今を生きる私たちも憤らずにはいられない事件を描いた『カクテル・パーティー』。今から約50年も前に書かれた作品とは信じがたい一冊です。文章や物語の展開から、今私たちが抱える様々な問題についても考えさせられますが、「どちらも被害者であると同時に、加害者だということを自覚することからしか、新しい世紀ははじまらない」という言葉に、問題を解決していくヒントがあるのではと気付かされました。ところで収録されている戯曲には、レイプの被害者・洋子が結婚、しかもアメリカ人が夫となっていることが描かれています。小川さんと2人、「洋子さんはその後まっすぐに生きて、この事件を自分自身で乗り越えられたんですね」とほっとしました。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |