2013年06月23日

大城立裕
『カクテル・パーティー』
 (岩波現代文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今から68年前の6月23日、太平洋戦争における沖縄戦が終結しました。20万人以上の方たちが犠牲となったことから、6月23日は「沖縄慰霊の日」に制定されています。この日に取り上げたのは、大城立裕さんの小説「カクテル・パーティー」。1967年の芥川賞受賞作で、当時、沖縄初の芥川賞として話題になりました。物語の舞台はまだ本土復帰前、アメリカの統治下にあった時代の沖縄。米軍基地の中で開かれるカクテル・パーティーに主人公である「私」が招待されます。パーティーの主催者は、ミラーというアメリカ人。その他、孫という中国人の弁護士、大手新聞社の沖縄特派員である小川という人物も招かれています。

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