2013年08月25日

瀬戸内寂聴
『夏の終り』
(新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

昭和37年に発表された瀬戸内寂聴さんの短編小説「夏の終り」。出版50周年を迎え、100万部を超えるベストセラーです。8月31日の映画公開に合わせて取り上げてみました。主人公は知子という女性。彼女は1ヶ月のソビエト旅行に出掛け、船で横浜港に戻ってきます。それを迎えたのは二人の男。一人は売れない小説を書き続けている年上の男・慎吾。知子は妻子ある慎吾との関係を8年も続けています。もうひとりは年下の男・涼太。以前、知子に夫がいた時に涼太と出会い、そのことから知子は夫と娘を置いて家を出ています。お互いの存在を理解しながらも、心が揺れ動く不思議な関係。この三人はどうなっていくのでしょうか?

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