毎年終戦記念日近くには、戦争にまつわる作品を取り上げるのが恒例となっているこの番組。今年も「戦争は何も生み出さない」ということを確信する一冊に出会いました。特攻隊員については、歴史の教科書や映画などを通じて知ってはいましたが、こんなに身近に感じられたのは初めて。それはやはりこの作品が、主人公の日記というスタイルをとっているからなのでしょう。戦争に疑問を持ちながらも、愛する学問を捨てて従軍するしかない主人公の苦悩。ほのかに芽生える恋心や友情、そして最後は悟りとも思える静かな心境で任務を果たす主人公・・・涙なしには見送れません。ラストに近づくにつれ、彼が日常のささいなことに幸せを感じるシーンが増えていくのも、なんともやりきれませんでした。
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