「ベートーヴェンは耳が不自由だったのに偉大な作曲家であった」。このエピソードは、薪を背負いながら勉学に励んだ二宮金次郎の逸話と並んで、幼い頃から誰もが知る、努力の美談です。が、ここまでベートーヴェンが不幸だったとは!親との縁は薄く、恋もいつも上手くゆかず、溺愛した甥はベートーヴェンが死の床にある時さえ彼を煙たがっていた・・・。「彼の深すぎる愛情に、誰も応えられなかったのでしょう」という小川さんの意見が的を射すぎていて、なお一層哀しくなってしまいました。そんな絶望的な人生の中、崇高な楽曲を数多く生み出したベートーヴェン。彼の生涯を知った上であらためて聴いてみると、壮大なハーモニーから小さな音に至るまで、曲のすべてが奇跡に思えてきました。
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