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ダメ男が数多く登場する太宰作品ですが、今回小川さんと私が気になったのは、物語の中心となる女性・かず子でした。かず子は戦後貴族が没落していく中で「思い切って華麗に滅びたい」と思いながら生きている、世が世ならお姫さま。蛇の卵を気軽に焼いてしまったり、誤解を自ら招くような行動をしたり、遂には押しかけ愛人として子を身ごもるなど、刹那的ともいえる生き方を貫いています。しかし小川さんにはこのかず子の行動全てが、計算しているように見えるのだそう。一見儚げなかず子ですが、言われてみれば「その自信は一体どこから?」と問いただしたくなる自信満々の言動が多いような気も・・・あなたはかず子、どうご覧になりますか?
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2013年6月9日
アリソン・アトリー
『時の旅人』

2013年6月2日
ロバート・キャパ
『ちょっとピンぼけ』

2013年5月26日
『百人一首』
2013年5月19日
深沢七郎
『楢山節考』

アーカイブ
斜陽(Reflection)/吉田美奈子
♪声も出ないほど冷めた愛♪という歌詞は、かず子と上原の関係を思わせます。
ショパン:エチュードハ短調「革命」/ジャン=マルク・ルイサダ
母とかず子の家に流れていたのはクラシックの名曲、というイメージです。「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。」など、かず子の言葉にはしばしば「革命」が登場するので選びました。

この恋に生きて/ヴィッキー・カー
新しい生命と生きる決心をしたかず子を思って。わたしは操り人形じゃないと自分に言い聞かせる、なるようになるわ、という乙女心を歌った曲です。

 
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