少年が悪い大人達をかわして活躍する、楽しさ満載の冒険小説!・・・かと思いきや、「宝探しの旅に出るまでが思いのほか長いですし、島で実際に宝を探すシーンがほとんどないんですね」と、小川さんも驚いていた『宝島』。ただやみくもに読み手である子ども達の冒険心をくすぐるのではなく、生きて行く上でのいましめや、大人社会の厳しい現実が容赦なく描かれている児童文学です。裏切りあり、失敗あり、したたかな計算ありで、船の中の人間関係はまさに社会の縮図。あの半沢直樹もびっくり、主人公のジムの口から今にも、「倍返しだ!」という言葉が聞こえてきそうでした。
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