「こんな物語、読んだことがありません!」。幼い頃からありとあらゆる本を読んでいる小川さんでもそう感じるほど、『嵐が丘』は心の暗部を恐ろしく深く描いている作品です。主人公のキャサリンとヒースクリフのやりとりは、愛の告白どころか罵倒合戦。仲直りのキッカケが生まれても、それを蹴散らしてますます険悪になっていく人間関係・・・。書いている方もつらくなかったのかな、と心配になってしまいます。現にエミリー・ブロンテは作品を完成させた一年後にこの世を去っており、小川さん、「ヒースクリフに命を吸い取られたのかも・・・」とポツリ。物語の亡霊シーンより怖い一言!嗚呼、光が見えないままこの物語は終わってしまうのでしょうか。下巻も読み逃せません!
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