天才物理学者が幼少時代、青年時代、どんな風に何を感じながら成長してきたかを知ることが出来る作品。私は中でも結婚のエピソードがお気に入りです。『孤独だった』という言葉を何度も繰り返す湯川博士ですが、新婚当初、お寺の石段を独身気分でどんどん上ってしまった時、はっと気がつき新妻を見ると息を切らしながら一生懸命追ってくる・・・この時博士は『私はもはや、孤独な旅人でなかった。助け合って歩んでいくべき道連れがあったのである』という言葉を綴っています。奥さまに関する記述は少ないけれど、可愛らしく明るい人柄で博士を支えた様子を伺い知ることができます。奥さま・湯川スミさんも著書「苦楽の園」を残されているので、こちらにも興味津々です。
(アシスタント:藤丸由華) |