宮廷での出来事や、情熱の恋物語が綴られていた『和泉式部日記』や『蜻蛉日記』とは違い、「人生、そんな華やかなことばかりじゃありません」という声が聞こえてきそうな『更級日記』。そこには『源氏物語』の世界に憧れた少女時代の夢は叶わず、失ってみて初めて夫の存在の大きさに気付き孤独な晩年を送る、平安時代の一女性の現実がありました。「孝標女は人生を表現しようと筆をとりましたが、筆を取らず、人生を語らずに亡くなっていく人が無数にいるんですよね。そんな人たちの代わりに人生を書きあらわすのが、私たち作家なんです」と小川さん。「なるほど、書くイタコですね!」・・・下手な返ししかできず反省しているアシスタントの藤丸でした。
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