2012年09月02日

国木田独歩
『武蔵野』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

新学期にちなんで選んだのは、学校で必ず習う文学・・国木田独歩の「武蔵野」です。明治4年に生まれた国木田独歩は、明治21年に東京専門学校(現在の早稲田大学)に入学。文学の道を志すようになります。イギリスの詩人ワーズワースやロシアの作家ツルゲーネフを好んで読み、また自分でも文章や詩を書くようになります。その後、教師や新聞記者を経て、26歳の頃から本格的に作家として作品を発表。随筆「武蔵野」は、明治31年、27歳の時の作品です。自然を描写しながら、自分の思いを綴った独歩。そこには渋谷や小金井など100年前の東京と郊外の風景が描かれていて、当時の資料としても価値のある作品です。

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