2013年06月16日

太宰治
『斜陽』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

6月19日の「桜桃忌」を前に太宰治の代表作のひとつ「斜陽」を取り上げました。戦後、没落した貴族を描いた小説。太宰治は、チェーホフの「桜の園」をベースに、また自分の生家の没落とさらに当時、関係を持っていた太田静子さんの日記を結びつけてこの小説を書こうと構想を立てたそうです。発表したのは昭和22年。太宰は「斜陽」でますます流行作家として脚光を浴びるようになります。しかしその頃から不眠症や体の不調に苦しむようになり、「斜陽」の翌年となる昭和23年6月13日、山崎富栄という女性と玉川上水に入水。その6日後に遺体が発見されました。その日は太宰治の39歳の誕生日でもあったのです。

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