今回は『夏の終り』をとりあげましたが、本に収録されている他の短編を読むと、理解し難い3人の恋愛模様やそれぞれのキャラクターなど、より深くこの作品を理解することができます。小川さんも注目していた「活力が溢れすぎている人物ゆえ、無気力な男性に出会うとその男の空洞を埋めたくなってしまう」という知子のキャラクターについての説明。それまでまったく理解できなかった知子の行動も全てが腑に落ち、友達のあの子に似てるなぁ・・・と知子との距離が一気に縮まった部分です。それだけに、世間から決して良しとされない、私も「早く別れればいいのに」とヤキモキしていた知子と慎吾の恋が、短編『花冷え』で完全に終わりを迎えた時、なんともいえない寂しさが残りました。
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