私達は気がつけばいつでも樹の下にいます。
春は花びらを見上げて、
夏は木陰を求めて、
秋は落ち葉を踏みしめて、
冬は木枯らしに耐える姿に励まされて。
記念に樹を植え、
枝に登って新たな世界を知り、
幹に抱かれ戯れて、
根のそばに大切なものを眠らせます。
『詩の樹の下で』を読んで蘇る、樹にまつわる思い出がきっと誰にもあるはず。 楽しい思い出も悲しい思い出も受けとめて、人間よりもはるかに長い時間、同じ場所で淡々と在り続けるその姿には、深い畏敬の念を抱くと同時に、この上ない愛おしさも感じてやまないのです。
(アシスタント:小山ジャネット愛子) |