学生時代、武蔵野に住んでいた小川さんと、武蔵野エリア生まれの私。とはいえ独歩が描いた風景は私たちが知っている武蔵野とはまるで違い、二人とも興味津々でページをめくりました。渋谷がまだ村だった時代。今渋谷の駅前に立つとそこから見えるのは果てしなく続くコンクリートの建物群ですから、この100年の東京の変貌を改めて思い知らされます。それにしても独歩の表現の美しいこと!文学史の授業で重要ワードとして憶えただけの「ロマン主義文学」とは、こんな素敵な文学だったのかとわかりやすく教えてくれます。独歩が指南する「武蔵野の歩き方」は、人生の歩き方と同じですねと指摘した小川さんの言葉も印象的でした。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |