民間に伝わる昔話をわかりやすくまとめたという『ペロー童話集』。読んでみるとヨーロッパと日本の昔話の差に、とにかく驚かされました。食べちゃったり、食べられちゃったり、血なまぐさい展開が多く、またおばあちゃんが孫に話して聞かせるような物語のはずなのに、恋愛の手練手管を指南するようなストーリーが目立つのです。「狐に騙されてつい笑っちゃった」だの、「力自慢のオナゴがおったそうな」的な我々農耕民族の昔話と違い、どこまでも肉食、濃厚な話ばかり。今回取り上げた『長靴をはいた猫』は、「知恵とトンチで成り上がれ!」「なんだかんだ言っても人間見た目」という、現代の自己啓発本に載っていそうな教訓が掲げられています。野心的に恋も仕事も楽しみたい人はペロー童話集、是非!
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |