モグラは好奇心旺盛で、川ネズミは世話好きのお人好し。寡黙なアナグマに、お調子者のヒキガエル。もし自分も“たのしい川べ”の住人になれるとしたら、誰と仲良くなって何をして過ごすだろう?そんな風に自分を物語の中においてみる想像が俄然楽しい本ですよね。
それにしてもヒキガエルのつくづくダメなキャラクターにもう笑うしかない小川さんと私たちでしたが、川べの友人たちは呆れながらも決して見捨てずに彼を支えます。たのしさも逆境も共に受けいれていく川べの強い絆と、それを描いた作者グレーアムの動物たちに対する愛情。厄介ごとはなるべく排除してつき合いたいと思っている、現代に生きる私たちはどことなくハッとさせられませんか。
(アシスタント:小山ジャネット愛子)
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