-朝鮮民話選』
2018年01月28日
プリーモ・レーヴィ
『アウシュヴィッツは終わらない これが人間か』

2018年01月21日
伊藤整
『雪明りの路』

2018年01月14日
アガサ・クリスティ
『そして誰もいなくなった』

アーカイブ
惚れっぽい私(I Fall In Love Too Easily)/チェット・ベイカー
 「老歌手」より。”トニー・ガードナー”と夫人の”リンディ”が結婚後まもなく訪れたロンドンのホテルでラジオから流れた思い出の曲。「スローでメローで実によかった」。ベネチアの小舟でトニーがリンディに歌う1曲にも入っています。
無伴奏チェロ組曲 第2番 第一楽章/ブリテン作曲、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
「チェリスト」より。ハンガリー人の若いチェリスト”ティボール”にレッスンを名乗り出た謎の女性”エロイーズ”。 「ブリテンから始めましょう。第一楽章だけ」。
ニアネス・オブ・ユー/ヒューストン・パーソン(サックス)
「夜想曲」より。「老歌手」にも出てきた”リンディ・ガードナー”と、なかなか売れないサックス奏者の”私”は、整形手術を受けた後の療養中に知り合います。”私”が、自分が演奏しているCDから一押しとして彼女に聴かせるのがこの曲です。今回選んだヒューストン・パーソンは、ソウル・ジャズで知られる演奏家です。
 
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