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『春は馬車に乗って』素敵なタイトルですねえ。季節が馬車に乗ってやって来るなら夏でも秋でも冬でもない、春だろうと思います。
春を待つウキウキと楽しげなお話かと思いきや、病床の妻と看病する夫のやりとり、いやバトルがメインの短編。
読む人はやはり自分に置き換えてこの夫婦を眺めるのでしょうか。女性は、夫はもっと気の利いたことを言えばいいのに、と憤ったり、男性は、なぜ女は外での男の仕事を理解しないのか、などとため息をついたりして。 短い期間のみの描写で、それ以前の暮らしには触れていませんが、鳥の臓物、ダリヤ、etc…何気ないアイテムが長い夫婦の歴史を物語ることもできるのですね。実は周囲を見渡してみたらそんな例がいくつもあるかもしれません。
(アシスタント:小山ジャネット愛子)

2016年3月13日
ケネス・グレーアム
『たのしい川べ』

2016年3月6日
長田弘
『詩の樹の下で』

2016年2月28日
ケストナー
『点子ちゃんとアントン』

2016年2月21日
藤沢周平
『海鳴り』第二週

アーカイブ
ぼくの馬車はゆっくりと行く/マティアス・ゲルネ(バリトン)
ハイネの詩、シューマン作曲。文学や映画によく登場する「馬車」、現代では実際乗った人はほとんどいないという不思議な乗り物です。「春は馬車に乗って」というタイトルに魅かれて大学生の小川さんも手に取ったそうです。
愛の夢/横山幸雄(ピアノ)
リスト作曲。この曲はもとは歌曲でした。フライリヒラートによる詩は、「いずれ死が二人を引き離し、悲しみが訪れる前に」、「相手を悲しませないように」、「心無い言葉で傷つけないように」「愛し得る限り愛しなさい」という内容だそうです。小説の若い夫婦は甘えたり傷つけあったりリアルな会話で読ませます。
DOUBT/ジョニー・ルイス&チャー
「機械」の主人公は”疑い”でいっぱいでした。本当か?いやそれはありえない・・あーでもない、こうでもない、もしかしたらあいつは・・なんで私がこんなことを・・と、仕事の現場をそのまま描いた小説です、と小川さん。
 
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