今月は「先妻&後妻文学」の強化月間?!この作品も先週までの『レベッカ』と同じく今の妻VS前の妻の戦いが繰り広げられるお話ではありますが、雰囲気は軽快で明るかったですね。あのずしりと重い作品『春琴抄』を書き終えた直後に、このポップなお話を執筆したというんですから、谷崎先生、作品の幅が広すぎます!「それにしても谷崎という人は、小鯵の二杯酢の作り方とか、猫のトイレの始末とか、日常の細々したことを実によく見ていますね。男と女のことだけ見ている作家じゃないのです」と小川さん。そこがまた文学遺産を数々生み出す凄さなのでしょう。ただし、あの大きな目で毎日じっと見られていたら、家事をする手も止まっちゃいそうですが!
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |