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書き出しからすぐ、4行の中に「女に餓えている」という赤裸々な言葉が4回も出てくる『お目出たき人』。のっけから「この人大丈夫かしら」と主人公の行く末が心配になりますが、これが全然大丈夫じゃないんですね。近所の鶴さんに恋い焦がれ、脳内恋愛がどんどんエスカレートしていく主人公。ここまで自分に都合の良いように物事を解釈できる人ってある意味凄い……いや、やっぱり危ない。しかしそんな不穏な空気を一掃してくれるのがこのタイトルなのではないでしょうか。嘲笑も含んだ目で主人公をお目出たいと表現していることに「あ、ちゃんとわかっているのね」とほっとさせられます。それにしても鶴さんから見た主人公との物語は、一体どんなものだったのでしょうか。ホラーじゃなければいいのですが。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2012年9月9日
エラリー・クイーン
『Xの悲劇』

2012年9月2日
国木田独歩
『武蔵野』

2012年8月26日
スウィフト
『ガリヴァー旅行記』

2012年8月19日
上田秋成
『雨月物語』

アーカイブ
Hungry/エリック・クラプトン
この小説「自分は女に餓えている」ではじまります。クラプトンは♪俺は餓えている、君の笑顔に♪と歌ってます。
足音/槇原敬之
”お目出てたき人”は恋焦がれる「鶴」の学校や家の近くをうろうろ。待っていないふりをして女性を待つ、という曲。

ふたりのソナタ/アンディ・ウィリアムス
武者小路の「友情」にベートーヴェンのマスクが登場しました。ピアノソナタに♪絶望という灰から生まれるすばらしき新世界♪と歌詞をつけて歌いあげます。いつも夢見る「お目出たき人」に幸あれ!

 
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