心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
1949年、42歳の時に日本人初となるノーベル賞に輝いた物理学者の湯川秀樹。その8年後、50歳を迎えたことを機に、自らの子供時代や青年時代を振り返り、それを綴ったのが湯川秀樹の自叙伝「旅人〜ある物理学者の回想」です。世界的な物理学者はどんなふうに育ったのか。天才は子供の時から天才なのか。様々なエピソードから湯川秀樹という偉大な博士の本当の姿が見えてきます。「博士の愛した数式」を書き、自ら「博士萌え」と仰る小川洋子さんにとっても湯川秀樹は特別。「博士の中の博士」という存在だそうです。「天才はこんなふうに人生を記憶していくのか」。小川さんがこう感じたエピソードもたくさん詰まっている1冊です。
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