題名からも暗い雰囲気が漂ってくる作品。一気に読み終えてしまったものの、読後には人間の弱さを思い知らされて、深い疲れが残りました。「重厚な作品ですよね・・・。口当たりの良いものばかり読んでいては駄目、こういう作品とも出会わなくては」という小川さんの言葉に、日頃の自身の本選び、ちょっと反省しました。ところで遠藤周作は子供時代を大連で過ごし、フランス留学の経験もあったことなどから、日本人とはいかなる人間なのか、作品の中で繰りかえし問うています。そんな遠藤作品のひとつ『沈黙』がスコセッシ監督の手で映画化されるそう。アメリカ人が遠藤作品をどう捉えるのか・・・楽しみです。
(アシスタント:藤丸由華) |