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登場人物がそれぞれに魅力的で、結果悪役が存在しない宮本輝さんの作品。今年の六月に刊行されたばかりの『骸骨ビルの庭』も、まさにそういう物語です。小川さんは骸骨ビルの優等生、『みなと食堂』の女主人・湊比呂子のことが気になっているようでしたが、私はなんといっても主人公のヤギショウさんが好き。料理の腕は素晴らしく、電化製品の知識は完璧。読書が好きで、ゴルフも上手く、しかも人の心を緩ませるという特技を持つ…この人、本当に“いい男”ですよね。奥さんをとても愛しているのもふとした行動から伝わってきて、ほほえましいかぎりでした。さて、骸骨ビルの住人、あなたのお気に入りは?
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2009年11月08日
アポリネール詩集
2009年11月01日
中沢けい
『楽隊のうさぎ』

2009年10月25日
星新一
『ねらわれた星』

2009年10月18日
池波正太郎
『食卓の情景』

アーカイブ
井筒/観世寿夫 (独謡)
複式夢幻能「井筒」について、ナナさんがヤギショウさんに語るシーンにちなんで。これは、その能に出てくる謡で、婚礼でも使われるおめでたいもの。宮本さんはこの小説を能舞台にみたてていたそうです。
/藤原道山
宮本さんの「錦繍」の舞台で音楽を担当した尺八奏者の藤原道山さんのオリジナル。阿部轍正さんを守り、導いた「光」もこの小説のキーワードです。

クロスロード/ミスターチルドレン
この話の舞台となった平成6年のヒット曲。♪遠い記憶の中にだけ君の姿探してももう戻らないでも忘れない愛しい微笑み♪ヤギショウさんと出会い、骸骨ビルの子供たちが過去と向き合うことになったこの小説とも重なります。

 
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